Counter

読み始めたら止まらない ! 大河解説ロマン  ガラスの改稿  狼少女ジェーン 4 通し稽古編 パート2

〜 ガラスのように もろく壊れやすいシナリオ ひとはみな素顔を隠して それをえがく 〜

第11章 紫の影 5 狼少女ジェーン 4 通し稽古編 パート2

も く じ

2 006/02/12 up   2006/04/06 更新(画像と全体のレイアウトを変更、少し加筆)  

 

あらすじ

 

演出家黒沼龍三と大沢演劇事務所社長の確執は深まり、本公演に

辿り着けるのかどうか予断を許さぬ情勢になっていた。

そんな中、オーディションで集めた素人8名を含む新参役者たちによる通し稽古が始まった。

スチュワート役の桜小路 優とビクトール男爵役の古原 明の会話場面が進む。

 

マヤの演じるジェーンの鳴き声にさそわれて階下のパチンコ店から見物人も押しかける。

ジェーンと絡む素人役者たちの演技を見るうちに円城寺まどかもいつしか惹きつけられて行く。

場面は進みいよいよ「忘れられた荒野」の物語は佳境に入ってきた。

スチュワート・ローリー家からの脱走をはかったジェーンは? “鬼才”黒沼の演出とは?

ついに物語の全貌と改稿せねばならなかった理由が明かされた !?

 

・・・のか!?・・・(^_^;)        

 

24号

 

解説 1

 

1 号

 

解説 2

 

2 号

 

解説 3

 

かぜの迷宮

 

サイトマップへ戻る

 

花とゆめ1984年24号はコミックス30巻163p(速水真澄と鷹宮紫織のデート場面)から始まります。

この号のカラー扉は30巻のカバーに採用されています。

 

162pの街の夜景は加筆ですが、163pからコミックス171pまでは全く同じです。

 (真澄が紫織とダンスする場面です)

172pの紫のバラのひとの事を語るマヤの姿を思い浮かべた水城冴子の後姿のモノローグ

場面、1ページ分はコミックスでの加筆です。

 

連載時原稿ではコミックス171pの次にあたるページは・・・

 

吠えるジェーン

わおおーーーん

 

稽古場全景 中央にシルエットのジェーン 周囲に役者たち

うおおーーーおぉん

 

電車なめて稽古場の窓 外観

ゴーーー  カンカンカンカン

 

顔真っ赤な黒沼

ヒク・・・

「おまえハンバーガー屋の店員だったな」

 

アン 汗一滴

「はい」

────────────────────────────────────────

黒沼 椅子の背もたれに手をつきながら

「どういう時に一番あわてる?」

ヒク・・・

 

アン 汗一滴 頭を掻きながら

「そう・・・ですね」

「お釣りをまちがえてお客さんに多く渡してしまったときかな・・・」

「渡された千円札を1万円とまちがえてお釣り渡したときなんかあせりましたねぇ」

 

頭がふらふら揺れている黒沼

「ほう ではつぎの演技はそれでいこう」

 

キョン顔のアン

「え?」        (’。’)

 

「そら! 釣銭をまちがえた !」

「出番だ アン!」

パン   丸めた台本でお尻を叩いた

「きゃっ!」

 

場に駆け込むアンと 振り向くスチュワート

「たいへんです!」

「ジェーンが庭から隣の家へ逃げこみました !」

「なんだと?」

 

アン 青筋頬汗のアップ

「隣の犬のマックとケンカになって手がつけられません !」

    (釣銭! 釣銭・・・ !)

────────────────────────────────────────

深々と頭を下げるアン 頭を抱えるスチュワート

「すみません わたしがうっかりドアをあけておいたばっかりに」

    (釣銭まちがえたー !)

「なんてこった・・・・・・ !」

 

黒沼

「いいぞ アン それだ !」

 

衝立の向こう

「だれかァ」 「だれかうちのマックを助けてくれ !」

わぉん わぉーーーん

きゅーん きゅーん

「狼娘に殺されてしまう─── !」

 

手前にアンと黒沼  奥にシルエットのスチュワート

「あの・・・ 今のでいいんですか」 「演技あんなので・・・」

ヒク・・・  「まわりにきいてみろ」

「ベン! 暖炉の火をもってこい !」 「ケンカをやめさせるんだ!」

────────────────────────────────────────

つるはし男のコルベール牧師とエレン

「うん サマになってたよ 不思議と・・・」

「あせったかんじがよく出てたわよ」

 

アン

「うそ・・・」

「信じられない あれで演技になってるなんて」

 

椅子に掛けたスチュワート ジェーンをおさえるジョンとベン 台本を開いた助手 バトリー夫人

「家中の扉をちゃんとしておけと あれほどいったろう !」

「まわりから当分近所づきあいしてもらえないな」

う〜〜〜〜

「まったくでございますわねえ」

「人間の少女が犬にかみついてけがをさせるなんて」

 

スチュワート 憂い顔のアップ

「生まれたときから人間に飼われて育った犬なんかジェーンの相手じゃないよ」

「野生の狼の群れの中で育ったんだぜ ジェーンは」

 

2段またぎで見物人たち

「荒野で自然を相手に暮らしていたんだ」

「エサも自分で手にいれなきゃ生きていけないんだ」

 

「うかうかしていると自分が他の動物のエサになってしまう」

「隣の犬がかなうわけないさ」

────────────────────────────────────────

床で低い姿勢のジェーン

う〜〜〜〜

 

ベン、ジョン、バトリー夫人、アン みんな頬汗で

巨大びっくりマーク

 

バトリー夫人汗二滴 後ずさりしつつ・・・  床には飛び掛りそうなジェーン

じり・・・

「そ・・・ そうでご・・・・・・ございますわね・・・」

う〜〜〜〜

 

まどかとお供  ハッ として・・・

 

見物人たち

ははは  クスクス   はは

 

青筋頬汗のまどか

(今の表情 演技じゃないわ)

(一瞬だけど“本気”の顔だった・・・)

(みんな本気でジェーンのこわさを思い知ったんだわ・・・)

────────────────────────────────────────

まどかの目元アップ

(素人たちだけにその反応が新鮮だわ)

(“本気”にはどんな演技もかなわない・・・)

 

稽古場の俯瞰 ほぼ全景  

ま: (しかもみんな芝居にのってきている・・・ !)

ジ:  う〜〜〜〜

ス: 「3月18日 ジェーン なつかしい荒野への思いに不安定な感情をもてあます」

   「そのイライラは春を迎えるにつれてだんだん増してきたようである」

────────────────────────────────────────

天井と窓

「ジェーンの部屋の窓に横木をうちつける」

「常に家中の鍵を確認することを召使い達に命じる」

 

しゃがむスチュワート 奥にシルエットのジェーン

「どうすればわかるんだ ジェーン」

オオーーーーン  オーー・−ン

「ここは荒野じゃないんだ」

 

バインダーとペンを持つスチュワート とエレン

「しきりに外へ出たがる他はきわめて順調だよ エレン」

「ジェーンの狼としての生体リズムをくずすことに成功しつつあるんだ」

「最近じゃ夜も眠るようになったし遠吠えもめったにしなくなった」

 

夢中のスチュワート とさめた表情のエレン

「日中だされる3度の食事はちゃんと食べるようになった」

「昼の光はまだまぶしそうにしているが 昼のあいだ起きて遊ぶようになったんだ」

「大した進歩ねスチュワート」

「それであなたのベビーはいつ幼稚園へいくの?」

 

汗一滴スチュワート とあきれ気味エレン

「おお エレン・・・」

「ジェーン ジェーン あなたはいつだってジェーンのことばかり」

「あの子が小学校を卒業するまでわたし達はデートもできないのかしら?」

────────────────────────────────────────

しょんぼりスチュワート ハッとするエレン

「ごめんよ エレン いまはジェーンから目が離せないんだ」

「何度も脱走しようとしてね」

「どうやら荒野へ帰りたがっているようなんだ」

 

汗一滴エレン と腕時計を見るスチュワート

「いいのよスチュワート ちょっといじわるをいってみただけ」

「おっと! もうジェーンの昼食の時間だ」

 

笑顔のスチュワート びっくり目のエレン 

「食事はいつもぼくが直接やることにしてるんだ」

「バトリー夫人!」

「はい! ご用意できていますよ !」

 

汗一滴エレン 離れるスチュワート 俯瞰

「そう・・・!」 

「狼少女はさぞかしあなたに  なついたことでしょうね」

「そうあってくれればいいんだけれどね」

「まだ慣れただけだよ」

「ああ きみもジェーンが食事しているところをみにくるかい?」

 

天井

「いいえ けっこうよ ! わたしもこれから食事だから」

「そう・・・ じゃ」

 

床を踏みつけるエレン

「ん・・・もう! スチュワートったら !」

ドン

────────────────────────────────────────

頬汗まどか とお供 の周囲から・・・

あはははは    クスクス クス クス

 

正面下方から電車なめて稽古場の窓 

ゴーーーー   カンカンカンカン

 

四つん這いのジェーンの後方からのカット 目線方向の椅子に山の絵

ゴーーー ガタンガタンガタン 

────────────────────────────────────────

脚を組んで椅子に腰掛けた黒沼

 

台本を開いた女優二名 (伯爵夫人と伯爵令嬢役の)

「このつぎはジェーンが山の絵をみて荒野への郷愁をよびさますシーンよ」

「どんな演技するのかしら?」

 

ジェーン横顔

うお・・ぉ  うお・・  うおお・・ 

 

天井

うおおーーーーっ

 

絵の立てかけられた椅子の周りを回るジェーン 俯瞰

うろうろ

 

ダッ   両前足で絵にさわった

 

ガターーン  椅子が倒れた   

────────────────────────────────────────

クンクン  床に落ちた絵の匂いを嗅ぐジェーン

クーーーーン   鳴いた

 

ジェーン顔を上げて

うおーーーーおぉ

 

黒沼と助手

「今のところをチェック」

「はい」

 

黒沼横顔

「暗転だ」

 

助手 壁のスイッチ押す

ハ゜チ

うおーーーおぉ

 

稽古場の窓枠なめて外を走る電車

ゴーーーー ガタンガタンガタン

────────────────────────────────────────

真っ黒ベタのコマ

ガタン ガタンガタン ガタン ガタン  

 

天井の照明 点灯

パッ

 

左手にスチュワート 右手にジェーンの首を押さえるジョン 

わおーーーん おーーん

「ジェーンが脱走しようとしたって !?」

「はい あの窓から外へ逃げだそうと・・・ !」

 

怒るジェーン

わう わうー・

────────────────────────────────────────

スチュワート 正面アップ

「帰りたいのか ジェーン !」

 

ジェーン 横顔

がう がう

 

ジェーンの肩を掴むスチュワート

「こい! ジェーン」

「きみの本当の世界をみせてやる !」

 

空白コマ

「車の用意をしてくれ !」

キャウーーン キャウーーン

「スチュワート」

「スチュワート・・・ !」

 

ジェーンを掴んで運ぶスチュワート

「お望み通り外へ連れ出してやろうじゃないか」

キャウーーーン

「街がどんなものかみせてやるよ・・・ !」

────────────────────────────────────────

スチュワート横顔のアップ

「扉をあけろ!」

「ジェーンを町へつれていく !」

 

壁ぎわの役者たち

キャウーーーン キャウーーーン

「すご・・・」

 

黒沼

パン

 

手前にシルエットの役者たちなめて 場の中央にエレンとスチュワート  

「スチュワート 街から帰ってきてからジェーンの様子が変なのですって?」

「ああ・・・ 急におとなしくなってしまった・・・ !」

「よほどショックだったのかもしれない」

「何も食べないんだ・・・」

────────────────────────────────────────

手前にスチュワートとエレンの後姿 奥の壁ぎわに役者たちと見物人たち 4コマまたぎ

「車の中でジェーンがみたものは両側にそびえ立つ石の建物」

「道路を走っていく多くの車」

「交差点での信号の点滅」

 

「商店街のショーウインドウに 赤や青の大きな看板」

「人の波・・・」

 

「それから煙を出して走る黒い鉄の巨大な怪物・・・」

 

「汽車をみせたの?」

「ああ」

 

エレンとスチュワート 横顔

「ジェーンは?」

「おびえていた」

 

手前に伏目がちのスチュワート 奥にエレン

「どんなにこの家を逃げだしても もう荒野はないのだということをわからせたかった」

「それは理解したのね」

「ああ・・・」

────────────────────────────────────────

衝立2枚

「もう帰るべき荒野はないのだ」

「自分はなにか とてつもなくおそろしい世界へつれてこられたのだということを・・・・・・」

 

見物人たち

ざわ

 

青筋頬汗のまどか ハッとする

 

床にうずくまるジェーン アップ                      186p−2

 

うずくまるジェーン 顔を伏せた  引いた絵    

         186p−4 と同じ構図に同じポーズだが描き直し(周りの人物は描かれていない)

────────────────────────────────────────

右手前に青筋頬汗まどかアップ 奥にポツンとうずくまるジェーン

(なに・・・? この子・・・   この姿・・・ !)

(なんてうつろな表情・・・ !)

 

白目ジェーン

(これが街へ出てショックをうけた狼少女の姿なの・・・?)

{これが・・・!)

 

青筋まどか とお供

「演出家の藤本先生を呼んでらっしゃい」

「え?」

 

眉間じわ汗一筋の大口開けたまどか アップ

「きこえないの!! 『イサドラ !』の藤本先生を呼んでらっしゃいといっているのよ !」

────────────────────────────────────────

商店街を走るお供の男 (スナック北斗とラーメン屋の看板が背景にある)

「なんだって藤本先生を呼んでくんだ?」

「おもしろいとこだったのに」

 

息を呑み見詰める見物人たち

 

マヤのトロフィーをもった姿を思い浮かべ 青筋頬汗のまどか

(かつて・・・)

(アカデミー芸術祭で姫川亜弓をおさえて助演女優賞をとったという・・・)

(紅天女候補のこれが・・・)

 

手前のジェーンなめて たたずむ青筋まどか 後方左右に役者たちと見物人たち

(この子の演技・・・ !)

         187p−5 にジェーンの姿を切り抜いて貼り付けている(背景の人物は描き替え)

────────────────────────────────────────

白目ジェーンのアップ                   189p−1 (セリフは変えている)

(この子の・・・!)

 

次のコマ 遠い目の真澄から次ページのダンスシーンまではそのまま採用

 

柱言葉   次第に親密さを増していく真澄と紫織。マヤへの真澄の思いは・・・・・・?

そして芝居の展開はいかに       ・・・でした。

 

24号

 

 

 

 

もくじへ戻る

 

 

 

 

 

 

 

 

 

サイトマップへ戻る

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

もくじへ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・(^0^;)

 

 

 

 

 

  トップへ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

HOMEへ

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

ふ〜 (^。^;)  これでやっと30巻の全ページが検証できました。

 

ご覧のように黒沼龍三がライターを落とすのはコミックスで追加された演出だったわけです。

 

また、真澄と紫織のデート場面以外はほとんどの場面がばっさりカットされたわけです。

 

従って、185p〜188pの絵は注釈のある採用コマ以外はすべて新たに描いた加筆になります。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

  解説 1

 

 

 

 

 

 

もくじへ戻る

 

 

 

 

1985年1号 

 

夜の街を走る男2人

「すみません藤本先生 急にお呼びだてして」

「円城寺さんがどうしても先生をおつれしろというもので」

「いったいな何だというんだね」

「なぜまどかさんが黒沼さんのスタジオなんかにいるんだ?」

 

大沢スタジオ入り口にたむろする人々

「通し稽古をやっているんだと?」

「おれに素人芝居をみろというのか?」

ガヤガヤ

 

それを見て不思議そうな藤本 と頬汗の男

ガヤガヤ

────────────────────────────────────────

階段に鈴なりの見物人たち

わいわい

 

藤本と見物人の最後尾の男  俯瞰

「なんだね? きみ達は」

「なんか この上でおもしろい芝居やってるんだってさ」

 

大沢スタジオ 窓の外観

オーーーン オオーーン

 

びっくり藤本

 

藤本 とお供の足

オオーーーン オーーン

 

階段を上る藤本

「ち ちょっと失礼 通してくれたまえ」

 

スチュワート 横顔

「立て!」

「立つんだジェーン さっきはあれほどうまくやれたじゃないか !」

────────────────────────────────────────

ジェーンの右前足を掴み脇を左手で抱えるスチュワート 暴れるジェーン

「きみは人間だぞジェーン !」

「こんど四つばいになったら身体を柱にくくりつけてでも立たせてやるぞ !」

オオーーーン オーー

「そら! テーブルの上に皿がある あそこまで歩くんだ !」

ウオーーー

 

ジェーンの後足 とスチュワートの足

「歩かなきゃ食べさせないぞ !」

ズルル

「さ! 右足を前に出して !」

 

まどかアップ

「さ! 歩くんだジェーン !」

 

壁ぎわの助手たち

「足に力をいれて!」

────────────────────────────────────────

見物人たちの中に割って入った藤本

「これは・・・」

 

顔真っ赤黒沼 立ち姿とアップ両方で・・・

ヒック    ヒクッ

 

バトリー夫人とコルベール牧師 奥にシルエットで格闘するジェーンとスチュワート

「ジェーンがあんなに元気になるなんて奇跡ですわ 神父さま」

「半年前ねこいらずのはいった肉だんごを食べて死にかけたとは思えませんな」

「ほんとうに」

うがーー

 

まどか といつの間にかそばに立つお供の男 周辺に助手や役者たち 俯瞰

「あのときスチュワートさまが何日も必死で看病なさっていらい」

「ジェーンはすっかりスチュワートさまになついてしまいましたの」

「それいらいスチュワートもジェーンを

        人間にするための訓練をはじめられるようになったというわけか」

────────────────────────────────────────

バトリー夫人の横顔

「そりゃもう 毎日毎日立つこと 歩くこと 座ることの訓練を」

「みていていやになるくらい くりかかえすのです」

 

バトリー夫人 

「それから足腰のマッサージ」

「狼として発達した筋肉をほぐすのですわ」

「体にさわられるのをいやがっていたジェーンがまったくうそのようですわ」

 

コルベール牧師と プロンプする助手

「機嫌のいいときはおもしろがって訓練をやりますが

    悪いときはああやって逆らってかみついたりします」

「するとジェーンにとってこの訓練は

    今の所ちょっと気にいっている遊びというわけですな」

 

バトリー夫人 俯瞰

「ええ でもずいぶん慣れましたのよ」

「一人で30秒も立っていられますわ」

「イスに5分も座っていられますのよ」

 

顔真っ赤な黒沼 笑顔で

「よーし! その調子だバトリー夫人」

「看護婦室で医者に患者の説明をするときのことを思い出せ !」

「いいぞ!」

 

黒沼 コルベール牧師の後ろから                          31巻 15p

「神父! 工事現場で立ち話だ !」

「腰! しゃんとしろ !」

パシ   丸めた台本で叩いた

「肩! 力を抜いて !」

「て・・・!」

 

コルベール牧師 とイスを手にした黒沼                       31巻 15p

「工事現場で立ち話・・・」

「このイスをツルハシだと思って手をかけてみろ」

 

コルベール牧師 イスを眺めながらツルハシを思い浮かべつつ・・・

「ツルハシ・・・ね」

────────────────────────────────────────

腰を伸ばした

シャキ

 

椅子の背に肘を乗せて                                 31巻 15p

「するとジェーンにとってこの訓練は今の所

     ちょっと気に入っている遊びというわけですな バトリー夫人」

「バトリー夫人」                               ←これは誤植っぽい・・・(^_^;)

                                      (コミックスではカットされています)

見物人たち

「いいぞ神父! さまになってるぞ」

ピーーー

 

真っ黒バックに真っ白藤本

(看護婦? 工事現場?)

(なんだ? いったい・・・)

 

まどかと 仰天の藤本

「黒沼さんがひっぱってきた素人たちよ」

「げっ!」

「家政婦頭のバトリー夫人が病院の看護婦長」

「神父が土木工事人」

 

飲み物を運ぶアンを指差しながら

「それからメイドのあの子はハンバーガー店の店員らしいわ」

「おまたせいたしました !」

 

びっくり藤本とまどか 横顔

「なんだと 彼らがその素人たちだっていうのか・・・?」

「しかも通し稽古をやったのはこれがはじめてだそうよ」

「みんな黒沼さんのいう通り動いているだけよ」

────────────────────────────────────────

 

黒沼                       31巻 14p−3 に黒沼のシャツのトーンを抜いて転用

「おい 医者ドクター !」

「目の前にいるのは塾の生徒たちだ」

「国語や社会や理科を教えるみたいにしゃべってみろ !」

 

医者                               31巻 14p−4 に背景を描き替えて転用

「つまりです」

「ジェーンの身体は味覚 嗅覚 聴覚 筋肉や神経など」

「すべての機能が狼と同じように発達しているわけでして」

「したがって人間として生活するにはかなり無理があるわけです」

 

藤本の頭の中で 塾の講師と医者のイメージが重なる

 

眼鏡をはずして眼をこする藤本

ゴシ

 

伯爵令嬢と 役者たち

わはは きゃはは

「いいわよセンセイ ! 塾の教師やめてお医者様になったら!」

────────────────────────────────────────

空白コマ

(なんだ これはいったい・・・)

(素人役者たちはセリフも演技もまるでなってないが

           不思議と役の人物像が浮かび上がってくる・・・)

(劇中の人物の個性を感じさせる・・・)

 

真っ黒バックに藤本 2段またぎ

(では黒沼さんは これをねらって彼らを起用したのか・・・?)

 

(この個性が芝居の中で生かされたら・・・ !)

 

手を開閉するジェーンの横顔アップのイメージカット 奥にジェーンとスチュワート

「開いて! 閉じて !」

「開いて! 閉じて !」

「そう うまくなったね」

「そら ごほうびのチョコレートだ」

────────────────────────────────────────

スチュワート横顔アップ

「あとはこの手がものをつかめるということを理解するだけだ」

「ジェーン」

 

壁ぎわで待機中の役者たち

「ジェーンが闇をこわがるようになりました」

「夜中に眼をらんらんと光らせていたあのジェーンがです」

 

スチュワート 右上方からのアングル

「遠吠えをすることもなくなりました」

 

スチュワート 左下方からのアングル

「あれほど嫌っていた塩味のものを食べるようになりました」

 

椅子に腰掛けたスチュワート

「ジェーンはもう服をいやがりません」

 

丸椅子に腰掛けたジェーンの後ろからジェーンの頬に手を添えるスチュワート

「いってごらん ジェーン」

「わたしはジェーンです」

うぁあぁお

────────────────────────────────────────

スチュワート

「ジェ・エー・ン」

「さあ もう一度・・・」

 

ジェーン

「ウオ・オ・オーーウ」

 

ジェーンの後ろからジェーンの頬に手を添えるスチュワート

「わたしの名はジェーンです」

「さあ!」

ゲエエエン

 

壁ぎわの役者たち

「さあ もう一度!」

「ゲエエエェ」

 

びっくりアン 嗅ぐジェーン スチュワート汗一滴

「ま! ジェーンがスチュワートさまのスカーフを !」

クンクン クン

────────────────────────────────────────

ジェーンの横顔アップ

「スチュワアア」

「スチュワア」

 

スカーフに鼻を寄せるジェーン

 

息を呑む見物人たち

 

スカーフを握りしめたジェーンが叫ぶ

スチュアアア

スチュアーーア

 

うれしげスチュワート

「ジェーン そうだよ スチュワート」

「そのスカーフはスチュワート ぼくのだ !」

「ものをつかむことを覚えたんだね ジェーン !」

 

ジェーンとスチュワート

スチュワァァ

「スチュワート そうだよ いえるじゃないかジェーン」

「ぼくはスチュワート」

────────────────────────────────────────

天井

「いってごらんジェーン もう一度 !」

「スチュワートと!」

スチュワアー

スチュワー

「もう一度!」

 

ヨロ  ヨロ   2本足で歩く不安げジェーン

「おいで ジェーン もう少しだ」

進む頬汗ジェーン

「そう うまいよジェーン」

両手を広げるスチュワート アップ

「歩けたね! ひとりで廊下を全部歩けたね ジェーン !」

スチュワートに辿り着いたうれしげジェーン

後方でボーッと眺めるアンとバトリー夫人 さらに後方に見物人たち

────────────────────────────────────────

丸椅子に腰掛けたジェーン と床に片膝をつくスチュワート

「はじめまして わたしはジェーンです」

「ふァじみまァ・・・ わふァ ゲェエエン」

「ジェエエン」

 

無表情ジェーン

「ジェエン」

「ジェエーン」

 

場の中央で立ちスカートをつかんでいるジェーン 後方に役者たちと見物人たち

「わたし・・・」

「ジェ───ン」

 

うつろな表情のジェーン アオリのアップ

 

背後に影をしょった呆然藤本

ゾク・・・

 

青筋頬汗まどか アオリ と役者二名

(みごとだわ あの子・・・)

(野生の狼から人間へと変化していくあの表情・・・)

────────────────────────────────────────

青筋頬汗で横顔の藤本

(演劇界幻の名作『紅天女』のこれが主役候補か・・・)

(このこが)

 

線路の向こうに低層ビル街の夜景

カンカンカン・・・

 

ビクトール男爵とスチュワートを中心に 役者たち 左手にシルエットのジェーン

「おもしろい見世物に招待してくれてありがとうスチュワート」

「きみの狼少女はなかなか演技が上手だったよ」

「窓から虫が飛び込んでこなかければこの見世物も中断されなかったろうに」

「おしいことだ」

うお〜〜〜〜ん

お〜〜〜ん

 

ビクトール男爵 俯瞰

「だがもう幕はおりたようだな」

「わしはこれで失礼しよう」

「スチュワートくん きみはエサで狼に芸をしこんだにすぎない」

────────────────────────────────────────

ビクトール男爵 3コマまたぎ

「人間のマネをすることができてもこの子の心は狼のままだ」

 

「この子は狼だよ スチュワートくん」

 

「人間になりはしない」

 

空中を引っかくジェーンのアップ

おおーーーん おーーん

 

空白コマ

「あすの朝刊がたのしみなことだ」

はははは

────────────────────────────────────────

真っ黒バックに真っ白黒沼

「バックの人達しずかにやみのなかにさる」

「まん中にスチュワートとジェーン」

 

這うジェーンに迫るスチュワート

「立て!」

「立つんだジェーン」

 

青筋スチュワート アップで叫ぶ

「立ちあがれ」

 

頬汗スチュワート横顔アップ 床に這うジェーン

「なぜいうことをきかない」

「おまえはやっぱり狼・・・ !」

────────────────────────────────────────

「狼なのか ジェーン !」

バシ   ベルトで床を叩く

 

汗一滴 ベルトを握るスチュワートの手 きょとんとしたジェーン

はあ・・

 

ガク  スチュワート 膝をつく

 

眼をつむり震える頬汗スチュワート アップ

「ジェーン」

────────────────────────────────────────

場の中央にガックリ頭を垂れるスチュワート 寄るジェーン 周囲に役者たち

クーーーーン

 

青筋頬汗の藤本とまどか もやもや背景

(桜小路 優・・・・・・)

(劇団オンディーヌの若手�癸韻世箸�いていたが・・・)

(ただの噂じゃなかったってわけか・・・)

 

怒りのエレン   ゴーーーー

「もういやよ スチュワート !」

「ジェーン!」

「ジェーン!」

「そんなにジェーンが大事なの !!」

「あなたったらジェーンの教育に夢中で もう4年もデートもままならないのよ」

「そんなあなたにわたしとコンテットとのデートをやめさせる権利はないわ !」

────────────────────────────────────────

スチュワートの背にすがるエレン 2コマまたぎ 後方に役者たち

「あのパーティー以来スポンサーについていた人達もあなたの研究から手をひいてしまった」

「学会はあなたを笑いものにするし わたしの家族もあきれはてているわ」

 

「ああ ごめんなさいスチュワート あなたを愛しているのよ」

「わたし どうしていいかわからないの」

「わたし達いったいいつ結婚できるの スチュワート」

 

正面エレンと背面スチュワート 縦2コマまたぎ 真っ黒バックに渦巻き背景

「あなたが学会で認められてから?」

「いったいいつ・・・? それはいつよ !」

「ジェーン あの子があなたの学説通り人間になるのはいつよ !」

 

「あの狼少女は人間になんかなりっこないわ !」

「あの子は狼よ!」

「狼なのよ!」

「やめろ エレン」

────────────────────────────────────────

空白コマ

「やめろ──── !」

バシ

 

ダッ  走り去るエレン 取り残されたスチュワート

 

真っ黒バックに白目青筋スチュワート        ||||||||||||( ゜_ ゜|||)||||||||||||

「エレン!」

 

助手達           (゜m゜;)(゜。゜;)(゜_ ゜;)

「すごい迫力・・・」

────────────────────────────────────────

この1ページは俯瞰 中央に横たわるスチュワートを基準に右上から左下に記述します

開いた台本を持つ助手A

汗一滴の医者 傍らに口を押さえたアン

「肺炎です・・・」

「雨の中を酔っぱらって朝まで歩きつづけるなんて無茶をするからですよ」

ベッドに横たわるスチュワートに左側から手を伸ばすエレン

「ああ 許してちょうだい スチュワート」

「わたしがいけなかったのよ・・・」

ベッド右側の床に座ったジェーン

足元に立つバトリー夫人 後方に開いた台本を持つ助手B

「スチュワートさま聞こえますか」

「あなたにもしものことがあったら残されたあわれな少女はどうなるのです?」

合掌するコルベール牧師

「主よ この若者をお助けください」

────────────────────────────────────────

ベッドに前足を乗せたジェーン 奥にスチュワートの寝顔

「スチャワァ」

「スチュワー」

 

天井

あーー あぁーー

あーーん  あーーーん            (最後のあーーーんは2コマまたぎ)

 

ベッドの縁に顔を擦りつけるジェーン

「スチュワァ」 「スチュワァア」

────────────────────────────────────────

藤本と青筋まどか

 

わああああ                       (泣き声は上下の3コマまたぎ)

真っ黒バックに真っ白スチュワート 薄目あけた

 

ジェーンの手をつかむスチュワートの手

「ジェーン」

 

見詰めるジェーンの方に頭を浮かすスチュワート

「ジェーン」

 

真っ黒バックに青筋頬汗のエレン 

「スチュワート」

 

空白コマ

「気がついたかスチュワート !」

「スチュワートさま !」

────────────────────────────────────────

頬汗藤本

フ・・・

 

藤本 アオリ

(さすがだな 黒沼さん)

(あんたの実力はたいしたもんだ)

 

藤本の目元のアップ

(だがあんたの芝居は『イサドラ !』にしょせん勝つことはできん)

(だがまあ最期まで稽古はみせてもらうよ)

 

手前に黒沼 それを見る藤本

(「忘れられた荒野」) 

(これが最期の稽古になるのかもしれんのだからな・・・ !)

(そうだろう 黒沼くん・・・ !)

────────────────────────────────────────

真っ黒バックにスチュワート アップ

 

ジェーン アップ

 

見物人たち

ザワザワ ザワ

 

柱言葉   黒沼の演出の秘密を見抜いた藤本夜彦。

余裕を見せる彼の「忘れられた荒野」に対抗する演出法とは     ・・・でした。

 

  1 号

 

 

 

 

 

 

 

もくじへ

 

 

 

 

 

 

 

 

サイトマップへ戻る

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

トップへ

 

 

 

 

← 多重描写コマです

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

HOMEへ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

もくじへ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

今号は採用ページはおろか採用コマすらなく完全にカットでしたね。   ・・・(^_^;)

 

セリフは本公演や稽古場面にあるものと重複しているものもありますが、連続した物語の経過

はこの通し稽古でしか描かれていません。

 

この号のストーリーを完全に削除したのは、前の巻での社長と黒沼、藤本らの位置関係を変更

したことによって、この「忘れられた荒野」における通し稽古を演出する黒沼とそれを見ている

藤本の思惑や伏線が後になって邪魔になったということでしょう。           ・・・(ーー;)

 

実は、このナゾの本質ははるか後の本公演編を待たねば解けないのですが・・・(^0^;)

 

いよいよ通し稽古も大詰めです。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

  解説 2

 

 

 

 

 

 

 

  もくじへ戻る

 

 

 

 

サイトマップへ戻る

 

2号

 

電車なめて稽古場の窓

ゴーーー

 

立ち姿のスチュワート 床にしゃがんで衣類を片付けているバトリー夫人 台本開いた助手

「ジェーンはどうしている?」

「もうすっかりおちつきましたよスチュワートさま」

「あなたさまがあわててどうなさるんです?」

「こんなときにあわてないでいられる男がいるものか !」

 

衣類をまとめて持つバトリー夫人 と頬汗のスチュワート

「はやいものですわね あのジェーンが女だってことすっかり忘れていましたわ」

「蕾はいつかは花ひらく ジェーンも大人になるんですわね」

 

藤本とまどか

(素人を多くまじえたはじめての通し稽古だというのに妙にひきつけられる)

(なんだ この芝居はいったい・・・)

 

空白コマ

「これからは日ごとに女らしくなっていきますよ」

「教師がもうひとりいりますわね」

「スチュワートさまじゃレディの教育はできませんもの」

ホホホホホ・・

「バトリー夫人!」

────────────────────────────────────────

ふと気付くスチュワート

 

ふと注目する役者たち

 

青筋頬汗のまどか

はっ

 

衝立から半分だけ顔を出すジェーン  (右目だけで部屋をながめている風情}

────────────────────────────────────────

手前にスチュワートを見るジェーン 奥に真っ黒バックの頬汗スチュワート 

「ジェーン・・・!」

        (マヤちゃん・・・ !)

 

空白コマ (もやもや背景)

ざわ ざわ

 

頬汗青筋のまどか 見開いた眼のアップ

(これが・・・ ジェーンなの?)

(これがさっきまでの あの狼少女ジェーンなの・・・?)

 

震える藤本  (・・・のコマを挟んで)

「む・・・!」

 

空白コマ もやもや背景 (まどかのモノローグの続き)

(野生の狼そのものだったときから)

(やがて人間に慣れてきた動物)

(人間らしさから少女らしさ)

 

空白コマ 真っ黒バックにフラッシュで

(そして今“女”としての蕾を開いたジェーン)

(適確に変化していっているわ この子・・・ !)

────────────────────────────────────────

頬汗スチュワート横顔アップ

(これが蕾が花ひらいたときのきみ・・・ !)

(マヤちゃん・・・ !)

 

アン

「最近どうなさったのかしら スチュワートさまは」

「じっとジェーンをみつめていたかと思うと」

「顔があうと目をそらされる」

 

ベン

「そうそう それにジェーンがスチュワートさまの横に座ったとたん」

「あわてて席を立ってしまわれるんだ」

 

ジョン

「以前みたいに入浴や着替えの手伝いもなさらねえ」

 

バケツとコップを転がしているジェーン

「もう寝る時間だよ ジェーン」

「遊びはもうおしまいだ」

 

手前に黒沼と助手たち 場の中央に四つ這いのジェーンを抱え上げるスチュワート

「そら!」

「いうことをききなさい !」

────────────────────────────────────────

スチュワート 目を見開く

(はっ)

 

手がジェーンの胸に・・・

 

見詰める見物人たち

 

ジェーンしりもち

ドスン

 

青筋頬汗でジェーンから離れるスチュワート

「すまない ジェーン」

四つ這いでキョン顔のジェーン

 

憂い顔の頬汗スチュワート アップ 背後の壁面に役者たちと助手たち

「ぼくは・・・」

「どうかしている・・・」

────────────────────────────────────────

注視する藤本

 

顔を真っ赤にして叫ぶエレン

「あの子を養女にやって ! スチュワート」

「わたしを愛しているのなら !」

 

ロバート 横顔               

「それが一番いいことなんだ スチュワート」

「結婚してまで今のままじゃエレンがかわいそうだろ」

 

額と頬に汗たらすまどか

 

頬汗一筋の医者 汗一滴たらしつつ・・・

「ジェーンを養女にほしいといっている人がいる」

「スチュワート あの子をいつまでもここにおいていちゃいけない」

「きみだっていつまでもジェーンの世話ができるわけじゃないだろ」

 

見物人たち 俯瞰

「他の世界にもふれさせてもっと人間としての適応能力を育ててやらねばならん」

 

コルベール牧師 心配げに

「父親と母親は必要だよ スチュワート」

「きみではそのかわりにはなれない」

 

バトリー夫人 きつい表情で

「ご自分がこわいのでしょう? スチュワートさま」

「ジェーンを意識していくご自分が・・・」

────────────────────────────────────────

フラッシュ撮影する記者 床に座り傍らの椅子にしがみつき震えるジェーン 

「は・・・ はじめまして」

「わたしの名はジェーンです」

「齢は15歳 わたしは女の子です」

「わたしは人間です」

 

頬汗一筋の記者

「あの・・・」

「おびえないで ぼくは・・・」

 

震えるジェーン

「わたしは人間です」

 

見入る役者たち

 

青筋で目を見開いたジェーン アップ

「わたしは人間です・・・ !」

────────────────────────────────────(ToT)─

大アップのジェーン眼を閉じて叫ぶ

「わたしは人間です・・・ !」

 

青筋頬汗のまどか、目が点の藤本、頬汗の役者たち、

スチュワーートォォ

眼を見開いたスチュワート、真剣黒沼の細かいカットを散らした空白コマ

 

────────────────────────────────────────

電車の車輪のアップ

ゴーーー ガタンガタンガタン

 

過ぎ行く電車の後方から線路全景 右端に稽古場の窓

カンカンカン・・

[今 ひとつの芝居が終わろうとしていた]

 

呆然とした見物人たち

[素人をまじえてのはじめての通し稽古ではあったが これはまぎれもない一本の芝居であった]

 

天井

[最後まで演じとおすことによって多くの素人役者たちは] 

[はじめてこの芝居の本質を知った気がした]

 

あわてるコルベール牧師と困惑するバトリー夫人

[自分達の役柄を知った気がした]

 

議論する記者と他の役者たち 俯瞰

[自分の体から 声から別の人間が生まれ出てゆく奇跡を知った]

 

あわてるアン 指図するバトリー夫人 本を調べる医者

 

黒沼の手

バン

「それまで!」

────────────────────────────────────────

真っ黒バックに両手を胸の前で合わせたままの黒沼

 

うつ伏せに倒れたジェーン 横に寄り添うスチュワート ジェーンの右側に手を差し出すエレン 

スチュワートの後ろにコルベール牧師とバトリー夫人 その後方に医者 その他の役者たち 

左手手前に黒沼 ジェーン以外は全員黒沼の方に顔を向けている

シン・・・

 

黒沼アップ

「幕だ」

「ごくろうだったな みんな」

────────────────────────────────────────

起き上がるマヤ

ムク

 

裾を払うマヤ 汗一滴たらしてながめる銀行家と助手

パンパン

 

マヤ笑顔

「ありがとうございました !」

ニコ

 

アン: 「は・・・?」

医者の胸を肘でつつくコルベール牧師:

「おい! 終わったんだぜ おれ達の芝居」

汗一滴のバトリー夫人、他の役者たち

 

喝采する見物人たち

パチパチ  ワー

「よかったぞ おまえら」

「舞台やるときおれ観にいってやるからな !」

パチパチ

「おれもいくぞ!」

パチパチ パチパチ

────────────────────────────────────────

笑顔のマヤ アップ 

嬉しげなアンと照れ笑いの

コルベール牧師:  へへへ・・・

ウォルター記者:  ニャハハ・・・・

キョン顔のバトリー夫人

パチパチ パチ パチパチ パチ

 

真っ黒バックに青筋頬汗で微笑む藤本 横顔

フフ・・・

 

黒沼の背後で語る藤本

「せっかく通し稽古までやったというのに

 舞台で本番ができるかどうかわからんとは気の毒なことだな 黒沼くん」

 

青筋マヤ 横顔

(え?)

 

青筋で額に汗一筋のまどか 笑む

クッ

────────────────────────────────────────

稽古場入り口付近のの天井

「まどかさんに藤本さん」

「2人ともどこへいったかと思っていたらこんな所へきていたんですか」

 

大沢社長 と部下

「社長!」

 

右手に社長 左手に半身で椅子に掛けた黒沼

「なんという醜態だ 黒沼くん」

「きみは酔っぱらって稽古をするのかね」

「頭の中までは酔っちゃ いませんぜ社長」 

ヒク

────────────────────────────────────────

黒沼後ろへ首を傾け

「なあ 藤本センセイよ あんたいまの稽古を見たろう」

「大半の役者が素人で これがはじめての通しだ」

 

黒沼 アップ

「だがおれはきっと彼らを練りあげて あんたのよりいい芝居にしてみせるぜ」

 

藤本

「そういうセリフはアカデミー芸術祭に参加が認められてからにするんだな」

 

社長 横顔

「黒沼くん」

「参加が認められなきゃ 約束通りきみにはこの芝居を降りてもらうからね」

「むろん芝居もとりやめだ」

 

青筋のマヤとサクラコージ

「ええ!?」

「どういうことですか !? 社長 それはいったい」

────────────────────────────────────────

トロフィーのイメージカット

「みんなもよく知っているだろうが」

「毎年秋にはアカデミー芸術祭が催される」

 

大沢社長を中心にいろんな劇のイメージカット

「各劇団はこぞってこれに参加して賞を争う」

「いいかえれば秋に行われる公演はアカデミー芸術祭で賞をめざすものばかりだ」

 

黒沼のスタッフと役者たち

「これがいまや常識化しとる」

「賞をとった劇団は大手のスポンサーがついて長期公演を行ったり」

「映画やTVの仕事をまかされたりと有利な事ばかりだ」

 

社長:

「我が大沢演劇事務所でも ここ数年の不振をふきとばすためにも

 なんとかここいらで賞をもらいたいと思っとる」

部下:

「今度の芸術祭で大賞をとれれば大手のスポンサーがついて

 長期の大作ミュージカルの仕事をまかせてもらえることにもなっているんだ」

社長: 「これ! あー オホン」

────────────────────────────────────────

タバコを咥える社長と火をつける部下

「黒沼くんにその期待をかけたのがまちがっていたようだな」

「役者と問題をおこすはにげられるは」

「新しい役者を起用したと思えば大半が素人ばかり」

「これでは賞をめざすどころか参加するのもためらわれる」

「きみは大沢事務所を笑いものにする気かね?」

 

椅子に逆向きに座り背もたれにあごを乗せた黒沼

「おれはなにがあっても役者は替えませんぜ 社長」

ヒク・・

 

社長

「では わしのいう通りしてもらうしかないな黒沼くん」

「素人役者を替えなければこの芝居はとりやめる・・・ !」

 

マヤ サクラコージ 役者たち

ザワ

 

社長

「そうだろう? 黒沼くん」

「出演者の大半が素人の芝居を金を払ってわざわざ誰がみにくる?」

「わしは道楽で興業をやっとるんじゃないぞ」                (←興行の誤植)

「笑いものになるのはごめんだ !」

────────────────────────────────────────

椅子の背をつかむ 震える黒沼の手 

「おれには自信があるんだ・・・」

「彼らを使っていい芝居をつくってやる」

 

黒沼 社長の胸倉をつかみ

「おれは役者も替えん !」

「芝居もやめんぞ」

「では その芝居で芸術祭で賞をとってみたまえ !」

 

社長

「だがな いっておく」

「アカデミー芸術祭に正式に参加するのは『イサドラ !』だ」

 

真っ黒バックに役者たちと助手たち 2コマまたぎ

「しってのとおり芸術祭の参加には一社一作品という規約がある」

「しかし特別規約として審査員の半数以上が認めた場合」

「いかなる条件の芝居であろうと参加が認められる」

 

「審査員会議にかけられて厳正な判断の上で参加が認められるのだ」

「黒沼くん きみの芝居が審査員の半数以上の賛同を得て」

「無事芸術祭に参加が認められたらわしもきみがこの芝居をやることを許可しよう」

────────────────────────────────────────

頬汗マヤ横顔

「しかしそれができなければきみには降りてもらう」

「この芝居も一時とりやめだ」

「むろん秋の公演はない」

 

空白コマ

「参加申し込みの〆切が8月15日」

「参加作品の公式発表が8月31日」

「審査員会議はその間に行われる」

 

灰を落とす社長の手

「どうだ やるかね?」

 

いつの間にか椅子に戻った黒沼 

「やるしかないでしょう」

 

藤本

「まるで賭けだな」

フハハハハ・・

「勝ち目のない・・・・・・ね」

「公式発表のときに『忘れられた荒野』のタイトルが入っていることを祈っているよ」

 

「うるせえ! おめェらなんかに負けるもんか !」

スラ   やくざ男がドスを半分抜いた

ぎょっ   藤本

「さっさといかねぇとぶっ殺すぞ !」

 

見物人たち

「そうだ! そうだ ! 稽古でも感動したぞ!」

「がんばれよ! おれ達応援してやるからな !」

おーーーー

────────────────────────────────────────

こぶしを突き出す見物人たち 気圧される藤本と社長

「帰れ!」 「帰れ !」

わーー

「な なんだ君たちは・・・ !」

 

一階の出口で 藤本を蹴っ飛ばす男 逃げる社長

「おれたちゃ ヤクザな親衛隊」

「さっさと帰えんな」

「て!」

 

青筋頬汗のマヤ とサクラコージ 横顔

(アカデミー芸術祭参加特別規約)

 

つるはし男(コルベール牧師)

「すみません黒沼さん おれ達のために・・・」

「おれ・・・今までふまじめだったけどこれからまじめにやります !」

 

ラーメンを食べている店員(アン)

「わたしも・・・芸術祭なんていきなり夢みたいだけど」

「出られるようがんばります」

────────────────────────────────────────

食堂に集まったスタッフと役者たち

黒沼:

「すまない みんなに心配かけたくはなかったのだが」

 

婦長(バトリー夫人) 微笑みの横顔

「あたし・・・感激でした」

「自分があんなふうに別の人間を演じられるなんて」

「ただ先生のおっしゃったとおりしただけですのに」

 

バイク男(ウォルター記者)

「おれも・・・」

「なんかさあ 途中で地か演技かわかんなくなっちゃった」

 

カウンターの塾の講師(医者) テーブルの店員に話しかけ・・・

「あのう ぼくあれでいいんでしょうか」

「演技してるという実感がまるでないのですが」

「どうも自信がなくて」

 

楽しげな店員 と汗一滴講師

「大丈夫よ おもしろかったわよ あんたの医者ドクター」

「病気になっても診てもらう気にはなれないけどね」

「そうですか ほめてもらってどうも・・・」

 

上気したつるはし男と嬉しげな店員

「おれ達芝居やったんだよなァ」  じ〜〜ん

「うん」

「なんだか感動・・・ !」

 

エレン役の女優と古原 明(ビクトール男爵)

「みんなのファイトにわたし達まで刺激されちゃったわ」

ははは・

────────────────────────────────────────

汗一滴の微笑みマヤ  向こうにシルエットで役者たち

「おい! みんな ぜったい芸術祭出ようぜー !」

おーーー

(よかった みんなやる気になってる・・・)

 

路面に影二つ

「みんなすっかりその気になったね」

「うん」

 

夜の街を歩くサクラコージとマヤ

「芸術祭参加特別規約か・・・なんとしても認められたいな」

「うん」

「でなければ今までのことがすべて水の泡だ」

 

思い詰めマヤ もやもや背景

「桜小路くん・・・ あたしジェーンを演りたい どんなことをしても・・・」

「このままお芝居ができなくなるなんてたえられない・・・」

 

サクラコージの表情アップ

────────────────────────────────────────

マヤアップ

「あたしジェーンを演りたい・・・ !」

 

せつない表情のサクラコージ

 

サクラコージの回想  一緒に観に行った「白ばら夫人」公演でのソフトクリームを両手に持った

サクラコージとそれが眼中にないマヤの場面

(マヤちゃん)

(ぼくがときどきとまどうのはきみのその激しさ)

(演劇に対する思いの熱さ)

(そう あの頃も同じようにとまどった・・・)

 

アパートの屋根

(そしてぼくは・・・)

 

「アパートだわ 送ってきてくれてありがとう桜小路くん」

はっ   サクラコージ 意識戻る

────────────────────────────────────────

奥のサクラコージとマヤ 右から麗の横顔

「じゃあここで・・・」

「マヤじゃないか!」

「麗・・・!」

 

笑顔サクラコージ 後ろ頭から汗一滴 

「あ 桜小路です」

「ずいぶん長いことお会いしませんでしたが」

「ぼく昔よく・・・・・・」

 

麗 後ろにさやか 横からマヤ

「えー えー よくご存知ですよ 桜小路くん」

「はーまー そーいうことだったの」

「マヤ あんたもなかなかやるじゃない」

「麗ったら! きょうは遅くなったから家の前まで送ってきてくれただけよ !」

 

マヤ笑顔アップで・・・  にっこりサクラコージ

「じゃあまたあした」

「桜小路くん」

────────────────────────────────────────

せつない表情MAXのサクラコージ どアップ   2コマまたぎ

(ああそう 昔ぼくがひかれたのはこの笑顔・・・)

(このまま 時をもどせたら)

 

(時をもどせたら・・・)

 

アパートの屋根

「桜小路くんまたあした」

「イキがあってるわねー」

「マヤちゃん」

 

マヤと麗

「誤解しないでったら ! 桜小路くんとはなんでもないんだから!」

「桜小路くんにはちゃんとしたガールフレンドがいるんですからね !」

「じゃ 三角関係じゃない !」

 

奥に麗とさやかのシルエット  手前にずっこけマヤ 

「すごいわー やるわねマヤも」

「奥手だとばかり思っていたのに」

ガク

────────────────────────────────────────

押入れから布団を出すマヤ

「どうしてこうなるのよ ! しらないもう・・・!」

「あたし寝るから!」

奥に話を続ける麗とさやか

ねーー

 

マヤ横顔 背景星空

(アカデミー 芸術祭 参加特別規約)

(どうかうかりますように・・・)

 

ブランコ

(マヤちゃん)

キイ・・・

 

ブランコのツルを持ってたそがれるサクラコージ

(時をもどせたら・・・)

────────────────────────────────────────

同じポーズで 公園の俯瞰 1ページ独占

(時をもどせたら・・・)

キイ・・・

 

 

柱言葉   初めての通し稽古への感激! ! しかし芸術祭参加作品は

『イサドラ!』という大沢社長の発言が波紋を         ・・・でした。

 

      2 号

 

 

 

 

 

 

 

 

 

    もくじへ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

    HOMEへ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

自分の部屋を眺めるジェーン

  もっと大きな画像を見る(別窓)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

    サイトマップへ戻る

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

このやくざ男もラストシーンに居るのだが、どういう役かは不明・・・(^_^;)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  ずいぶん昔の記憶だ・・・(^_^;)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

というわけでこの号も全編がカットされました。

では、なにゆえこのような大幅なカットが施されたのでしょうか?

 

私が思うに理由のひとつは29巻のマヤのサクラコージへの意識の仕方が変更になった事。

もうひとつは同じく29巻での黒沼と大沢社長の諍いの要因を単純化した事。

そして、「ふたりの王女」同様に劇中劇の稽古場面を大幅にカットしてクライマックスの筋立てを

本公演に集中する事も大きな理由だと思います。

 

コミックスでは枝葉のエピソードをばっさりと落として本筋に集中させる意図は窺えます。

また、コミックスでは連載時と違って短時間にまとめて読む為、同じセリフを何度も繰り返すのは

まずいとの判断もあるのだと思われます。

 

連載時原稿のままでは真澄や聖などの人気キャラが登場しない局面が長すぎるという懸念も

あったのだろうと思います。

 

また、連載中のエピソードに対する読者の反響がファンレターなどである程度集まると、方向を

修正せざるを得ない面もあるかと思います。

 

ひとつの芝居としてはあまりにも長い連載期間ゆえに、なおさら様々な影響が及んだと思います

が、なぜか基本のストーリーは全く変わりませんでした。

 

しかし「ふたりの王女」やプラネタリウムのエピソードと決定的に違うのは「忘れられた荒野」

においては改善の為の改稿というよりもストーリーを削ぐ事が主な目的であり、カットや場面の

再構成があっても展開の上ではほとんど変更は無くて筋立ても大きく変わってはいません。

 

その為「狼少女ジェーン編」の私の記述は加筆部分への言及は少なく、ほとんどの場合カット

された場面に対するボヤキになってしまっています。    ・・・(^_^;)

 

さらに「忘れられた荒野」の物語に於いては恐らく1本の芝居で何通りもの演出を施すという

企画が後に生まれた為に、この時期の連載時原稿のストーリーを変える必要が生じたのでは

ないかと思います。

 

ご覧になった通りの悲劇的なラストシーンですから、このままではいかに鬼才黒沼龍三と

いえどもコメディとしてウケる演出にすることは不可能でしょう。

 

その為にジェーンの初潮以後のエピソードは封印されることになり、コミックスではついに

本公演でも描かれることの無い幻のストーリーとなってしまったわけです。

 

この通し稽古でもラストシーンはあいまいな形であり、はっきりとした描き方ではありませんが、

人物の配置や想像できる動きから見るとジェーンにとって幸せな最期ではなさそうです。

 

私が「忘れられた荒野」の改稿を残念に思うのはこれほどに奥深いエピソードをごっそりと捨て

てしまうにはあまりにも惜しいという気持ちがあるためです。

 

 

ところで「忘れられた荒野」の改稿はこれに留まりません。

まだまだ全体の半分にしか過ぎませんので、今後の改稿も相当なものになります。

 

 

  解説 3

 

 

 

 

 

 

 

 

もくじへ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  サイトマップへ戻る

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  かぜの迷宮

サイトマップへ

狼少女ジェーン 3 通し稽古編 1 へ戻る                   NEXT 狼少女ジェーン 5 上演の行方編 へ  

このページのトップへ

 

 

 

 

   

かぜの迷宮    

bbs

  <= ご感想、ご意見、ご苦情、コメント等はこちらへどうぞ !! (^_-)-☆     ← new

ページトップへ  

guestbook

 <=  ゲストブックです。 ご来訪の記念に足跡など残してください !!      ← new

サイトマップへ

geolog

 <= ガラスの改稿の裏話です コメントなどのカキコもどうぞ !! (^_-)-☆  ← new

         次のページ作成の進行状況や次回予告などを書くこともあります。

HOMEへ

 

メール

お問い合わせ

 

 

”かぜ”の作成したサイト内横断リンク集   

作成日

最終更新日と更新内容  

改稿

・

未刊行解説以外の

ペ

│

ジ

も

い

ろいろ

あ

る

よ

!

 

見

て

ね

!

 

(^^)

第10章 冬の星座 ふたりの王女 開演編 最新バージョンへ

第10章 冬の星座 ふたりの王女開演編 おまけエピソードへ

第11章 紫の影 1 プラネタリウムデートの真相究明編 へ

第11章 紫の影 2 狼少女ジェーン 1 黒沼龍三登場編へ

第11章 紫の影 3 狼少女ジェーン 2 鬼将軍の稽古編へ

第11章 紫の影 4 狼少女ジェーン 3 通し稽古編 1 へ

第11章 紫の影 5 狼少女ジェーン 4 通し稽古編 2 へ

第11章 紫の影 6 狼少女ジェーン 5 上演の行方編 へ

第11章 紫の影 7 狼少女ジェーン 6 ミルキーウエイ編へ

第11章 紫の影 8 狼少女ジェーン 7 速水真澄の陰謀編へ

第11章 紫の影 9 狼少女ジェーン 8 姫川亜弓の活躍編へ

第11章 紫の影 10 狼少女ジェーン 9 速水英介の思惑編へ

第11章 紫の影 11 狼少女ジェーン 10 野生の狼少女編へ

第11章 紫の影 12 狼少女ジェーン 11 『イサドラ!』の楽屋編へ

第11章 紫の影 13 狼少女ジェーン 12 ロビーの波乱前編へ

第11章 紫の影 14 狼少女ジェーン 13 ロビーの波乱後編へ

第11章 紫の影 15 狼少女ジェーン 14 紫のバラと万年筆編へ

第11章 紫の影 16 狼少女ジェーン 15 開演前日の風雲編へ

第11章 紫の影 17 狼少女ジェーン 16 嵐の開演初日編 1へ

第11章 紫の影 18 狼少女ジェーン 17 嵐の開演初日編 2へ

第11章 紫の影 19 狼少女ジェーン 18 嵐の開演初日編 3へ

第11章 紫の影 20 狼少女ジェーン 19 嵐の開演初日編 4へ

第11章 紫の影 謎の番外編 ─ガラスの仮面通信─ 1〜6へ

第11章 紫の影 21 狼少女ジェーン 20 上演2、3日目編 へ

ガラスの仮面の改稿研究 管理人プロフィールページへ

かぜのイラストの部屋ページへ

かぜのキャラクター紹介のページへ   キャラのイラスト募集中 !!

ガラスの仮面の最強?改稿・未刊行リスト

アニメ「ガラスの仮面」の残照

ガラスの仮面の改稿研究 サイトマップへ

ガラスの仮面の改稿研究 記述用語一覧表へ

ガラスの仮面のリンク集ページへ                  ← new

北島マヤと速水真澄のパソコン超初心者お助け講座(仮)    ← new

北島マヤと水城冴子のパソコンキーボード超初心者講座(仮) ← new

2006/01/02 up

2006/01/12 up

2006/01/14 up

2006/01/22 up

2006/01/28 up

2006/02/04 up

2006/02/12 up

2006/03/01 up

2006/03/07 up

2006/03/11 up

2006/03/25 up

2006/03/31 up

2006/04/01 up

2006/04/12 up

2006/04/17 up

2006/04/25 up

2006/05/08 up

2006/05/21 up

2006/06/02 up

2006/06/10 up

2006/07/15 up

2006/07/24 up

2006/07/27 up

2006/08/25 up

2006/01/17 up

2006/02/02 up

2006/04/29 up

2009/07/10 up

2009/07/10 up

2006/03/26 up

2006/04/02 up

2006/05/13 up

2012/01/10 up

2012/02/21 up

12/02/22 コンテンツ全体の修正

06/04/13 背景とレイアウトの変更

 

06/04/29  「 キエカナ」 へのリンク追加

06/05/08 屋台場面の注釈を追記 

06/04/12 背景とレイアウトの変更

06/04/06 画像のレイアウト変更

06/04/12 記述の追加とレイアウトの修正

06/05/01  「 キエカナ」 へのリンク追加

06/04/12 レイアウトの変更

06/04/12 新事実の追記二件と全体修正

06/04/17 内部リンクの追加

06/04/14 注釈の追記と情景描写の修正

06/04/17 内部リンクの追加

06/05/01 コンテンツ名変更

06/06/03 若干の注釈追記と微修正

06/06/16 若干の解説・注釈の追記と修正  

06/06/16 更新 記述の追記と修正 

06/06/16 解説・注釈の追記と記述の修正

06/06/16 解説・注釈の追記と記述の修正

                                  

                 

             

06/08/28 追記と修正

12/01/13 更新 記事の追記

06/06/07 カラーも含む画像2枚 up

 

                        

  新コンテンツ作成ごとに随時更新中

  必要に応じて随時加筆

2012/02/21 新規サイトを仲間に追加 (^^)

ついに作家デビュー !! 

作家デビュー2作目 !!  最新のコンテンツ

   

  このページのトップへ