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読み始めたら止まらない ! 大河解説ロマン ガラスの改稿 狼少女ジェーン 12 『イサドラ ! 』の波乱前編 |
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~ガラスのように もろく壊れやすいシナリオ ひとはみな素顔を隠して それをえがく~ |
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第11章 紫の影 13 狼少女ジェーン 12 ロビーの波乱前編 |
も く じ |
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2006/04/17 作成
あらすじ
円城寺まどか主演のミュージカル『イサドラ !』の初日が開幕する。
まどかの招待によって大都劇場には演劇協会の関係者や大物俳優達が集い、 アカデミー芸術祭の審査委員たちも大勢が来場していた。
『イサドラ!』の演出家である藤本との賭けの兼ね合いも合って、まどかの招待を 受けた黒沼龍三と北島マヤ、桜小路優も会場に姿を見せた。
劇場にはその様子を見詰める速水真澄の姿が・・・
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1985年花とゆめ14号(連載第213回)
大都劇場外観のコマにカットインする形で
頬汗の中年男性 頬汗若手男性 後ろに女性客ら もやもや背景 「おい 黒沼龍三だぜ」 ザワザワ 「円城寺まどかのために大沢事務所をおいだされたそうじゃないか」 「なんかおきるぜ こりゃあ・・・」
真っ黒バックに真っ白黒沼、サクラコージ、頬汗マヤ 158p-最下段 ※
※横幅を拡大して後方の人物を加筆の上で採用 ──────────────────────────────────────── 場内の様子 客席なめて奥に舞台 左手に二階席 場内全体に観客多数 わいわい ガヤガヤ
左側面の二階席に着いたマヤ、黒沼、サクラコージのアオリの遠望 (このコマの発言者は不明) 「みろよ あそこが芸術祭の審査員をはじめ」 「関係者お歴々の席だ」
演劇関係者の面々 なめて後方の客席 (このコマの発言者も不明だがおそらく 「中央前列から6列目がそうだ」 前頁の中年男かと思われます・・・(^_^;) ガヤガヤ 「いい席を占めてやがる」 ──────────────────────────────────────── 右手前に藤本のニヤケ横顔のアップ 奥にサクラコージ 振り返り黒沼 キョンマヤ ふと・・・ 「よくきてくれたね 黒沼くん」 「まさかきみ達が ほんとうに(・・・・)くるとは思わなかったよ」
笑顔の藤本 スーツの立ち姿 「なかなか盛況だろう 演劇協会委員もきょうは200名ほどきてくれている」 ははは 「芸術大賞ばかりでなく全日本演劇協会賞も候補になっているらしくてね」
出口のドアを押し開きながら振り返る笑顔の藤本 「芝居が終わったらあとで感想をきかせてくれたまえ」 ははは 「きみ達の舞台の初日にもうかがわせてもらうよ」
パタン 扉の方を見つつサクラコージ サクラコージに注目する黒沼とキョンマヤ 「黒沼先生 演劇協会賞は劇をみた協会員の数できまるって本当ですか?」
二階席の床下をなめて天井 「そればかりじゃないがな」 「アカデミー芸術祭の審査が委員会の意見を重視するのに対し 全日本演劇協会賞は多数いる協会員達の推薦が重視されるんだ」 「推薦?」 ──────────────────────────────────────── 二階席の俯瞰 後方の客席 (ここから3コマまたぎ) 「芸術祭の始まる前にすべての協会員に芸術祭の演し物のプログラムと葉書が郵送される」 「それに芸術祭の期間中観た舞台の中でよかったもの 協会賞に推薦したいと思うものを書いて送りかえすことになっている」 「その中で推薦の多い順に上位5名がまず選ばれる」
二階席最前列 右~ マヤ、黒沼、サクラコージ 「最優秀賞はその中から選ばれるんだが推薦票の数がかなりものをいう」 「票を最も多く集めた舞台や役者が協会賞をとるといってもいいくらいだ」
二階席の張り出し構造の湾曲部分 「どんなにいい芝居でも協会員にみてもらわなければ賞には つながらないってわけですね」
真っ黒バックに真っ白黒沼 顔前に星ひとつ 「芸術祭の期間中どの舞台が一番多く協会員の関心を集めるか」 「どれだけ多くの協会員がやってくるかが問題になるのはそういうわけだ」
マヤ アップ 「どれだけ多くの協会員の関心を集めるか・・・」 「協会員の推薦・・・」 ──────────────────────────────────────── 薄暗い劇場場内の全体 俯瞰 に亜弓、小野寺、真澄と紫織のそれぞれのコマを四方に配置 リーーン ゴーーーン ガーーーン・・
指揮者とバックグラウンドオーケストラ ジャーーーン
幕が上がる ──────────────────────────────────────── 光を浴びる笑顔のまどか 160p-3
舞台中央に立つまどかの後姿をなめて劇場内満員の客席 カット わーー パチパチ パチパチ わーー パチパチ わーー パチパチ わーー パチパチ
頬汗の乗り出しマヤ 161p-1 「すごい・・・」 「でてきただけでこの拍手・・・」 わーー
青筋頬汗のサクラコージ横顔 161p-2 (これが星歌劇団のスターの人気と実力か・・・ !) わーーー わーー
これ以降は『イサドラ !』の舞台場面ですが、コマ割りもページの内容も163pのイェセーニンの 自殺の件まではまったく同じですのでページの途中ですが省略。 ──────────────────────────────────────── コミックス164pにあたる『イサドラ !』クライマックスの場面から多少の書き直しがあります。
ドレスの裾をつまんだまどかの立ち姿を中心として周囲のベタ背景に星の光を散らした絵を、 上中下の3コマに分割描写していたものが、コミックスではまどかにスポットライトをあてた 構図になるように背景を描き換えし、絵全体の大きさを縮小して164p-1に採用
星の散るまどかの上空 (以下3コマまたぎ) 164p-1 [そしてむかえた人生の終幕 !]
ドレスをつまむイサドラ・ダンカンの上半身 164p-1 「わたしがはじめて踊ったのは赤ん坊のときだったわ」 「どんなものでも音楽さえ鳴っていれば手足をバタバタ動かしていたわ」 「今のわたしに残っているものはその頃と同じ」 「踊りだけ・・・」
イサドラ・ダンカンの足元 164p-1 「あとはなにもないわ」 「あの頃も裸足 今も裸足・・・」 「みんな去っていってしまった」 「喜びも哀しみも楽しさも苦しさも愛も憎しみも みんな心の中から踊りになって外に出て行ってしまった」
イサドラ・ダンカンの スポットライトの中に掌を上に向けて差し出した両手のアップ 164p-3※ 「今もわたしは踊っているわ」 「どうして? 何のために?」 「それはわたしに生命があるからよ」 「死の瞬間まできっとわたしは踊っているわ」
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ここはアオリのページにあたり ますので、前回のラストシーン での記者が語った波乱の予感 を受けてのセリフ運びです。
このページでは劇場内の人物 配置の描写が中心です。 セリフの発言者の絵はまったく 描かれていません。
これはルビ(ふりがな)です。 IEではそれっぽく見えますが、 Firefoxでは(・・・・)のように 表示され、Google Chrome とSafariでは文字間が狭く ← 表示されます。
このページでは以前からの 黒沼との確執に基づいて、 藤本が自慢たらしくイヤミを 言いに来ますが、実はその 後の黒沼によってマヤたち に語られる、演劇協会賞の 受賞の為に協会員達の推薦 を得るのがいかに難しいかを 読者にも理解させる会話を 始めるキッカケ作りとして 現れたわけですね。・・・(^_^;)
コミックスではこの藤本の登場 場面はカットされたため、マヤ たちがどこに座っているかも 分からなくなりました。
また、コミックスでは開演前の 段階で真澄が顔を出す(159p) のですが、これは、31巻21p~ の基本設定の大変更によって、 「黒沼たちを招待するのが真澄 の主導によって行われた」事と のストーリー上の整合性を取 ったのでしょう。
この点は、ある違和感を伴い ますので解説の部分に詳述 しました。
160p-1,2の開幕シーンは 描き替えています。
このコマは上部が黒ベタです |
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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ※ 同じ絵だがやや縮小している。 また、164p-2 に二階席のマヤたちを加筆している。 コミックス164pでは最下段にまどかの表情を2コマ加筆して『イサドラ !』ラストシーンの演技の 場面を強化している。
さらに、次のページのまどかの絵も描き替えて、より不安げな表情と床に伏せたポーズの シルエット描写に変更している。
これは、後にマヤのこのシーンの演技場面もコマのすべてを描き替えているので、この号の 改稿の大きなポイントになっているのはまちがいありません。
まどかも、マヤも連載時原稿での演技よりもコミックスでの演技の方が絵としてのインパクトが より強くなるように描き替えています。
次の見開きページは推移コマを挟んで幕が降りた後のアンコール場面になります。 (連載時原稿ではこの下のページが見開きの右側、もうひとつ下のページが左側です) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ |
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まどか 首をかしげて、床に流し目の視線を向けた表情のアップ 「死ぬときは悲しいかしら? こわいかしら? 苦しいかしら?」 「それとも少しばかりは幸福なのかしら?」
膝立ちで視線を落とし目を伏せたまどかの全身 (姿勢は垂直) 「どうやって踊ればいいのかしら・・・?」
見詰めるマヤのアップ
『イサドラ!』の看板なめて夜空 これが推移コマ
9:00を示す柱にかかった時計 これも推移コマ・・・(^_^;) ──────────────────────────────────────── 縦長の空白コマ わーー わーー わーー パチパチ パチ パチパチパチ
手前の客席なめて舞台上の出演者達のシルエット 上方には幕と天井の照明 わーーー アンコール わーーー わーーー アンコール アンコール パッ パッ パッ (画面奥の通路最前部に集まり写真を撮る記者たち) ──────────────────────────────────────── 劇場の天井 パチパチ わーーー わーーー パチ わーーー パチパチ [くりかえされるアンコールが『イサドラ !』の舞台の成功を物語っていた]
出口からロビーに出る観客たち 俯瞰 {本日はありがとうございました} ゾロゾロ 「5回もアンコールがあるんだもん」 「手が痛くなっちゃった」
ロビーから見たエントランスのガラス越しの夜景 「招待状をおもちのお客様の中でお急ぎでない方はこのあとロビーで初日を祝う ささやかなパーティーを開きますのでどうぞそのままお残りください」
とろんとした表情のマヤ アオリの大アップで2コマまたぎ 真っ黒バックに網掛けの表情 「マヤちゃん」 何も見えていない眼
「マヤちゃん」 力無く半開きの口元
座席に座っているマヤ ふと・・・ そばに立つサクラコージ 俯瞰 「あ・・・! 桜小路くん」 ──────────────────────────────────────── 階段を駆け下りるキョンマヤ 汗一滴 その後に続くサクラコージ 「黒沼先生は?」 「もう出ていったよ」 「いけない・・・ !」
マヤ 踊り場で立ち止まる 「あ・・・!」
階下のロビーに立ってマヤを見上げる真澄 俯瞰 (マヤからの視点)
真澄微笑のアップ わずかにアオリ 「やあ」 「どうだった? 初日の舞台は」 ──────────────────────────────────────── 階段に佇むマヤ 汗一滴 もやもや背景 左隅に真澄の後ろ顔 「速水さん・・・」
奥にマッチを擦る黒沼 手前に振り返る真澄 ※ 「ああ 楽しかったよ 歌も踊りも申し分なしだ」
右から駆け寄る笑顔のマヤ汗一滴 左にタバコを咥えた黒沼 左手には煙の立つマッチ棒 「黒沼先生・・・ !」 「すみません あたし舞台をみていると いつも主人公になった気になって自分を忘れてしまって・・・ !」 「おまえならもっといい主人公になれるぞ 北島」 「え?」
目を剥く藤本 奥に藤本に眼を向ける黒沼とマヤ 「なんだと!? それはどういう意味だ ! 黒沼くん」
「まどかさん 初日の成功おめでとうございます」 わーーー パチパチパチ 後ろからの声に振り返るマヤ ──────────────────────────────────────── ロビーの中央に立つキラキラまどか それを取り巻く人々 それぞれの手にシャンパングラス 「すてきだったわ まどかさん」 168p-4 ※ 「この『イサドラ !』はきみの代表作になるよ」 「やっぱり歌も踊りもさすがに一流だね」 「おもわず見惚れてしまったよ」 「ありがとう」
笑顔の口ひげ紳士 グラスを上げて・・・ 「ではきょうの初日の成功を祝って・・・」
それを制止するために差し出すまどかの手 「まって・・・ !」
首をめぐらせたまどかの後ろ頭なめて奥に黒沼、マヤ、サクラコージの立ち姿
──────────────────────────────────────── 背景に花をしょったまどかの横顔のアップ 169p-2 と似ているが違う絵 「よくきてくださったわ 黒沼先生」 「桜小路くん マヤさん」 「いかがでした? わたしの『イサドラ !』は」
前で手を組んだマヤの腰 「ステキでした あんなふうに舞台の上でイサドラの人生を 生きられるなんてとてもうらやましい」 「みているあいだずっとあたしイサドラの気持ちになっていたんです」
とりつかれた眼差しの真っ白マヤ 「わたしにとって生きることは踊ること」 「踊ることは生きること」 「これがわたしの生命いのちのすべて」
差し出したマヤの左手 奥に青筋まどか汗一滴 その後ろに唖然とした招待客たち 「ううん 踊りたいとは思わないのよ 音楽リズムがわたしの心臓を支配するの」 「体中の血管という血管に音楽リズムという血を送りこんでわたしの体を操るの」 「ここのところのセリフがすごく好きです」
青筋頬汗のまどかの横顔 奥に笑顔マヤ 汗一滴 「あなた・・・ 今の舞台のセリフを覚えているの・・・?」 「ええ 全部・・・ !」 ──────────────────────────────────────── びっくり顔の招待客たち ザワ・・・
びっくり顔の初老の男性二名の頬汗横顔 「セリフを全部・・・?」 「そんなバカな・・・」
真澄 右手のタバコから立ち上る煙をまといながら・・・
花をしょった笑顔マヤの乗り出しアップ 「それからあそこも好きです」 「終幕ま近のセリフ・・・」 同じコマでポーズをとるマヤの全身 周囲に頬汗の招待客たち 「わたしがはじめて踊ったのは赤ん坊のときだったわ」 「どんなものでも音楽さえ鳴っていれば手足をバタバタ動かしていたわ」 「今のわたしに残っているものはその頃と同じ・・・」 「踊りだけ・・・ !」 「あとはなにもないわ」 ──────────────────────────────────────── 空白コマ 「あの頃も裸足」 「今も裸足・・・」
マヤ ややアオリ 後方に招待客たち 「みんな去っていってしまった・・・」
あんぐり顔の招待客たち コマ全体に網掛け 「喜びも哀しみも楽しさも苦しさも」 「愛も憎しみも」 「みんな心の中から踊りになって外へ出ていってしまった・・・」
見詰める亜弓 後ろに招待客たち 「今もわたしはおどっているわ」
紫織の立ち姿 「どうして?」 「なんのために?」
真っ白 薄目のマヤの横顔アップ 「それはわたしに生命いのちがあるせいよ」 「死の瞬間まできっとわたしは踊っているわ」 ──────────────────────────────────────── 真澄のアップ ややアオリ もやもや背景
マヤ 「死ぬときは悲しいかしら?」 「こわいかしら?」 「苦しいかしら?」
青筋頬汗まどかの横顔
微笑むマヤのアップ 目前に八方放射型の光 フ・・・
! びっくり顔のまどかと藤本 真っ黒バックに網掛けフラッシュ
宙を見上げる薄目のマヤ 「それとも少しばかりは幸福なのかしら?」
見上げたマヤの横顔 ふと・・・ ──────────────────────────────────────── 見開き眼のマヤ 横顔の大アップ 同じコマでマヤの立ち姿 目前に八方放射の光 「どうやって踊ればいいのかしら・・・?」
中空に視線をやる やや薄目のマヤの大アップ
同じ表情で呆然とした立ち姿 上方に四方放射の光 マヤの真後ろの柱に濃い影が・・・ ──────────────────────────────────────── マヤの後姿なめて激しく青筋の頬汗まどか 後方に青筋の招待客たち シン・・・
真っ黒バックに真っ白黒沼 (無表情)
台本を開いた青筋滝汗の若手男性二名 178p-5 服の模様は加筆 「セリフは一言もまちがってないぜ」 「おそろしい〰」 「さっきの舞台 セリフを全部覚えてるってのはホントだったんだ・・・」
その男性たち 178p-2 は描き替え 「おい・・・! なんだかこっちの方が寂しさが伝わってこないか・・・」 「しっ! 円城寺さんにきこえるぞ・・・ !」
まどかの伏目の横顔アップ それに重ねて宙に視線をやるマヤの立ち姿 のイメージカット ★ 「最後のあのセリフ・・・ !」 「円城寺さんとあの子じゃまったく解釈がちがうぜ・・・ !」 「円城寺さんの演技じゃ 人生をあきらめたなげやりな感じだったが」 「この子のはイサドラが本能にめざめた目をしている・・・ !」 「死を思うほどの心境の中で最後はまた踊りのことを考えるといった 舞踊家の性みたいなものを感じる・・・」
★コミックスでは絵はカットし、セリフは188pの山羊ひげの理事長の発したものに変更された ──────────────────────────────────────── 空白コマ もやもや背景 「それがなんだか妙にあわれに感じられる・・・」 ザワ 「なんだってこの子が芸術祭に参加できないんだ?」 ザワ
お付きの男 山羊ひげの理事長 もやもや背景 178p-1 背景はカット 「理事長・・・ !」 ザワザワ 書き文字は書き替え 「ん・・・む!」 → 「う・・・む」に変更
青筋頬汗薄白目の震えまどか 「く・・・!」
パチパチパチパチパチ (マヤの後方から) 振り返るマヤ
拍手する正面向きの真澄 後方にあっけにとられる招待客たち 178p-6 に絵を採用 パチパチパチ 「いや 楽しい余興だった」 セリフはマヤを売り込む方向に変更
冷めた目の真澄のアップ 「ついでにもう少しみんなを楽しませてくれないか チビちゃん」 ──────────────────────────────────────── チキンの皿を持つ男性の横に立ちひとつをつまみ上げた真澄 ※ 「失礼」
骨付きチキンを放り投げる手 182pの絵とはちがうもの
床に落ちた これも新規に描いたもの ポトン
床のチキンを指差すお辞儀真澄 182p-6 セリフはやや変更 「きみにはイサドラより狼少女がお似合いだよ」 「さあ あのチキンをとってきてくれないか」 「ジェーン(・・・・)」
びっくり眼の青ざめマヤ 真っ黒バックに網掛けフラッシュ ──────────────────────────────────────── 真っ黒バックに頭頂フラッシュで青ざめ頬汗口押さえの紫織立ち姿 フラッシュモノローグ (真澄様・・・ !) 180-7 とは違う絵
真っ黒バックに頭頂フラッシュでびっくり顔の亜弓 アオリのアップ (ややのけぞり加減)
なにげにうれしそうな小野寺の横顔 「ほう・・・!」
頬汗サクラコージのアップ 「速水さん・・・ !」
少しだけ口半開きの黒沼 後方にびっくり顔の招待客 ザワ ──────────────────────────────────────── 奥に真澄の立ち姿 後方には招待客たち 左手前に頬汗見開きマヤの大アップ 「さあ どうした はやくきみの狼少女をみせてくれたまえ」 (速水さん・・・ !) 「どうした? 舞台でなきゃ狼少女はやれんというのか?」 ガヤガヤ 「『紅天女』の候補だろ・・・? きみは・・・ !」 「狼の演技くらいなんでもないだろう?」
真澄の薄目のアップ 「それとも芸術祭に参加できない芝居は はずかしくてひとにみせられんのか」
顔の真ん中に赤みが差す眼見開きのマヤ アップ 180-6 に似た絵だが カッ 口は半開き ──────────────────────────────────────── 頬汗額汗で唇を噛み締めるマヤの上半身アップ (縦長コマ) (みんなの前であたしを笑い者にする気なんだ・・・ ! この男・・・!)
薄く笑った真澄の横顔 「さあ どうした?」 「できないのか?」 「それとも人間の言葉がわからないのか」
頬汗の招待客たち もやもや背景 ザワザワ
腰を落とすマヤ スッ
頬汗の横顔中年男性3名 ややアップ 「うっ・・・!」 ──────────────────────────────────────── 床に四つ這いの頬汗マヤ 額の前方に八方放射の光 放射線背景
サクラコージ横顔アップ 放射背景 「やめろ! マヤちゃん !」
振り向く大口真澄 こちらも放射背景 ※ 181-5 に縮小採用 背景の放射線はカット 「きみはひっこんでいろ !」 元々は背中にフキダシがかかっていたので 「この子を相手しているのはおれだ !」 単行本では線を描き足している・・・(^_^;)
※ 実はこの絵は角度を変えている。(本来は背広の模様が垂直の縦線だった) ついでに言うと縮小した為に他のコマの真澄のスーツの模様に比べ線が潰れている。 ──────────────────────────────────────── 大口真澄 ややアオリ 真っ黒バック 「さあ こい ジェーン !」
頬汗招待客たち ザワザワ
青筋頬汗の不安げ紫織 (真澄さま・・・ !)
床のマヤ と真澄の立ち姿 周囲に頬汗の招待客たち もやもや背景 ウウ・・
この号には柱言葉はありません。
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167p-1のマヤよりもずっと 意識が飛んでいる感じ (目の玉が霞み、夢の中 に漂っている感じの絵)
キョンマヤとはこんな感じの 表情です → (゜,゜)
168p-1に黒沼の絵のみ移植 採用(マヤと真澄は加筆) セリフは169p-2に使っている
※このコマはまどかの絵のみ そのまま採用で背景の人物も シャンデリアも描き直している
黒沼たちが描かれていない という事だけではなく、まどか の表情も少し違う ・・・(^_^;)
コミックスではここに黒沼が チャチャを入れるコマと真澄 がマヤの演技を誘導するコマ が追加された ・・・(^_^;)
このページのセリフは166p、 167pに採用されているが、 絵はすべて描き替えている。
このセリフは167p-4の藤本 の台詞に置き換わった。
連載時原稿での真澄はまだ 様子を見ているだけです。
連載時原稿での真澄は依然 としてこの場の様子を見守って いるだけです。 ・・・(^_^;)
もやもや背景 って どんな背景かわかります? ・・・(^_^;)
それよりなぜきみはその事 を知っているのだ?・・・(^_^;)
連載時は白抜きの文字だった ・・・(^_^;)
かつて受賞した 助演女優賞 の事に わざわざ 言及した
181p-最後のコマ 幅を拡大 しているので真澄の右腕と めがね男の左半身は加筆。
これはルビ(ふりがな)です。 IEではそれっぽく見えますが、 Firefoxでは(・・・・)のように ← 表示され、Google Chrome とSafariでは文字間が狭く 表示されます。
183p-2 の白目マヤとは まったく別の絵です
さっきの若い衆とは違う人々
この絵も細かく修正するより 描き直した方がいいのでは ないだろうか?・・・(^_^;)
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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ この号のセリフや場面展開はコミックス31巻のラストシーンのものとよく似ていますが、絵は ほとんどが描き替えられています。
この時点では30巻までしか発売されておらず、“上演の行方編”から“亜弓の活躍編”にかけて 述べたエピソードはまだボツにはなっていないのでそのあたりの影響ではないはずです。
藤本と黒沼の確執に関わる部分は30巻(2月25日発行)の終盤の通し稽古のエピソードではカット されていますが、その前の黒沼が大沢社長に土下座した直後の会話(30巻137p)ではまだ生きて いるので、この時期(7月5日発行)の連載ではカットされずに残っています。
ということは、この号の連載時の時点では31巻(85年8月25日発行)冒頭に、30巻から引き続きの 形で通し稽古の続きが描かれる可能性はあったということでしょう。
しかし、“アカデミー芸術祭文化事業団の集い”で姫川亜弓が理事長に確認した「演劇協会賞の 対象は芸術祭参加作品には限らない」という条件は、コミックス31巻21pからの真澄の言葉に 置き替わっているので、コミックスではこの号のセリフ回しを変更しています。
また、コミックスでは閉幕後に真澄が二階席の黒沼達の元に挨拶に来ますが、これは連載時 原稿での開幕前の藤本の担った役割をそっくり真澄に振り替えた為でしょう。
さらにはマヤの『紅天女』への挑戦を支援する目的での真澄の挑発行為へとつながる展開を 強調する目的もあるのでしょう。 ラストページの四つん這いのマヤと背広を手にした真澄の睨み合いまで持っていく流れの中に 細かく真澄のコマを挿入して、真澄がこの場の会話全体をリードする形に変更しています。
連載時の流れは、ご覧のように黒沼と藤本、まどかとマヤという対立軸がまず前提としてあって、 まどかが何気なく求めた感想に答えるマヤの天然演劇娘ぶりが周囲に波紋を起こす中、うまく場 のタイミングを捉えた真澄がいきなりチキンを床に放り投げてマヤを挑発するといった流れです。
あくまで、まどか自身が墓穴を掘った形ですし、マヤもいつものクセでつい周囲の人のことなど 考えずに、自分が感動した場面を気持ちの動きのままに演じてしまっただけなのです。
そして真澄もまた、“文化事業団の集いのパーティー”で聞き付けた亜弓の演説から得たインス ピレーションに基づいて、密かにタイミングを窺っていたところ、この場で自然に展開した会話の 流れを利用してマヤの売込みを図ったということになります。
コミックスでは周到な計算の上でまどかたちを雨月会館に誘導して、事前にこの場にマヤたちを 招待する状況を計画した挙句に、自らがまどかを煽ってマヤの演技を引き出しつつ、周囲の人々 に聞かせるために過去のアカデミー芸術祭助演女優賞受賞の実績を語った上で狼少女の相手 役を勤めるといった、かなりあざとい手段で「忘れられた荒野」の宣伝をしたわけですから、初め から『イサドラ !』初日を食い物にするつもりだったことになります。
細かい部分にこだわると、連載時原稿では黒沼は観劇の後ボーッとしているマヤをほっといて さっさとロビーに降りてタバコを楽しんでいたのですね。 ・・・(^0^) そして、サクラコージは意識の飛んでいるマヤをほっておけず、劇場内がカラッポになるまで 付き合っていたというわけです。
そして、黒沼がマヤに語った「おまえならもっといい主人公になれるぞ 北島」の言葉も、自然に 口から出ただけであって、たまたま近くに居た藤本には聞きとがめられましたが、まどかに対して 直接言ったわけではありません。 黒沼も一応、世間並みの気遣いとデリカシーは持っていたということでしょう。
コミックスでは、黒沼もマヤに付き合って場内がカラッポになってもその場に留まり、真澄が 二階席までやってきて場内で喫煙するのを見てからタバコに火を灯しています。(167p) いくら、自分の劇場でも場内禁煙だと思うのですが・・・(^_^;)
しかし実はこの 167p-3で描かれた真澄は「姫川亜弓の活躍編」での“奥の壁にもたれて喫煙 している真澄”で描かれたカットの使い回しによる転用移植コマなのです。 ・・・(^_^;)
黒沼の喫煙シーンもこの号のロビーでの喫煙場面からの移植ですから、連載時原稿では二人 とも公共のマナーに反してはいませんでした。 (場内ではなくロビーで喫っていた)
というわけで、“プラネタリウムの真相究明編”での映写中に語り続けた真澄の件同様に、これも 改稿に伴うキャラの不自然な行動のひとつでした。
この点は、キャラの性格を考えると連載時原稿での描写の方がそれぞれの個性が生々しくて、 それだけ存在感と現実感が深いと思います。
改稿によってこうした人物個々の性格や行動の裏付けの説得力が失われたわけですが、この 号の改稿の功罪はプラネタリウムデート編でのさやかの行動の不思議さの追及の時にもじっくり 語ったように、再構成にあたってドラマチックな演出を施す際にキャラクターの性格設定や話運び の合理性が犠牲になる事と共通の特徴が出ています。
その意味では連載時原稿を再構成しながらの改稿という方法でこれらの破綻を来たすのは、 より感情に訴える演出を施す事による代償の様なものかも知れませんね。
記者や事情通の男らの発言などがコミックスでは、理事長の漏らした言葉に置き換わりました。 また、周囲の人々の反応も真澄の意図に沿う形に変更しています。 その分連載時原稿の流れよりは会話が整理されたと思います。
最も特徴的な変更点としては、コミックスの真澄は巧みにまどかを誘導し、同意を得た上で 周囲の人や理事長の耳目を集めつつ、マヤを挑発するといった演出を施した点でしょうか。
一方、連載時原稿での流れでは真澄はここしかないと思われる絶妙のタイミングでマヤの 狼少女の演技を引き出すために、息を潜めて成り行きを見守っていたわけです。
どちらが良いかは好みの問題なので、この改稿への論評は差し控えます。
注釈に沢山書いた通り、細かく見ていくと連載時原稿から絵を切り刻むようにして細かく 再構成していることがお解りいただけるかと思います。
しかし、コミックスでの加筆部分もかなり多いのですから切り貼りするのではなく、いっその事 全部描き直しても手間はさほど変わらないように思うのですが・・・(^_^;)
連載時原稿では、招待客が主要キャラの後ろで唖然、呆然、頬汗、青筋で雰囲気を盛り上げ ているのですが、同じような描写が多すぎてややうっとうしいくらいのしつこさも感じます。 コミックスではこの点は排除したかったのかもしれませんね。
次回はいよいよ、波乱編のクライマックスです。
本当は、一気にそこまで書こうと思っていましたが次回も改稿がかなり多い為、文章が長くなって しまうので更新頻度を早めるためにここで分割いたします。
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31巻の改稿がいつ行われた のかは現時点ではまだ検証 できていません・・・(^_^;)
(別ウインドウです)
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<= ご感想、ご意見、ご苦情、コメント等はこちらへどうぞ !! (^_-)-☆ |
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---|---|---|---|
<= ゲストブックです。 ご来訪の記念に足跡など残してください !! |
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<= ガラスの改稿の裏話です コメントなどのカキコもどうぞ !! (^_-)-☆ 次のページ作成の進行状況や次回予告などを書くこともあります。 |
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”かぜ”の作成したサイト内横断リンク集 |
作成日 |
最終更新日と更新内容 |
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改稿 ・ 未刊行解説以外の ペ │ ジ も い ろいろ あ る よ !
見 て ね !
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第11章 紫の影 4 狼少女ジェーン 3 通し稽古編 1 へ 第11章 紫の影 5 狼少女ジェーン 4 通し稽古編 2 へ 第11章 紫の影 7 狼少女ジェーン 6 ミルキーウエイ編へ 第11章 紫の影 8 狼少女ジェーン 7 速水真澄の陰謀編へ 第11章 紫の影 9 狼少女ジェーン 8 姫川亜弓の活躍編へ 第11章 紫の影 10 狼少女ジェーン 9 速水英介の思惑編へ 第11章 紫の影 11 狼少女ジェーン 10 野生の狼少女編へ 第11章 紫の影 12 狼少女ジェーン 11 『イサドラ!』の楽屋編へ 第11章 紫の影 13 狼少女ジェーン 12 ロビーの波乱前編へ 第11章 紫の影 14 狼少女ジェーン 13 ロビーの波乱後編へ 第11章 紫の影 15 狼少女ジェーン 14 紫のバラと万年筆編へ 第11章 紫の影 16 狼少女ジェーン 15 開演前日の風雲編へ 第11章 紫の影 17 狼少女ジェーン 16 嵐の開演初日編 1へ 第11章 紫の影 18 狼少女ジェーン 17 嵐の開演初日編 2へ 第11章 紫の影 19 狼少女ジェーン 18 嵐の開演初日編 3へ 第11章 紫の影 20 狼少女ジェーン 19 嵐の開演初日編 4へ 第11章 紫の影 謎の番外編 ─ガラスの仮面通信─ 1~6へ 第11章 紫の影 21 狼少女ジェーン 20 上演2、3日目編 へ かぜのキャラクター紹介のページへ キャラのイラスト募集中 !! |
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12/02/22 コンテンツ全体の修正 06/04/13 背景とレイアウトの変更
06/04/29 「 キエカナ」 へのリンク追加 06/05/08 屋台場面の注釈を追記 06/04/12 背景とレイアウトの変更 06/04/06 画像のレイアウト変更 06/04/12 記述の追加とレイアウトの修正 06/05/01 「 キエカナ」 へのリンク追加 06/04/12 レイアウトの変更 06/04/12 新事実の追記二件と全体修正 06/04/17 内部リンクの追加 06/04/14 注釈の追記と情景描写の修正 06/04/17 内部リンクの追加 06/05/01 コンテンツ名変更 06/06/03 若干の注釈追記と微修正 06/06/16 若干の解説・注釈の追記と修正 06/06/16 更新 記述の追記と修正 06/06/16 解説・注釈の追記と記述の修正 06/06/16 解説・注釈の追記と記述の修正
06/08/28 追記と修正 12/01/13 更新 記事の追記 06/06/07 カラーも含む画像2枚 up
新コンテンツ作成ごとに随時更新中 必要に応じて随時加筆 2012/02/21 新規サイトを仲間に追加 (^^) ついに作家デビュー !! 作家デビュー2作目 !! 最新のコンテンツ |