読み始めたら止まらない  大河解説ロマン  ガラスの改稿  狼少女ジェーン 20  演2、3日目編

〜 ガラスのように もろく壊れやすいシナリオ ひとはみな素顔を隠して それをえがく 〜 

第11章 紫の影 21 狼少女ジェーン 20 上演2、3日目編

も く じ

2006/08/25 作成   06/08/28 記述の一部を変更  

 

あらすじ

 

「忘れられた荒野」の初日はただ一人の観客、速水真澄による

アンコールの拍手連打という形で高く評価された。

 

素人役者たちも大都芸能社長である速水真澄の高評価を得た事で

自信と喜びを覚え、黒沼龍三はいつものように仏頂面ながらも

初日の成功をもたらしてくれた真澄への感謝の気持ちもあって

初日のお祝いの席に彼を招待した。

 

そんな中でサクラコージと真澄の間には微妙な空気が流れるのだが、鈍感なマヤに

とってはそんなことはアウト・オブ・眼中だった・・・

 

    このコンテンツはガラスの仮面コミックス32巻と33巻をお手元に

   されてご覧頂くと、細部の検証をよりお楽しみ頂けます・・・(^_^;) 

 

 

解説

 

 

かぜの迷宮

 

 

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花とゆめ1986年4号(連載221回)  この号は巻頭だがカラーは扉絵1枚のみ  

 (この扉絵はコミックス32巻のカバーに使われています)

 

                    このページはコミックス32巻147pとほぼ同じです。

 

薄目のマヤのアップ                                        147p-1

「うう・・・ん」

 

舞台上 ブロック積みのベッドで頭をもたげるマヤ                      147p-2

他にも寝ている人が数名

 

客席  そのコマの左側にコマ内コマで劇場の開いた観音扉             147p-3,4

 

扉から差し込む光                                         147p-5

 

あらすじコーナー                                              ※

 

※コミックスではこの部分にすぐ上にある「扉から差し込む光」と同じ構図でもう少し大きな絵に

八方放射の光が3つ添えられた形の強調コマが加筆され差し替えられました。 (147p-6)

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太陽                                                  148p-1

 

朝日を浴びるビル街                                        148p-2

 

劇場正面入り口に出たマヤ                                   148p-3 ※

「うわあ・・・

 

※コミックスではガラスドアに風で飛んできた看板激突による破損の跡を加筆しています。

当たり前の話ですが、連載時原稿ではドアは破損していないので左のドアの取っ手はちゃんと

ついていますし、右のドアのガラスにもヒビは入っていません・・・(^_^;)

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次ページ(32巻149p相当)のマヤがみんなを起こすところと次々ページ(150p相当)の真澄の

行動を回想するマヤのシーンは連載時原稿もコミックスもまったく同じなので記述を省略。              

その次のページは展開が違っています。                      ・・・(^_^;)

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ベタ背景にフラッシュモノローグのみの空白コマ                    32巻151p-1 ※

(なぜですか? 速水さん・・・

 

左手前に握りこぶしで語る黒沼龍三の横顔  右奥に役者たちと助手たち(アシキャラ)   *

「みんな きのうの初日はあいにく台風にたたられたがけっして台無しになったわけではない」

「大都芸能の 若社長があの嵐の中わざわざみんなの芝居をみにやってきてくださったんだ」

「あの速水氏がいい芝居だと拍手をしてくださったんだ」

「自信をもて」「きみ達はすばらしいんだ」

 

手前に役者たちと助手たちの後姿  奥に黒沼龍三  俯瞰 

「芸術祭の審査員の先生方はほとんどがきのうの初日にきてくださることになっていた」

「他の芝居もあるのですぐにとはいかないだろうが」

「いつでもきてもらえるようもう一度招待状を出すことにした」

 

天井

「全員きてもらえるかどうかはきょう2日目からのきみ達のデキにかかっている」

「しっかり演ってくれたまえ」

おーーー

 

微笑みマヤのアップ 汗一滴

(黒沼先生・・・)

 

高級マンションの最上階の部屋  外観  背景は空

「『イサドラ』の劇評を読みましたか? まどかさん」

「どの新聞の批評も絶賛していますよ」

 

※コミックスではマヤの陰影つき白目頬汗の横顔アップの表情が描かれています。

*第1コマのベタがそのまま横に流れてこのコマの枠を塗り潰しているのでマヤはこの中に居て

黒沼龍三の話を聞きながら真澄の行動を思い起こしていたということでしょう。

このアシキャラの中にはつるはし男やバイク男、パーマ女、婦長の姿に混じってマヤっぽい髪型

と背格好をした人も居ますが、黒沼以外の全員がアシスタントさんの描いたキャラなので、これが

はたしてマヤなのかどうかの判別は難しい・・・(^_^;)  なお背景は楽屋の壁と天井です。

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新聞や雑誌を両手に持った微笑み藤本の立ち姿

「芸術祭の審査員の先生方にも好評だし集まっている演劇協会員の数だけでも今のところトップだ」

「芸術大賞だけではなく最優秀演技賞の有力候補にもなったってわけだ」

 

真っ黒バックに微笑みまどか 右手には吸い口に挿したロングサイズの細いタバコ

「芸術祭ははじまったばかりよ 他の芝居も粒ぞろいだし」

「芸術祭がすむまでは安心できないわ」

 

奥に両手を広げてWhy?のポーズをした振り返り藤本 ふと・・・  手前に豪華ソファで寛ぐまどか 

「これはまどかさんらしくないセリフだ」                      天井にはシャンデリア

「用心してるだけよ」

 

軽く目を閉じて吸い口を口元にするまどかの横顔アップ(上部) 真っ黒バック        ※

「黒沼さんの『忘れられた荒野』はきのうが初日だったそうね」

「初日が台風とはお気の毒だこと」

「審査員はひとりもいかなかったとか」

 

軽く目を閉じて吸い口を口元にするまどかの横顔アップ(下部) 真っ黒バック        ※

「審査員の先生方も他の芝居のスケジュールでいっぱいのはずだし」

「このあといったい何人の先生方が舞台をみることができるやら・・・」

 

空白コマ (コマの上部に垂直線の陰影がある)

「これで芸術祭参加が認められるとはとても思えないわね」

オホホホ・・・

 

雨月会館 外観  強いアオリ 

「マヤちゃん 花屋さんがあなたに届け物ですって」

 

※このコマはまどかの表情を上下に分割しています。 理由はセリフの流れに沿ってフキダシ

の配置を整理する事と落ち着いたまどかの表情を強調する為でしょう。

このページのまどかは女優の貫禄十分で美しく描かれています。

コミックスでは『イサドラ』ロビーの波乱編以降の流れで述べたような事情(まどかVSマヤの

対決の構図は物語の本筋からはずされた)によってまどかはすっかり青筋頬汗の雑魚キャラと

化しましたが、連載時原稿の流れではまだまだ圧倒的に優位に立っているので余裕綽々です。

このように連載時原稿ではこの時点でもまどかのプライドはマヤに屈していないのです。

従ってちょくちょく登場しては読者の反感を一層募らせているわけです・・・(^_^;)

このあたりの扱いはコミックス32巻発行の際の改稿によって激変しました。

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右手前に花篭を抱えた聖唐人 左から奥一面にマヤの特大アップ 放射線背景  32巻69p-3 

「こんにちは 花を届けにあがりました」

(聖さん・・・

 

右奥に聖  左手前にあわてて口をふさぐマヤ                       70p-1 ※

「あなたが北島マヤさんですか?」

「あ・・・

(人前じゃしらないふりするんだっけ・・・)                              *

 

笑顔のマヤ 汗二滴  お辞儀をする聖唐人  周囲に他の人々  俯瞰       70p-2 ☆

「すてきな紫のバラ・・・ どうもありがとう」

「きのうお届けにあがるはずだったんですが あいにく台風できょうになってしまいました」

「申し訳ありません」

「お届け主からはくれぐれもよろしくとのことです」

 

微笑聖唐人のアップ  真っ黒バックに星が多数                       70p-3

「狼少女の役をたいへん期待しているとおっしゃっていました」

「それからメッセージを一言」

「なにか困ったことができたらいつでもこの花屋●●●●に申しつけてくださいとのことです」

 

※このコマは移植の際に上部に余白が出来たのでフキダシの上部の線を書き足しています。

  (連載時原稿ではページの中ほどのコマなのでフキダシ上部は切れていた)

*このセリフのなかの「つ」は文字が大きくて少し横にずれているだけなので誤植っぽく見えるの

ですが、モノローグで使う活字は全般的にフキダシの中のセリフに使われている明朝体と違って

  ゴシック体ですな・・・ゴシック体の「っ」は明朝体よりも大きいのかな・・・(^_^;)?

 モノローグの活字はコミックスでもそのままですので他の部分の「っ」もみんな同様です・・・(^o^;)

  (なお、この号の活字は他にも上下がずれて印字されているものや変なスキマが空いている

   ものが幾つかあります)

☆コミックスでは聖唐人は初日の前日にやって来たことになっているのでこのコマのセリフを

   「お届け主から明日の初日頑張ってくださいとのことです」という具合に変更しています。

それに伴ってフキダシの大きさも縮小していますが、なぜか周囲の人々の足を描き替えています。

コマの中央上部の足はコミックスでは男性のものだが連載時原稿では女性の足でした、また

コマの左端の女性の足は連載時原稿では男性の足、 コマの右下の観葉植物の位置には談笑

しつつ歩く男性二人が描かれていました。                      ・・・(^_^;)?

右端の長椅子とゴミ箱は変更無しですが、セリフが大幅に減った事によって、マヤのフキダシの

位置がやや中央寄りにずれたので長椅子だと判る様になりました。

(連載時原稿では椅子の手前の部分以外はフキダシに隠れていた・・・(^_^;)・・・)

 

コミックスではこのページ最後のコマに続いてそれよりも前の展開である「家族」を描いた場面

からの流れを受けてマヤのアップのモノローグコマが2つ加筆されました。

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笑顔のマヤ 汗一滴                                           71p-3

「あの・・・花屋さん」

「この紫のバラの贈り主はいったいいつおみえになるんでしょうか?」

 

少し薄目の聖唐人  ややアップ  僅かにアオリ                           ☆

「さあ・・・きょうかもしれませんし明日かも・・・」

「でもかならずおみえになります」

 

手前に引揚げようと歩みだす聖唐人 奥に笑顔マヤ ふと・・・ 汗一滴   俯瞰気味  72p-2

「ではこれで」

「あの・・・花屋さん」

 

花篭を抱えた笑顔マヤ  背景は点描の輪                          72p-3 ※

「伝えてください この花の贈り主に」

「あたし・・・ この紫のバラが枯れてしまうまでは

    毎日あなたがきてくださっているつもりで演技しますって・・・

 

柔らかな笑顔のマヤ アップ 汗一滴 背景はもっと多い点描の輪            72p-4 *

「いつもあなたがみてくださっていると思っていますって・・・」

 

柔らかな笑顔のマヤ 大アップ  背景は一面に更に多くの点描の輪           72p-5

「紫のバラのひとに・・・」

(聖さん・・・)

 

☆コミックスでは71p-4に「明日の初日におみえです」という聖の場面がありますが、この聖の

絵はコミックス編集時の加筆挿入です。

聖唐人登場場面を初日開演前に移動した事によってこのコマを差し替えたのでしょう。

 なお、このコマおよび71p-1,2,5,6はすべて新規に加筆された絵です。

※このコマのマヤのセリフも移植に伴って変更しています。 コミックスでは・・・

 「あたし・・・ 顔はわからなくても 劇場のどこかにこの方がいると思うだけでとても幸せです」

*コミックスでは「一生懸命演りますって」に変更。 (絵は同じものです)

 

コミックスの72p最初のコマで微笑む聖唐人のカットは加筆です。

ここまでは一部加筆されたコミックスの方でもセリフの流れや絵の雰囲気は自然な流れになって

いますが次のページの聖の表情に軽く違和感を覚えた方も居るのでは・・・(^_^;)

そもそも聖はこの時点で既に真澄が初日に来てしまっていることを知っていたのではないかと

考えると次ページの彼の帰り際の苦しげな表情に自然なつながりが出来ます。

つまり、連載時原稿の会話の流れなら☆のコマの聖のセリフ「さあ・・・きょうかもしれませんし

明日かも・・・」と言葉を濁しつつ1コマ目のマヤの質問に応え、すぐに立ち去ろうとするところを

呼び止められて“紫のバラのひと”へのメッセージを託されるのですが、実は真澄は嵐の初日に

既に観に来ており、聖は“紫のバラのひと”の秘密を守るためとはいえ、あいまいな言葉でマヤ

を欺いたわけですが、それにもかかわらず喜んでいるマヤの姿を目にした事で胸が痛んだ為に

次ページの苦しげな表情になったということでしょう。

コミックスではこの場面全体が初日の開演前でかつ台風も接近していない日に変更された結果

一連の会話の流れの中で聖の発した言葉はマヤに対して何の翳りも無いので、かえって帰り際

の聖の表情には微妙な違和感を覚えるのではないでしょうか・・・(^_^;)

これも、連載時原稿の絵を生かしつつ前後の筋立てのつながりに応じてセリフを変更したものの

最後の詰めが甘かったと言えるのでは・・・ !?             ・・・(^0^;)

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青筋頬汗弱り顔の聖唐人  真っ黒背景                            73p-1

 

手前に目深にハンチングを被る頬汗聖  奥に嬉しげマヤ 汗一滴            73p-2

「承知しました」

 

マヤの微笑みアップ  同じコマで去り行く聖の後姿                     73p-3

(聖さん)

(紫のバラのひととあたしを結ぶかけ橋・・・)

(よろしく伝えてください 紫のバラのひとに)

(このバラをうけとるたびにあたしがどんなに励まされるかってことを・・・)

(どんなに幸せな気持ちになるかってことを)

 

マヤ ふと・・・

「あ・・・」

 

口元に右手の拳骨を当ててうつむき加減の舞  左手には風呂敷包み  背後に観葉植物

「舞さん・・・

 

汗一滴の舞のひじに左手を添えてサクラコージに呼び掛ける笑顔マヤ  ロングショット

「どうしたの? そんな所で」

「桜小路くん 舞さんがきたわよ

 

白サクラコージのアップ ふと・・・

「舞・・・」

 

四角い風呂敷包みを持った舞の両手

「きのうはこられなくてごめんなさい」

「こようとしたんだけど台風でどうしてもこられなくて」

「あの・・・差し入れもってきたの」「あたしがつくったの」

「食べてもらおうと思って」

 

コミックス73p-4のうらやむ役者たちと73p-5で嬉しげなマヤを白目で眺めるサクラコージのコマ

は新規加筆です。

上のページで述べた通り、この場面は連載時原稿における開演2日目の場面なのですが、

コミックスでは嵐の初日の前日に転用している為、コマによって加筆やカットがあります。

また、セリフの流れもその前後のシークエンスに応じて変更されています。

次のページの台風接近はこの場面に引き続き描かれた為マヤはバラの花篭を持っています。

なんと、舞の登場場面も連載時原稿とは話が前後していますね・・・(^_^;)

舞の登場に併せて“一人ぼっちのマヤ”という構図を強調する事が主な目的で、他の役者たちの

家族の話や黒沼龍三の家庭の様子がここに加筆されたということは明らかですね。

これによって“紫のバラのひと”こと速水真澄のウエイトもより増大しました。

これも、マヤと真澄の宿命“見えない真実”に厚みを増す為の改稿であったといえるでしょう。

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重箱の巻き寿司 他                                  67p-2 ※

「うわぁ すげえなー おいしそー

「いいなー 桜小路ー

「みなさんもどうぞ」

 

右奥に役者たち 中央にサクラコージ 左に舞                   67p-3 *

「おいしーい

「手がこんでるぜー これ」

「ありがとう舞 おいしいよ」

「ほんと!?

「うれしい・・・桜小路くんがそういってくれて・・・」

 

舞の笑顔のアップ  背景は点描の輪                        67p-4 ☆

「舞 しあわせ・・・

「またつくっちゃうもんね」

 

サクラコージ ふと・・・

 

やや切なげなサクラコージの目元のアップ  僅かにアオリ

(舞)

(きみはやさしいね)

(そんなきみがいるのにぼくはなぜ)

 

左手前に目元に軽く青筋の頬汗サクラコージの正面大アップ 顔全体に目の部分だけを抜いた

濃い網掛け 真っ黒背景  右奥に花篭を抱えて喜ぶマヤと一緒に嬉しげな女性スタッフの姿  

(なぜ)                                   ← ベタフラッシュモノローグ

 

コミックスでのこのページ(32巻67p)1コマ目のほんわか舞と驚きサクラコージは加筆。

※位置はずれているが、連載時原稿でも菱形のコマだったので絵の内容やコマの形も同じ。

  (連載時原稿では次のコマにカットインするような構造だった)

描き直すのは面倒だったので加筆した第一コマの形の方を工夫したものとみられます・・・(^_^;)

*サクラコージの上着に模様を加筆し、後方の人物の位置関係を少し上にずらし、一番右奥の

  「わいわい」する人々の集まりを加筆の上で採用。

☆連載時原稿ではこのコマは次のサクラコージの表情のコマと横並びで中段右側の位置に

描かれてていたので、横幅はページの半分の大きさだった。

コミックスでは幅を拡大して、八方放射の光を3つ加筆の上で採用している。

 

連載時原稿では舞の登場によって揺れるサクラコージの心情描写がありますが、コミックスでは

この部分はカットされ、代わりに次ページで舞がマヤを敵視する描写が入りました。

舞VSマヤの対立の構図による展開は33巻冒頭で舞の独白によってあっさり解決するのですが、

32巻の編集時点では他にもなんらかの意図のある伏線だったかも知れません。   ・・・(^_^;) 

連載時原稿の展開では舞はサクラコージの“マヤへの気持ち”にブレーキとして働く存在です。

これによってもサクラコージVS真澄の構図がうやむやになったのかも・・・(^o^;)            

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雨月会館 正面の外観 路上にはカップル客他の姿がちらほらと・・・

[雨月会館]

 

柱の掛け時計 (6:20を指している)

 

舞台袖口の垂れ幕の陰から客席を眺める頬汗マヤの横顔  座席の各所に人影が・・・

ザワザワ

「開演10分前だっていうのに客が半分しかはいってない・・・」

 

奥から歩み来る微笑黒沼  手前にブロンドのかつらを持ガウンを着たマヤ ふと・・・ 横に女性

スタッフ2名   俯瞰

「ほう 予想よりはいったじゃないか」

「え?」

 

劇場の客席中央部の様子 俯瞰  (この客席の様子は次の2コマにまたがっている)

「きょうは台風あけだ」

「こんな小さな芝居小屋の しかも芸術祭参加でもない芝居など」

「今の時期誰が気にするものか」

「他のりっぱな劇場でどこでも芸術祭のための話題作を上演中だ」

 

劇場の客席左奥の様子 座席にはまばらにシルエットの客たち 俯瞰

「桜小路に北島マヤのファン」「おれに興味をもってきている連中と」

「それに義理できているみんなの友人知人縁故関係ってところか」

 

劇場の客席右手前と中央通路  座席や通路に客達の姿  俯瞰

「あとは狼少女と大都芸能の速水氏との記事を読んで好奇心できている客ばかりだ」

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壁を叩く黒沼龍三

「いいか みんな

バン

「きょうの芝居がつまらなければ明日から客はこないと思え

 

「場内にいる客のひとりひとりがきのうの大都芸能の若社長だと思って演るんだ 」 「いいな

「はい

大きく口を開いて返事する役者たち(アシキャラ)の中にポカン顔のマヤ 汗一滴

 

頬汗白マヤの大アップ  もわもわ背景   このコマにカットインした形で真っ黒背景に軽い青筋

サクラコージの小さなコマが挟まれています。  セリフの並びの構造は・・・

マヤ:(客のひとりひとりが速水さん・・・)

    サク:(マヤ・・・)                                (コマ内のコマ)

マヤ:(速水さん・・・)                               

 

場内前列の座席に記者(とおぼしき人)2名  後方にはまばらに客の姿           ※

「おい 鬼才黒沼龍三の15年ぶりの芝居というから取材にきたんだがサエない客の入りだな」

「ああ なにしろまだ芸術祭に参加が認められていない作品だからな」

 

床に突いた杖の先

コッ   

 

振り返る記者A

 

※このコマの絵はアシキャラですが絵柄にはいかにも記者っていう雰囲気は無いので、セリフが

無ければ一般人男性客のようにしか見えません・・・(^_^;)

どうでもいい話ですが、連載時原稿では記者Bの髪のベタを塗り忘れています。    ・・・(^o^;)

なお、ここでいう記者Aは眼鏡をかけた方です。

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 ・・・って感じ・・・(^_^;)

 

 

 

 

 

 

お付きの男に支えられ通路を歩く速水英介  周囲の座席には人影なし   33巻42p-1 ※

コッコッ

 

英介の横顔アップ                                        42p-2

コッコッ

 

記者Aをなめて着席しようとする英介                            42p-3 *

「さ こちらへ」

「うむ」

 

記者AとB                                            42p-4 ☆

「おい どっかでみたことないか? あのじいさん」

「さあ」

 

座席の英介  ベタ背景                                    42p-5

リーーン ゴーーン

 

※コミックスでの英介は芝居の評判が盛り上がった開演3日目以降に来たことになっている為

 周囲の座席に観客の姿をぎっしりと加筆しています。

 連載時原稿の客席最後部には客がいないのですべての座面が上がっていました・・・(^_^;)

*連載時原稿では記者Aだけですがコミックスではコマの右端に記者Bの姿を加筆している。

  更に背景に劇場の壁面を加筆。 おまけに記者Aの服装は連載時原稿ではスーツに開襟

  シャツだったのですが、コミックスではベストを着せており、記者Bにもハンチング帽を加筆

  しています。これはふたりをより記者っぽくみせる為でしょう。

☆連載時原稿では記者達は座席に座っているのですが、コミックスでは他のお客さんの邪魔に

ならないように後方壁面にいるように背景を描き替えています。 また、記者Bの胸元にカメラ

を描き加えていますので、連載時原稿での描写に比べて記者っぽさがかなり増しました。

  (顔や表情はまったく描き直さずに服装と備品や背景だけを描き替えたわけです・・・^^;)

 

連載時原稿では英介は記者達のいる場内前方の席まで歩いてきたのですが、コミックスでは

比較的後方の席に着いた事になったわけですね・・・(^_^;)

なお、コミックス41pの最下段3コマは移植で変化した状況のつなぎに伴う新規加筆です。

41p-3の記者達のセリフの流れはその変化に応じて新たに入れられました。

41p-4の杖を突いた英介の足元も、41p-5の記者たちの背景の壁面も上で述べた事情に伴う

新規加筆ということになります。 (ひとつ上のページからの絵の流用ではありません・・・^^;)

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あわて顔の助手 顔の左右に汗二滴  軽く放射線  手には破れた布を広げている

「たいへんです 黒沼先生」

「芝居の途中から使う小道具の青いスカーフを釘にひっかけてしまって・・・

「すみません どうしましょう」

 

左手前に怒る黒沼龍三の横顔アップ  奥に青くなった弱り顔の助手

「ばかやろう そのスカーフはジェーンの心をスチュワートにつなぐ大事な小道具だぞ

「いったいどうする気だ はやくかわりを探してこい

「かわりといっても 今 急には・・・」

 

銀行家役の役者  衣装の豪華スーツの襟元を広げつつ・・・  汗一滴

「あの・・・よかったらわたしの この赤いスカーフを使ってください」

「わたしはタイをしますから」

 

右に大口で話す黒沼龍三 アップ 手にはスカーフ   左に衣装を着たアンとベン直立

「そうか この際しかたがない」

「スチュワート きょうからこれをおまえのスカーフにする」

「他の役者もいいな」                     このセリフ以下はギザギザフキダシ

「ジェーンのお気に入りのスチュワートさまの赤い●●スカーフだ」

「きのうまでは『青』だったがきょうからは『赤』だ

「いいまちがえるな

「はい

 

舞台上右手にスチュワートの立ち姿  左手に腰掛けたビクトール男爵  背景は真っ暗 

ふたりにそれぞれ天井からのスポットライト  画面手前には客の後ろ頭が6個

「ビクトール男爵」 「動物学の権威であるあなたにおききしたいのですが」    32巻182p-3※

「いったん野生の動物に育てられた人間の少女が

      ふたたび人間社会の中で人間として生きていくことは可能でしょうか?」

「ふむ・・・

「その少女についての詳しい報告をしてくれるかね スチュワートくん」

 

※連載時原稿では舞台手前の客席にはまばらに観客がいたのですが、コミックスでは客席を

全て描き替えて満席の状態に変更しています。 (コマの上下の大きさを拡大)

コミックスでのこのページ上段の2コマは入場する月影先生の姿とカウンターのスタッフの絵に

なっているのですが、それらのコマの大きさの関係でこの絵の上下を引き延ばしているのです。

連載時原稿ではページの下部3分の1のサイズでした・・・(^_^;)

 

スチュワートの青いスカーフはコミックス32巻160pではビール瓶を踏んで転んだ黒沼龍三が

飛ばしたタバコの火で焼け焦げたことによって、スタッフ(または役者)の女性の私物だった

赤いスカーフに変更された形に変わりました。               その理由は・・・(^_^;)?

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ブロック積みの山のてっぺんで吠えるジェーンのシルエット    32巻183p-1 33巻43p-1※

背景のスクリーントーンにフラッシュでジェーンの姿を強調         

うおおーーーーーーおお--- 

 

スチュワートの立ち姿  俯瞰                               32巻183p-2

「1928年9月14日」

「カルパチアの山奥で狼の群れの中に4つ足で歩く

 裸の2人の少女が発見されました」

 

吠えるジェーン  アオリのアップ                              32巻183p-3

おおお---

 

見開き眼の英介 口半開き ベタ背景の顔の中心に横一線引いて空中にフラッシュ  43p-2*

 

※このカットは2箇所で使われています。 該当場面は32巻の183pですが、本来は縦長だった

この絵から山の頂上部分とジェーンのシルエットだけを切り取って横長のコマに変え、新たな

スクリーントーンと書き文字で背景処理を施して33巻43p-1にも採用。

*33巻に英介の姿のみを切り取って背景処理を施した上で採用。

 (コマの縦はやや圧縮、横は2倍に拡大し、巨大びっくりマークを添えている──英介の姿は

  連載時原稿では胸の位置まであり、フラッシュは顔のすぐ横にありました・・・^^;)

コミックスではこのコマの英介のカットは息をのむ黒背広の男性客らの描写に変更されました。

本来はこのサイズの中に33巻43p-2の英介の驚きの表情があったのです・・・(^_^;)

 

演技場面のコマの転用はストーリーの流れとは関係なく、いろんなところにバラバラに移植されて

いるので、追跡と照合が大変です・・・(^_^;)

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裸の白目ジェーン                                    32巻184p-1

う--う

おお-う--

 

右手前に呆然とした表情で手のドーナツ状のお菓子を落とす男性客、その左横にびっくり眼で胸を

抱えた女性客  後方には唖然とした観客たち

ポロ

 

頬汗の記者たち (横からのアングル)  流線背景

「お・・・おい これは・・・」

 

雨月会館の外観  アオリ  背景は星空

 

上のコマにカットインしたコマで柱の掛け時計 (9:00を指している)

 

喝采する観客たち (空席は多い・・・^^;)

わーーー    パチパチ パチ

わーー   パチパチ

 

コミックスでは1コマ目のジェーンの絵そのものを開演2日目の大物達がぞくぞくと詰掛けた状況

のひとコマとして使っただけですので、場面展開や状況の流れはまったく無関係です。

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雨月会館の正面玄関  場内から出てくる観客たち  鳥瞰             33巻43p-4※

ゾロゾロ 

「よかったわ 最後泣けちゃった・・・」「ジェーンが可哀想で・・・」

「あの狼少女すごいよ 芝居なんて思えない・・・」

「北島マヤって王女アルディスやってるだろ?」「あの美少女の」

「とても信じられない」

 

カップルの後姿  周囲にもお客さんたちの帰り姿が・・・

「ジンとしちゃったわ」

「うん おれも」「感動したよ」

わいわい

 

人々の去った客席の記者たち 汗一滴づつ   俯瞰ロング

「おい・・・ 予想外のデキだったな・・・」

「ああ・・・」

 

うつむき加減の頬汗記者たち  (横からのアングル)  背景は細い縦線            *

「なんでこれが芸術祭に参加が認められないんだ・・・」

「まったくわからねェぜ」

 

呆然とした白目マヤ  ベタ背景に白抜きの波状の線

「ちょっとそこのクリームとって」

「マヤちゃん」 「マヤちゃん」

「誰かあたしのピンどめしらない?」

「誰よ 衣装をここへおいたひとは」

「マヤちゃん」

 

手前に腰に手をあてた女性の後姿  奥に化粧台の前で振り返るマヤ  俯瞰   43p-5 ☆

「マヤちゃん」

「え?」

「どうしたの? さっきから何度も呼んでいるのに」 「面会よ」

 

見開き目で目が点の女性  (アシキャラ)

「あきれたわね どうしたの? ボンヤリして」

「下のロビーであなたに会いたいって人が待ってるのよ」

 

※絵はまったく同じものですがコミックスでは前後の展開が少し違う為かセリフを一部変更して

います。 (むしろこの場面の絵だけを利用した感じですね・・・^^;)

*再びどうでもいい話ですが、記者Bの眉毛のベタを塗り忘れています。    ・・・(^o^;)

コミックスでは記者にまつわる英介がらみの展開が少し変更になった為、このコマはカットされた

模様です。

☆コミックスではコマの大きさが変更されています。横幅は縮小され、この下にある女性のコマは

カットされてその分縦長になりました。 (連載時原稿ではほぼ真四角のコマでした・・・^^;)

フキダシの位置が上下にずれている為、当然背景の物やインテリア、周囲の人物などは一部

描き直していますが、きりがないので説明は割愛します。

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次のページからコミックス33巻44p、45p相当の場面で、内容はマヤと英介のロビーでの会話の

場面ですが、この部分は絵にもセリフにもまったく変更はありません。  

46pの車に乗り込む英介の姿を眺める記者の服装は上の項目で述べた事情によってに描き替え

られていますが、セリフや絵の展開にはまったく変更はありません。     

47pで記者がじいさんの素性に気付く場面と、黒沼が歩く場面も同じく記者の服装を描き替えて

いる事以外は連載時原稿とまったく同じものです。  (よって4ページ分の記述を省略・・・^^;)

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右手に灰皿でタバコをもみ消す黒沼龍三  左にため息をつくマヤ  その後ろに雑魚キャラ

「みんな きょうの芝居なかなかよかった」                            48p-1

ホーーーッ

 

真っ黒なズボンで真っ黒な靴の黒沼龍三の足元                          ※

「だがきょうの芝居はあと2日でおわりにする」

 

大口見開き眼の乗り出しマヤ と目に横線の入ったのけぞりサクラコージ  放射線背景

「ええ───っ

 

奥に仁王立ちの黒沼  手前にアシキャラの雑魚キャラ2名

「誤解するな 舞台をやめるんじゃないぞ」

ホーーーッ

 

黒沼の表情アップ  ややアオリ  

「おれは生きた舞台をやりたいんだ」

 

マヤアップ ふと・・・

「生きた舞台 ?」              なぜか(?)の前に妙な隙間が・・・誤植?・・・(^_^;)?

 

手前に右手のライターのアップ  奥にアシキャラの雑魚キャラ

「みんな これはなんだ? なんの形にみえる?」

「ライターです」

 

※コミックスではこのコマ以降の絵と台詞回しをすべて描き替えています。

既にお気づきでしょうがこの先の展開はコミックス32巻の55p〜のシーンで黒沼龍三がみんな

に色々な角度からライターをみせる展開です。

なんと、連載時原稿でのこの場面を開演よりも前の時点に大ワープさせていたのです。

以前も少し述べましたがコミックス32巻の再構成の結果加筆挿入されたエピソード(速水真澄と

黒沼龍三の屋台での触れ合いシーン)で「黒沼龍三が『紅天女』の演出家候補に上っている」と

いう展開を加筆した時に、連載時原稿の展開ではそれよりもはるかに後になって出てきた「舞台

を変える」、「生きている舞台」という発想をかなり前倒ししてはめ込んだ事になります。

これで、以前のコンテンツで私が提唱したような“ご都合主義的な編集によってコミックスの展開

を後から再構成し、もともとは無かった伏線構造を作り出した”という事実が明らかになりました。

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    ← これ  ・・・(^_^;)

 

 

 

 

 

 

 

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ライターを持つ黒沼                                    32巻55p-4 ※

「そうだ これはまちがいなくライターだ」

 

上下を指でつまんだ垂直なライターのアップ  (側面)               32巻55p-5

「ではこの形はなんだ?」

「ライターです」

 

左右を指でつまんだ水平なライターのアップ  (上面)               32巻55p-6

「これは?」

「ライターです」

 

上下を指でつまんだナナメなライターのアップ  (下面ひねり・・・^^;)      32巻55p-7

 

手前に雑魚キャラ5名の後姿(発言者は汗2滴)  奥に黒沼  俯瞰            *

「それもライターです」

「そうだ 同じライターでも みな角度によっていろいろと形がかわる」

                  ↑この「な」はコミックスでの修正によると「る」の誤植らしい・・・(^_^;)

 

真っ黒バックに薄笑いの真っ白黒沼 アップ ベタ抜きで八方放射の光     32巻55p-9☆

「おれはこの芝居もどれだけちがう形をみせられるかやってみたいと思っている・・・

 

天井と壁面

「2日後 芝居がハネたらみんなに詳しく説明と演出を話したいと思う」

「心しておいてもらいたい」

 

見開き眼の頬汗白マヤ  軽くあっけ顔のサクラコージ  アオリ  コマの下部のみに粗めの

スクリーントーンを削った霧状模様のもやもや背景                  32巻56p-3★

(「忘れられた荒野」の別の面・・・)

(生きた芝居・・・)

 

※黒沼龍三のシャツにスクリーントーンを施して採用。(連載時原稿では真っ白なシャツだった)

これは、ガラクタで舞台装置を組む場面の黒沼の服装に沿うように加筆したわけです・・・(^_^;)

*コミックスではこのコマはその前のページのスチュワートとビクトール男爵による模擬演技の

展開に基き、舞台の天井の絵に差し替えている。

 (連載時原稿でのこの場所は雨月会館の楽屋またはロビーです)

☆黒沼龍三の口はその中に背景のベタが見えるように描き替えている。(もっと口を開いた)

連載時原稿ではコミックスでの歯の位置までしか開いていない薄笑いの表情でした。  ・・・(^o^;)

また上下の唇に横線を加筆し、髪の毛やひげにも細かく線を追加して絵の質感を高めている。

連載時原稿では輪郭線や頬のしわだけが描かれていました。(絵の主線はまったく同じものです)

更にはコマの上下左右を少し拡大しているのでその分黒沼の髪やひげを加筆しています。

★マヤの頬汗は消去しており、服装も描き替えています。

理由はいうまでもありませんがガラクタ集めの場面の服装に合わせた為です。   ・・・(^0^;)

連載時原稿でのマヤとサクラコージの服装やアシキャラによる雑魚キャラがどんな絵柄だったか

を見たい方はコミックス33巻40p〜44pを参照してください。

更にコミックスではマヤの頭頂部にふくらみを持たせてアオリの度合いを軽くしています。

しかも、左に傾いていた絵全体の傾きを右に起こしており、背景のスクリーントーンを剥がして、

ほぼ直立の雑魚キャラを加筆しています。 (連載時原稿ではマヤもサクラコージも左に5度以上

の傾きを持たせており、強めのアオリの構図で描いていました)

その為かデッサンの上でマヤの顔のパーツの仰角と髪の毛も含めた顔全体の仰角のバランスが

狂っていますね・・・(^_^;)  (服は描き替えているので狂いが目立ちませんが、本来は襟元の

リボンや胸の仰角もかなりあったのです・・・^^;)

なお、コミックスでのこのページ上段の3コマはすべて新規に描かれた絵です。

 

さて、いかがでしょうか? 展開があちこちに飛んでいる上にコミックスでの該当ページのページ

数が印字されていないため照合も大変だと思いますが、頑張ってくださいね。

なお、コミックスでの冒頭ページはどの巻も5pからですのでそこから順番に数えながらページを

めくって頂けば大丈夫です・・・(^_^;)   (扉絵ではなくストーリーのはじまり部分が5pです)

コミックスではこの後に、加筆されたバトリー夫人やエレンの演技場面があって、これも以前の

コンテンツで記述した、海辺の別荘での真澄と聖の会話場面になります。

つまり、『イサドラ』初日の波乱“真澄の主導によるマヤと「忘れられた荒野」の売り込み作戦”

にまつわる改稿で後のエピソードとしてずらされた別荘場面がこの後に持ってこられたわけです。

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びっくり顔の亜弓の大アップ  トーンによる放射線背景               32巻169p-2 ※

「ええー 速水会長が黒沼先生の芝居をごらんになった !?

 

右手前に亜弓のアップ  同じコマで奥に姫川邸のリビングルーム           170p-1 *

「ええ 演劇関係者のあいだでは今その話でもちきりです

「最近はほとんど表に出られなかった速水会長が

     不自由な足をおしてまで出かけられたのですから・・・・・・

「速水真澄氏は初日に台風だったにかかわらず劇場へ出かけていますし」

「会長も社長も『忘れられた荒野』の芝居にかなり注目していられるようです

 

コマ上部に『紅天女』のイメージカット 周囲に梅の花  同じコマの中央に黒沼とサクラコージ

その後方には他の役者たち  コマの左下に小太りで眼鏡の紳士が説明している       ☆

「これは噂ですが 今 大都芸能の内部では

     ひそかに着々と演劇界幻の名作『紅天女』の上演準備が進められており」

「主役以外の役者やスタッフ 演出家など かなりの候補の中から

     優秀な人物が数名選ばれているそうです」

「その演出家の中に黒沼龍三氏」

「『紅天女』の相手役に桜小路優の名がリストアップされているそうです」

「会長が並々ならぬ関心を示されるのもどうり

「北島マヤもいれてなんと『忘れられた荒野』の芝居の中に

       3人も『紅天女』の候補者がいるというわけです

 

青筋亜弓の目元の特大アップ  フラッシュモノローグ                    171p-1★

(3人も)

 

※コミックスでも同じ絵ですが、亜弓のセリフには変更があります。

連載時原稿ではこの号の展開どおり「速水会長が・・・」ですが、コミックスの方は「速水さんが・・・」

という具合にそれまでのストーリー展開に合わせて変更したわけですね。

コミックスでのこのコマは連載時原稿ではもう少し上下が狭いのですが、どうやらこれは元の

絵がコミックスのサイズだったようです。

今までにもコマのサイズ変更は度々ありましたが、このコマの絵に関しては後で描き足した感じ

ではないので、恐らく元の絵は別の紙に描かれていたもので、連載時原稿でも原稿の上に貼り

つける形で枠に収めたのではないだろうか・・・その為連載時原稿では天の部分が印刷の際に

収まりきれなかったが、コミックスでは天地に余裕があるので印刷されたのでは・・・(^_^;)?

(コミックスでは直上のコマにあたるマヤのコマも拡大されていますが、それでもページの余白に

余裕があるので元絵の上の方の途切れていた部分も印刷範囲に入ったのでしょう)

なお、この場面はコミックスではマヤが回想する真澄の行動シーンからつなぐ形に再構成され

ました。注釈が多すぎてわかりづらいと思いますが、亜弓の驚きシーンは連載時原稿では黒沼の

ライター場面の次の独立したシークエンスだったのです・・・(^_^;)

*このコマも上と同じ理由で大幅にセリフが変更されています。

☆このコマは170p-2のセリフ運びとはぼ同じものですが、絵は完全に描き替えており、例えば

紅天女の表情をあいまいにしてあります。(連載時原稿では軽く微笑んだ天女の表情が比較的

大きな絵ではっきりと描かれていました───絵はあまり天女っぽくはないし月影先生の若い頃

っぽくもない単なるイメージカットなのですが・・・^^;)

背景も連載時原稿ではベタが施されておらず、全体に白っぽいものでした。

また、黒沼龍三はサクラコージの後方で立ち姿、マヤのイメージカットはありませんでした。

サクラコージの目線も連載時原稿では左向きです。

★最後のコマの亜弓の特大アップもまた余白に余裕がある為、モノローグのフラッシュの下方の

線を描き足しています。(連載時原稿では亜弓の鼻がページの下側ぎりぎりのラインでした)

また、コミックスでの額の青筋には線を加筆した痕跡が見て取れると思います。

コマの配置を移動したことによって余白にゆとりが出来たものの、絵の上下に余分な余白が

出来る事を避けたようです。

コミックスではこのモノローグはほんの少〜し変更されて「3人・・・ 」になっています。      

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豪華なソファに腰掛けた青筋頬汗の亜弓  真っ黒背景                  171p-2

「『忘れられた荒野』の芝居の中に・・・」

「『紅天女』の関係候補が3人も・・・」

 

遠くに高層ビル群を配し、手前には中低層のビル街  (上のコマがカットインした構造)   ※

 

走ってきて止まる黒塗りの車                                  172p-1*  

キー

 

高級車が続々と・・・                                  172p-2,3,4,5☆

 

地上に降り立つハイヒール                                     172p-6

カッ

 

※コミックスでは雨月会館の外観のコマに変更されていますが、亜弓のコマとの間の関係構造は

コマの枠線に余白が設けられた為にカットインのスタイルとはいえなくなりました。

むしろ、単純に場面転換したという感じです。

*コミックスでは車の後方のスペースに余裕がありますが、連載時原稿では車の後方と天井の

一部が切れていました。 (余裕分のスペースにボディの一部が加筆されているという事です)

☆高級車が続々と止まり、ハイヒールが地面に立つ場面は書き文字の一部ににベタを加筆して

はいますがまったく同じ輪郭線の絵です。 (連載時原稿ではこの場面の擬音は全て白抜き) 

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←面倒なのでひとコマごとの情景

  描写は省きました・・・(^_^;)

雨月会館正面玄関前に 豪華な衣服の人々の後姿  周囲に八方放射の光7つ       ※

 

驚き顔で頬汗や汗一滴の観客たち 椅子の背もたれ越しに後方(入り口の方向)を見ています *

ザワッ                            (観客はまだ一杯ではありません・・・^^;)

 

※このカットは172p-7とよく似た構図の絵ですが、コミックスの方は新規に描いたものです。

連載時原稿ではコマの枠の下線が地上の位置であり、全員の全身像が描かれています。

また、劇場入り口の上の壁に「忘れられた荒野」の一場面が描かれた大きな看板があります。

(コミックスではこの場面は続々と車が到着するシーンと同じページにまとめられましたが、

 連載時原稿では2コマしかないページですのでそれなりに縦長のコマです)

*173p-1のコマに似た絵ですが、もっと個性のはっきりしたアシスタントさんの絵です。

詳述は面倒なので避けますが、連載時の原稿では結構主線がしっかりしており、結構味わいと

臨場感のある絵柄で観客たちの驚きの表情が描かれていました。           ・・・(^_^;)

(どうやら、コミックス編集の時点で雑魚キャラ担当のアシさんが代わっているようです・・・^^;)

 

                 このページの左端には花とゆめ5号の予告スペースがあります。

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通路を進む大物女優たち  周囲の客席には観客たち                    173p-2

「おい あれ女優の八重草薫じゃないか」

わいわい

「うそだろ そんな大女優がここへ・・・

「奈良沖友子もきているわ

「あれみて・・・ 新劇の渡部見佐子よ

 

手前に奥の通路方向を見ている観客たち  奥に和装とスーツ姿の初老男性2名   173p-3※

「宇能重吉に滝川治だ・・・

「ええ・・・ あの演劇界の大物が・・・!?」 

 

客席の宇能重吉と滝川治  その後ろにひそひそ話しをする観客              173p-4

 

手前に八重草薫の横顔アップ   奥にそれを窺い見る観客たち               173p-5

 

左に左を向いた頬汗男性 右に右前方向を見る汗一滴男性                   *

「他にも有名な役者や俳優がいっぱいきてるぜ」

「それに名の知れた演出家や舞台関係者も」

「どうなってるんだい こりゃあ」

 

コマの右に振り向く男性 ふと・・・  コマの左端にきらきらした女性が・・・        177p-6

「ここ座ってもよろしくて?」

 

※コミックスでは手前の観客の部分にフキダシを加筆して「たしか芸術祭の演劇部門の審査員

だろ・・・」というセリフを追加しています。

*コミックス32巻177p-5のコマは新規に描いたものに差し替えています。

(この場面の展開や台詞回しが少し変更になっていますから、その変更に合わせて絵も描き替え

 たのでしょう・・・^^;)

 

コミックスではこのページの途中に理事長、小野寺一、紫織の来場場面を挟んでいますが、実は

彼らは連載時にはもっと後の号で描かれる“黒沼龍三の新演出で客席の配置を換えた日”以降

にやってきたのです・・・(^_^;)

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右手前にびっくりする男性客  奥に亜弓の立ち姿                      178p-1

(わっ・・・ 姫川亜弓・・・

 

真っ黒バックにきらきら亜弓のアップ                               178p-2

 

右にもめる男性客たち  左にきらきら亜弓                           178p-3

(おまえ席かわれよ・・・

(いやだ 死んでもここは動かないぞ

 

観客席の様子全景 席や通路に観客多数  空席もちらほら                   ※

「ふうむ 観客はきのうの3割増したな」        ←このフキダシの中の文字は手書き  *

わい わい

 

※このカットは絵柄の固いアシさんの絵・・・新人さんなのかな !?・・・かな?   ・・・(^0^;)

*はっきりとはしませんがこのセリフは黒沼龍三の洩らしたものではないでしょうか・・・(^_^;)

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右手前にやや不安げなマヤのアップ 汗一滴  左奥に頬汗黒沼龍三 頭を掻きつつ汗一滴

わい わい

「どうなっているのかしら 有名な役者や演劇関係者がいっぱい・・・」

「妙だな ヒマな時期じゃないはずなんだが・・・」

 

右奥に役者たち  左手前に黒沼龍三の横顔アップ                         ※

「こわいなァ あんな人達の前で演るのか・・・

「心配するな 初日に速水さんの前で演った通りやればいいんだ・・・

 

真っ黒背景に頬汗亜弓のアップ ベタフラッシュモノローグ  右奥には観客たち  ややアオリ

(『紅天女』の関係候補が3人・・・)                                181p-2   

 

宵闇に広がるビル街  俯瞰

 

※このコマの黒沼龍三の表情はコミックス32巻179p-3のものとよく似ているが新規に描いたもの。

(黒沼の顔の向きが左右逆になっているし、コマの幅も雑魚のセリフも違う)

 

コミックス32巻181p〜183pにかけて改稿に伴う新規加筆がありますが、ビクトール男爵のセリフ

の「失敗すれば3日目はない」は連載時原稿における3日目の舞台場面を2日目に変更した上に

演劇協会関係者(理事長など)が大挙して来場したような形に改稿された為であり、マヤが紫の

バラのひとに想いを馳せている部分は聖や舞の来場が開演前の時期に移動された事によって

追加されたものでしょう。

連載時原稿でのこのページの途中にそれらのエピソードを挟んだわけです・・・(^_^;)

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7階建てのビル外観 背景は夜 (ちらほらと窓に灯りがみえる)

 

全日本演劇協会  の看板

「滝川治さんや八重草薫さん 渡部美佐子さんもいったんですか !! 黒沼さんの芝居に・・・

 

奥のソファに和装の宇能重吉  右手前にちょび髭の中年男(背広姿) 

「そりゃあ『紅天女』の関係候補が3人もいるとなれば興味もわくさ」

「それでいかがでした? 宇能先生 芝居の方は」

「素人をおもしろく使っていたね」

 

中年男  俯瞰

「どうでした? 狼少女は」

 

真っ黒バックに宇能重吉の横顔  咥えたタバコに火を着けつつ・・・

「圧巻だったね」

 

真っ黒バックに頬汗2筋の宇能重吉の横顔アップ  咥えタバコ

「スチュワートの赤いスカーフがきっかけで人間にめざめていく所など

 背筋がぞくっとしたほどだ」

 

11階建てのビル外観 背景は夜 (こちらもちらほらと窓に灯りがみえる)

「ええ!? 狼少女ジェーンをベタほめ・・・ !?

「あの演技にうるさい宇能先生が・・・!?

「ええ 滝川治先生もね」                      このフキダシは次のコマにかぶる

 

アカデミー芸術祭実行委員会 の看板

 

セリフの内容やそのウエイトは全然違っていますが、「忘れられた荒野」を観た宇能重吉の感想

はコミックス33巻後半の月影先生の危篤と復活のエピソードの後にTVのインタビューに答える

形でささやかに採用されました。 

            06/08/28追記  この場面は次号のエピソードの中にありました。 <(_ _;)>

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微笑八重草薫のバストショット 

「あれ以上の狼少女はもうちょっと他の誰にもできないわね」

「あの狼少女だけでも一見の価値があるわ」

 

笑顔の大女優  (奈良沖友子や渡部見佐子ではない───第四の大女優?・・・^^;)

「なかなか感動的な舞台でしたわね」

「スチュワート役の桜小路優もむずかしい心理をうまく表現していたし・・・」

「のびたわね あの子・・・」

 

ロビーの各所で立ち話をする人々 (どこのロビーかは説明がないので不明)  俯瞰

ザワ ザワ

 

雨月会館 正面看板を中心にした外観  ややアオリ  背景は夜空

 

乗り出し黒沼龍三のバストショット アップ 両こぶしを握っている  放射線背景 

「場内のイスを全部とりはらうんだ

「ひとつのこらずだ

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指図する黒沼龍三  劇場内  奥に舞台  周囲に放射線            33巻55p-1 ※

「舞台奥 上手と下手にもっとブロックをつみあげろ

 

中央に口半開きの頬汗マヤ 左後ろに口半開きサクラコージ 右奥に口半開き頬汗つるはし男 

その更に後方周囲に婦長や雑魚キャラ  左右に開いた観音開きのドア             *

「黒沼先生・・・」

 

※ひとつ上のページのカットされた最後のコマの黒沼龍三のセリフをこのコマに集約しています。

*33巻55p-2の描写と同じ構図ですが、これは新規に描いたものです。

連載時原稿ではマヤをはじめ、各キャラクターの表情がもっと目を見開いており、より驚きのある

表情で描かれています。

コミックスでは次のコマに場面転換コマである雨月会館の外観と[翌日]のナレーションを入れる

都合でコマの幅を縮小する必要もあったので描き直したのだと思います。        ・・・(^_^;)

コミックスではここからの展開は少し変更されていますが、連載時原稿では・・・

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右に黒沼 中央奥に役者たち多数 背景は夜の公園                        ※

「みんな この前話した通り明日から芝居を少しかえることにする」

「きのうきょうとみんなに演じてもらった『忘れられた荒野』は

 人間の思いあがり 人間社会への批判などを強調してオーソドックスな舞台に仕上げてみた」

「だが これからはこの芝居の別の面をみせたいんだ」

「きょうの芝居はその下敷きだと思ってもらいたい」

 

黒沼

「安心しろ なにもむずかしくはないぞ

「セリフも筋も変わるわけじゃないんだから」

「ただちょっと演じ方が変わるだけだ」

 

奥にアシキャラのつるはし男 とサクラコージっぽい男 (絵がヘタなので判断に迷う・・・^^;)

画面左手前に人差し指を立てた右手のアップ (この手もヘタ絵・・・^^;)  

「演じ方?」

「これからおれのいう通りにやってもらいたい」

「もうひとつの『忘れられた荒野』だ」

 

息を飲む頬汗真っ白マヤ 大アップの横顔  

(もうひとつの『忘れられた荒野』・・・?)

 

※このコマのキャラは黒沼龍三以外はすべてアシキャラだが、役者たちの中にはマヤ、つるはし、

サクラコージとおぼしき人物も描かれている。 (描いた人の絵はヘタなので身体的特徴や髪型、

 服装によってかろうじて判別可、他の大半の役者は顔がフキダシで隠れている・・・^^;) 

────────────────────────────────────────

 

雨月会館外観  背景は夕焼け空

 

雨月会館正面入り口の看板  (劇の看板ではなく劇場の看板)

「おい ここだ きのう友達がみてよかったっていってたんだ」

「場内で姫川亜弓に会ったっていってたわ」

「なんかすごい役者いっぱいきてたんだってな」

わい わい

 

手前右に頬汗記者B 手前左に頬汗記者A  奥には入り口に詰掛ける観客多数

「おい この前よりずいぶん客が多いな」

「ああ」

 

奥に記者B 手前に記者A  俯瞰  (廊下を歩いている)

「もの好きだなおまえも 二度も取材にくるなんて」

「きょうから少し芝居をかえるとかって情報がはいったもんでな」

カッカッ

 

扉を押す手

キィーー

 

左に記者B  右に記者A(手にカメラ)  観音開きの扉の枠   放射線

「うっ・・・!?

────────────────────────────────────────

 

場内全景 奥に舞台 至るところに観客の姿  見開き                33巻56p、57p

「舞台の上も客席になっております」

「どうぞ上から順におつめください」

わい わい

 

ブロックの階段状客席                                       56p-2 ※

わい わい

 

右にあっけにとられた頬汗記者A汗一滴(手にカメラ) 左に青筋頬汗の記者B(手にノート)  *

「お おい どうなってるんだこの舞台はいったい・・・」

わいわい

「さ さあ・・・」

わい

 

※コミックス33巻56p-2の絵と同じものですがコミックスではカットされた*印のコマの記者Aの

セリフを観客が発した形に変えて書き加えています。 

*彼らは英介の来場時に居合わせた記者たちです。

コミックスでの英介の来場場面では記者Bの手にカメラが加筆されたので、連載時の原稿とは

記者A、Bの役割が逆転していますが、キャラクターの雰囲気からすれば記者Bがカメラマンで

ある形の方が適切だと思います。                    ・・・(^_^;)

またコミックスではこのコマを演劇協会の理事長来場の場面に描き替えています。

────────────────────────────────────────

 

そびえるビル  背景は空

[大都芸能]

「丸越が建設予定の劇場ビルの権利を大都が独占できないとはどういうわけだ

 

廊下を前のめりで歩く真澄 と中年の部下 汗一滴  俯瞰

「上階を映画館と劇場で占めることになっている今度の劇場ビルの企画は

         そもそも大都がもちかけ 中心になって動いていたものだ

カッカッ

「それがその ライバルの宝竹社が横やりをいれてきまして・・・」

「そんなことははじめっから予想がついていたことだ!」

 

真澄の正面アップ   放射線背景

「どんな手を使ってもかまわん

「なんとしても大都が独占するんだ

 

空白コマ (真澄のセリフからは放射線、部下のセリフには汗3滴が添えられている・・・^^;)

「30分後に会議を開く・・・ 」「重役を全員集めておけ」

「はっ・・・

 

右に上着を脱ぎつつある真澄  デスクを挟んで左奥に水城冴子 両手に書類袋

「水城くん」

「はい こちらが丸越の劇場ビルと株に関する書類でございます」

カッカッ                                冴子は歩いて近づいている・・・^^;

「それからこれがただいま手にはいりました宝竹の調書でございます」

────────────────────────────────────────

 

右手前にバインダーの予定表を見つつ語る冴子  奥に上着を脱ぎ終えた真澄 ふと・・・

「部屋は一番広い第3会議室を用意させておきました」

 

豪華な椅子に腰掛ける真澄  (顔はフキダシで隠れている)

「あいかわらずすばやいね きみは」

「おそれいります」

 

右に冴子 左手にトレイを持ち右手のコーヒーをデスクの隅に置く) 左にデスクの真澄(咥えタバコ

で両手の書類を眺めている)  背景は一面に窓枠

「コーヒーをどうぞ」

「お好きなブルーマウンテンです」

「少し濃い目においれいたしました」

「ああ」

 

コマの右側に水城冴子のアップ (前景と背景に花をしょっている)  

「それから・・・」

「真澄さま・・・」

同じコマで奥に冴子の立ち姿  デスクを挟んだ左手前に真澄の横顔 ふと・・・

「いかがいたしましょうか?」

「今夜7時の・・・」 「紫織さまとのお食事のご予定は・・・」

 

両手に書類の束を持った頬汗真澄  左手のタバコから紫煙がゆらめき立ち昇る

(紫織さん・・・か)

「そうだったな」

 

書類をめくる真澄の後姿  俯瞰  背景は閲覧済みの書類とコーヒーの置かれたデスク

「断りの電話をいれておいてくれたまえ」

「ていねいにな」

 

軽く目を閉じた冴子のアップ  ベタ背景 髪とサングラスはは荒いスクリーントーン  

 (ホワイトで細いミミズ様のもやもやが斜めに流れる感じで多数描かれている)

「かしこまりました」

────────────────────────────────────────

 

右手に書類束を持ちデスクの角に腰掛けて左腿に乗せた電話機からの受話器を右手に持ち、

左肩に挟んだデスクの電話機からの受話器に話している真澄  背景は一面の窓枠

「丸越のビルの一件だがカンでは宝竹の裏で糸をひいている奴がいるはずだ」

「早急に調べてくれ」

 

電話機に受話器を置く

ガチャ

 

デスクの電話機が鳴る  両手に書類束を持った真澄 ハンズフリー通話で・・・

{重役たちがそろいました}

「わかった 今 いく

 

書類袋2通を左手にした立ち上がる真澄 右手は上着へ伸ばしつつ・・・

スッ

 

踏み出す足

カッ

 

真澄 ふと・・・

 

紫のバラ一輪の大アップ  背景は点描の輪多数と八方放射の光2つ

────────────────────────────────────────

 

右に真澄の横顔アップ  奥に応接セットのテーブルに置かれた一輪挿しのバラ 光が2つ

 

左手前のバラをなめて奥に頬汗真澄の立ち姿 (左手には書類袋、右手には上着)

(紫のバラ・・・)  

 

笑顔のマヤのアップ を思い浮かべる頬汗真澄(ポーズは上のコマと同じ) 周囲にバラの花多数

(あたし この紫のバラが枯れてしまうまでは毎日あなたがきてくださっているつもりで演技します)

(紫のバラのひと・・・)

(いつもあなたがみてくださっていると思って・・・)

 

頬汗真澄の大アップ 真っ黒背景         

(マヤ・・・)

────────────────────────────────────────

 

内線通話用の呼び出しボタンを押した右手人差し指

カチ

 

秘書室のデスクでそれを受ける水城冴子

「およびですか 社長」

ピーー   カチ

 

デスクに寄りかかる真澄  (ハンズフリーなので受話器は持っていない)

「紫のバラをいけたのはきみか?」

 

水城冴子の横顔 ふと・・・

「はい さようです」

「お気にさわりましたでしょうか?」

 

目を閉じた真澄の大アップ

「いや・・・」

「ただ・・・」 「枯れないようにときどき様子をみてやってくれ」

 

バラをなめて奥に真澄  左手に上着を持ち左脇に書類袋を挟んでいる  背景は一面の窓枠

「おれは・・・」

「忙しくてかまえないので」

 

水城冴子 ふと・・・  俯瞰  (ふたりともボタンは押したまま会話しています・・・^^;)

 

頬汗冴子  背景上部に垂直線で描かれた濃い陰影

「承知いたしました」 「真澄さま・・・」

 

ボタンから指を離す右手の人差し指   (この手は真澄のものです・・・^^;)

────────────────────────────────────────

 

応接セットの一輪挿しの前に佇む真澄のシルエット 背景は一面の窓越しのビル街

(マヤ・・・)

 

雨月会館のものと思われる壁面と天井

わいわい  わい

 

このページの柱には おたよりくださいコーナーがあり

カゼの熱にうなされながらの〆切はツライ!!  との美内先生のコメントがあります。  ・・・(^_^;)

────────────────────────────────────────

 

右に右を見る記者A 左に左を向いた頬汗記者B  そのうしろには笑顔の観客たち

「こんな場内でいったいどんな芝居をやろうってんだ?」

「さあ 黒沼龍三のやることはさっぱりわからんよ」

 

真っ黒背景にバラの花篭  縁を点描でぼかしたモノローグ

(紫のバラのひと・・・)

(みていてくださいね) (あたしのジェーンを・・・)

 

中央にマヤ アップ (場所は楽屋)  その後方には一面の鏡の前でメイクを整える役者たち

(セリフも筋も変えないで・・・)

(もうひとつの『忘れられた荒野』・・・

 

柱言葉   黒沼のいう“生きた芝居”とは何か!? 

もうひとつの“忘れられた荒野”の舞台が、いま始まる─── !!        ・・・でした。

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

ふ〜〜〜っ  (^。^;)   おつかれさまでした。

今回は注釈の文字数が多すぎてセリフや場面の流れがわかりづらかったことと思います。

 

ここでまとめて解説するのは困難なくらい数多くの場面が細切れに再構成された為、あえて物語

の味わいは犠牲にして注釈部分に解説の多くを付記する形にしました。

 

なお、このコンテンツもいつも同様にコミックスでの採用コマを示す記号(○巻○p-○)が無いコマ

は絵もセリフもカットされているわけですから、相当なページ数がカットされているという事です。

 

今回は休載明けの増ページ(45p)でしたので個別のエピソード数がそもそも多く、しかもコミックス

編集の段階で選択的に再構成の上、32巻と33巻に振り分けされた部分も多いので、かつてない

ややこしさでありました。                               ・・・(ーー;)

 

むしろ、全編がカットされている方が注釈は少なくなるので記述が楽なのですが・・・(^o^;)

 

さて、この号の改稿のツボですが、ひとつは英介の来場場面を3日目にずらしてウエイトを軽めた

点でしょうか。 (これにより相対的に真澄のウエイトを強めたといえるのでは?) 

 

コミックスでは英介の来場は劇の人気が爆発した後に変更されたので、集客という点ではあまり

寄与していないのですが、連載時原稿では大いに「忘れられた荒野」の宣伝に貢献していたわけ

です。(本人がそれを望んでいたかどうかはともかくマヤの為にはなりました・・・^^;)

 

更に、注釈でも述べたように黒沼龍三の“生きた舞台”の発想をコミックスではかなり時間を遡って

伏線としている点と、屋台場面を新規加筆してこれも真澄の活躍を強化したという点でしょうか。

 

いまひとつは聖唐人と麻生舞の来場場面を連載時原稿における開演2日目から開演前日に

スライドした点ですね。

 

注釈でも触れた通り、これもマヤと真澄の孤独な境遇と互いの心の動きを鮮明にする為の配置

転換だと思います。

 

 

連載時原稿の展開では開演2日目の観客の入りは半分くらいなのですが、英介の来場と

それに気付いた記者の情報によって開演3日目に大物女優や俳優が続々と詰め掛けると

いった動きをとりますが、それでも客席は埋まっていません。

 

予算の無い芝居ですから、一般のお客さんが詰め掛ける程の宣伝は出来ていないという事で

あり、こちらの方がよりリアリティがありますね。

 

実は、連載時原稿の話運びでは英介の動きを聞いた亜弓を始めとして、同じく噂を聞きつけたで

あろうと思われる宇能重吉先生や八重草薫さんなどの劇評によって、徐々に観客が増えて行く

事が不完全な描写ながらも描かれていたのです。

 

コミックスでは、真澄の起こした『イサドラ』初日の波乱によって演劇協会の関係者や主催者

のフジミ社長までが開演2日目にやってきたことになり、併せて一般の観客も多数来場した

形の描写に変更しています。 (ストーリーの単純化)

 

つまり、真澄の活躍をコミックスではより強い波及効果があったように描写したという事です。

その分英介の貢献度が下がってしまったといえるでしょう。               ・・・(^o^;)

 

一方、この号の最後の方で描かれた、真澄と水城冴子の微妙なやり取りや心理描写は

6ページ全てがカットされてしまいました。

“水城冴子の事情”は「黒沼龍三登場編」や「野生の狼少女編」でも連載時原稿で描かれては

コミックスで捨てられているわけですから美内先生の中では余程魅力的なテーマなのでしょう。

もっともオフィシャルサイトでの冴子嬢本人へのインタビューでは“真澄様への想い”については

否定的な見解を述べていらっしゃいますので、真相は闇の中ですが・・・(^_^;)

 

 

このように、連載時原稿では細やかなカット割りで構成された、まるで映画のように複雑に展開

する多様なエピソード群が、コミックス編集の際に一塊のエピソードに集約されて単純な構造に

なっている事がお判り頂けるかと思います。

 

コミックスでは物語展開を真澄とマヤのエピソードに集中している為、英介や記者、冴子、

脇役の役者たちなどの薀蓄のあるエピソードが削り落とされているという事です。

 

まさに、物語の深い部分のリアリティを犠牲にして、直情的でかつ叙情的な再構成を行って

いらっしゃるというわけでございますわね。              (水城冴子女史 談)

 

この号の中程で黒沼龍三が役者たちに語った言葉に「きのうきょうとみんなに演じてもらった

『忘れられた荒野』は人間の思いあがり 人間社会への批判などを強調してオーソドックスな

舞台に仕上げてみた」というものがありますが、この“人間の思いあがり 人間社会への批判

などを強調して”という部分はのちに分離して行くのでカットの対象になったのでしょう。

 

さすがの美内先生もひとつのシナリオからセリフも筋も変えずにいくつもの芝居を生み出す

というプランには苦労なさったと思われます。                     ・・・(^0^;)

 

まだまだ、語るべき事は尽きませんが、今回はここまでに致します。

 

次回はいよいよ、あの月影先生の登場です。

コミックスでは32巻の“引き”になった為、前倒しで開演2日目に登場しましたが、実は彼女

と小野寺、紫織、理事長は連載時原稿では開演5日目に初来場するのです。    ・・・(^_^;)

(スタンダードな舞台を4日間上演した場合で5日目という事ですが2日目の終了後の黒沼龍三

 のセリフに「だがきょうの芝居はあと2日でおわりにする」というものがあるので、これはほぼ

 間違いのないところでしょう)            確かめに行く!? ・・・(^_^;)

 

オーソドックスな芝居が開演4日目までしか演じられなかったとすると 真澄 もとい、“紫のバラの

ひと”の好意による改装工事のおかげで入れ替えられた新品の客席はたったの4日間しか使わ

れなかったという事なのです・・・しかも初日は真澄ひとりだけしか・・・・・・^^;)

 

次回の更新がいつになるかはわかりませんが、お楽しみに    ;(^o^;;);;   ←滝汗

 

 

  解説

 

 

 

 

 

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!!     

                  ヽ( `Д´ )/

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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06/04/12 レイアウトの変更

06/04/12 新事実の追記二件と全体修正

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06/04/14 注釈の追記と情景描写の修正

06/04/17 内部リンクの追加

06/05/01 コンテンツ名変更

06/06/03 若干の注釈追記と微修正

06/06/16 若干の解説・注釈の追記と修正  

06/06/16 更新 記述の追記と修正 

06/06/16 解説・注釈の追記と記述の修正

06/06/16 解説・注釈の追記と記述の修正

                                  

                 

             

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