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読み始めたら止まらない ! 大河解説ロマン ガラスの改稿 狼少女ジェーン 14 紫のバラと万年筆編 |
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〜 ガラスのように もろく壊れやすいシナリオ ひとはみな素顔を隠して それをえがく 〜 |
第11章 紫の影 15 狼少女ジェーン 14 紫のバラと万年筆編 |
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2006/05/08 作成 06/06/03 更新 若干の追記と微修正 06/06/16 更新 若干の追記と微修正
これまでのあらすじ&本編の企図
『イサドラ!』開演初日に速水真澄の挑発によって迫真の演技を炸裂させた マヤの狼少女ぶりが演劇関係者たちに強く印象付けられた。
“紫のバラのひと”の仮面の影に本心を隠し、裏からマヤの後方支援をしてきた 真澄が突然派手な行動に出た意図はいったい何なのか !?
そして、今回から様々な伏線が収束する怒涛の展開が始まる。
まずは、紫のバラと万年筆のカットエピソードに秘められた真実の 解明からはじめたいと思います。 <(_ _)>
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花とゆめ1985年16号(連載215回)
カメラのフラッシュ 5個 バッ バッ バッ 音は3つですがフラッシュは5つです・・・(^_^;)
中央に頬汗マヤ 右にポカンとしたサクラコージ 左にむっつりした黒沼 後ろ一面にアシキャラ わい わい 「今度の舞台の抱負を語ってください! 黒沼さん」 「狼少女をやるってどんな気持ち? マヤちゃん」 わい 「ほかの仕事を断ってこれにかけているそうだけれど この芝居の魅力を話してくれる? 桜小路くん」 ──────────────────────────────────────── |
※アシスタントさんが描いたキャラ |
薄く頬汗で指をアゴに添えて思案顔のマヤの大アップ 横のコマと2コマまたぎ (どうしたんだろう・・・? なにかが変だ・・・) 同じコマ下部に黒沼龍三とそれを取り囲む記者たち 俯瞰 わい わい 「『忘れられた荒野』が芸術祭に参加できなくなったのは委員会の選考に なにか問題があったのではないかと噂されていますが どうお考えですか?」 わい
(『イサドラ!』の舞台の初日で速水さんと 大ゲンカしたことがきっかけでこんな騒ぎになるなんて・・・) 同じコマ下部にあせり汗の店員(アン)、婦長(バトリー夫人)、つるはし男(コルベール神父) とそれを囲む記者たち (記者たちは一様に笑顔) 「はじめて芝居をやる感想は?」 「いやあ そのう・・・」 発言者はつるはし男かも・・・(^_^;) わい
床の四つ足マヤと上着を振る真澄 (イメージカット) フラッシュモノローグ (くやしい・・・! あの男 絶対許さないわ !) このページのコマ割りは縦長の3コマです ──────────────────────────────────────── |
フキダシが3人の誰も指し示し ていないのではっきりとは判り ません・・・(^_^;) |
「それにしても『イサドラ!』の初日を祝う会でみせた あのきみの狼少女ぶりはすばらしかったね」 ハッ・・・と 顔を上げるマヤ はっ
細面の記者 メモを取りつつ・・・ (ミニドーナツ柄のシャツを着ている^^;) 「いやあ 鬼気迫るといった感じだった」 「いったいどんな芝居かと実に興味がわいたね」 「『イサドラ!』の初日の話題をすっかりさらってしまったよ」 バタバタ 駆け込んできた椰子の木柄のシャツの兄ちゃん 「黒沼先生 たいへんですよ!」
あせり汗で頬汗の椰子の木柄シャツの兄ちゃん 「芸術祭の実行委員会や審査員」 「それに主催者や全日本演劇協会の理事はじめ 幹部の人達に舞台の招待状を出しておいたのですが」 「その返事がきまして ほぼみなさん全員が出席してくださるそうです !」
びっくり顔の半身マヤ その後ろに口半開きの黒沼 さらに後ろにびっくりアシキャラ 「ええ!」 わーー ──────────────────────────────────────── |
頭にギザギザ模様があって、 さらに書き文字でも「はっ」と 書かれているので、こういう 表現になりました・・・(^_^;)
この時点の季節は真夏ですから みんなTシャツやアロハシャツを 着ています。 ・・・(^_^;) |
頬汗マヤの横顔なめて 頬汗震えのつるはし男 とアシキャラ(ストライプシャツ) 「そんな・・・」 「ほんとかよ おい」 「ど どうしようオレ うまく演れるかしらん・・・?」
サンバイザーをかぶった記者 俯瞰 「例の『イサドラ!』の初日の一件以来芸術祭側は 黒沼さんの芝居を無視できなくなったとみえますね」 「まあ これだけマスコミに騒がれりゃあ ムリもないが」
天井と壁 「委員会をはじめ審査員全員が観に来るということは『忘れられた荒野』が なんらかの形で芸術祭の賞の対象になるってわけだ」 「正式に芸術祭参加が認められないかぎり芸術祭賞は無理でも 全日本演劇協会賞の対象にはなるってわけだな」 「演劇協会賞って?」
空白コマ 「演劇協会員が選ぶ賞です」 「協会員って?」 「女優や男優 演出家 脚本家など協会に席を置く演劇のプロ達です」
ほんわか顔の記者 ギャグ顔でびっくりするストライプシャツとつるはし とアシキャラ 「ある意味では芸術祭賞よりむずかしいといわれていますよ」 「ひえええ」
にっこり顔の記者軽く手を上げて・・・ 後方には引き上げはじめる記者たち 「どうやらおもしろいことになりそうだ」 「また取材にきますよ 頑張ってください」
汗一滴の マヤ 「信じられない・・・ 芸術祭の審査員達が全員芝居を観にきてくれるなんて・・・」 ──────────────────────────────────────── |
このページはとにかく説明的な セリフが多いのでキャラが小さ く書かれていたり、空白コマや 背景のみのコマが多い・・・(^_^;) |
黒沼龍三の後ろ頭 振り返るマヤ 「災い転じて福となす・・・か」 「黒沼先生」
真っ黒バックに真っ白黒沼の横顔 「どうだ北島」 「おまえはまだあの大都の若社長をうらんでいるのか?」
頬汗マヤのうつむきアップ もやもや背景 「もちろんです・・・! あの人はあたしがじゃまなんです」 「昔っからあたしや月影先生にひどいことばかり・・・ !」 「『イサドラ!』のロビーでのできごと・・・ あたし一生忘れません・・・ !」
ポン マヤの肩を叩く手
黒沼の無表情な横顔 ふと・・・それを見上げるマヤ 「あの男は悪いやつじゃないよ 北島」 「手段はどうあれあの男のおかげで我々の芝居が注目されていることはたしかだ」 「おまえはどう思っているかしらんがなんの考えもなくあんなことをするやつじゃない」
黒沼 アオリ 「もっとも彼がなぜ我々に味方してくれるのかわからんが・・・」
真っ黒バックに真っ白きょとんマヤ ベタフラッシュモノローグ (え・・・?) ──────────────────────────────────────── |
コミックスでは黒沼は真澄と屋台 で接触し、『イサドラ !』初日の マヤとの対決の意図を確認の 上で芝居の演出を幾通りも作り 出すという流れですが、連載時 原稿の成り行きは屋台での 触れ合いという接触は無いので あくまで黒沼龍三個人が受けた 印象としてマヤにアドバイスした 格好になります。・・・(^_^;) |
立ち尽くす真っ白マヤ 画面奥へ歩み去る真っ白黒沼 べたフラッシュモノローグ (黒沼先生・・・!)
青筋頬汗の真っ白マヤ アップ 2コマまたぎ (あたし達に味方ですって!? あの男が・・・ !?)
(そんな・・・!) (なにをいっているの 黒沼先生は・・・!)
立派な調度品のある部屋に立つ青筋頬汗まどか 左こぶしを握り怒りながら 「芸術祭の審査員達全員が舞台の招待に応じるですって !?」 「そんなバカな・・・!」
頬汗藤本 眉間にしわを寄せてうつむき加減 右手のタバコから紫煙がゆらめく・・・ 「まったくだ 芸術祭不参加の作品が他の参加作品よりも話題になっている・・・」 「信じられん・・・」 ──────────────────────────────────────── |
まどかと藤本はコミックス31巻 では既にストーリーの軸ではなく なっているのでこの場面はカット されました・・・(^_^;) |
額汗こめかみ汗で唇を噛む青筋薄白目のまどか 真っ黒背景に網掛け顔でうつむく顔に右手を添えた大アップ 「そんなバカな・・・!」
Cafe de えりか の入り口の外観
小首をかしげた水城冴子 前頭葉に多方位放射線 32巻44p-3 縮小して採用 ※ 「あなたが わざわざわたしを呼びだすなんてなんの用事なのかしら?」 セリフも変更 「マヤちゃん」
テーブルの上 封筒を差し出す手 44p-2 * 「こんどの芝居の招待状が2枚はいっています」 「速水さんに渡してください」 「前に約束していましたから」
※連載時原稿では冴子のウエストまであった。 「どうして本人に直接渡さないの?」に変更 *セリフに「水城さん」という呼びかけを追加し、「2枚」というのを削除している。 (コミックス31巻25p-4 でも「紫織の分と2枚送る」と言っているのだが・・・・・・(?_?)・・・) 考えられるのは、「忘れられた荒野」上演初日に雨月会館に来るのは真澄一人なので、読者が コミックスのこの場面で紫織の分のチケットを想起するような表現を避けたということでしょう。 (マヤと真澄のドラマと今後の伏線としての開演初日の役割をストーリー展開の中心にするのに 当たって、この時期のコミックスで紫織が同席するプランは邪魔になったという事かと・・・(^_^;)・・) ──────────────────────────────────────── |
この場面のセリフの流れは大筋 でコミックス44pからの展開と同じ ですが、上のページでの黒沼と マヤの会話がカットされているの で、おそらくその分の補完の為に 真澄の行動の結果、業界の注目 を集めたという事実に川原で思い を巡らせているマヤの描写を, 44p-1のコマで新たに描いたと いう事なのでしょう・・・(^_^;)
←やや強引に紫織の印象を薄め ていると思うのですが・・・(^_^;) |
テーブルを挟んで右に冴子、左に汗一滴マヤ 45p-1 ※ 「どうして本人に直接渡さないの?」 「あたし速水さんに会いたくないんです」 「顔もみたくありませんから・・・・・・!」
天井 「『イサドラ!』の初日のロビーでの一件きいたわ」 「まだ怒っているの」 「あたりまえです!」
コーヒーカップに口をつけた水城冴子の横顔 45p-3に似ているが違う絵 「雑誌をみたわ 上演前からたいへんな注目のされようね」 「ロビーでの一件がなければこんなことにならなかったでしょうね」
頬汗マヤ もやもや背景 「速水さんはあなたに恥をかかせたつもりだったんでしょうけど」 ← あたし の誤植 「偶然にも災い転じて福となっただけです」
ふと・・・顔を上げる水城 (眼鏡の中に眼が描かれている) 「偶然?」
顔を上げて笑う水城 ハッとするマヤ(右手にパフェのバナナを刺したフォークをもっている) 「オホホホ・・・」 「水城さん・・・?」 ──────────────────────────────────────── |
※絵もフキダシもまったく同じだが セリフはすべて書き換えている。
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ややうつむき加減で上目の冴子 ややアップ 真っ黒バック 45p-4 ★ 「本当にそう思っているの? 救いようのないおバカさんね」
マヤ ふと・・・ 45p-2 * 「水城さん・・・」
コーヒーを口に寄せる冴子の横顔 ふと・・・手を止めるマヤ 45p-3 ☆ 「真澄様は結果を考えないで動く方ではないわ」 「先のことはお見通しだったはずよ」
汗一滴マヤの横顔アップ もやもや背景 「水城さん・・・!」 「どういう・・・ それはどういう意味ですか?」 「それじゃ速水さんがはじめからこうなるのをわかって ロビーであたしにケンカをふっかけたとでもいうんですか・・・?」
カップとソーサーを持つ冴子の手元 (左ひざの上あたりで保持している) 「もしそうだとしたら?」
頬汗眉間しわの震えマヤ もやもや背景 「信じられません!」 「あの人がどうしてなんの理由もなく あたし達の芝居のためにそんなことをしてくれるんですか?」 「わかりません・・・!」
フ・・・ 頭を振りため息を漏らす汗2滴冴子
★この絵は冴子の顔の部分しか無いのだが、コミックスでは横幅いっぱいの大きさのコマに 拡大している。(本来は左目の目尻から右眼鏡のフレームまでしか描かれていなかった) 眼鏡の左フレームの上の髪の位置にはフキダシがあった。(コミックスでは髪の線の流れを 途中から描き足したので上の方の線の太さが違っている・・・(^_^;)・・・) コーヒーカップは加筆。
*同じ絵だがマヤの前のパフェグラスだけを描き直している。 (連載時原稿では丸底のグラスだったが逆三角形の方が適切なので修正した模様) 少しコマの幅を広げてマヤの左腕からひじのラインの端っこの描線を加筆している。 またセリフは「え?」に変更している。
☆同じ絵だがコーヒーカップの底を四角く描き直している。(連載時原稿では丸みを帯びていた) パフェのフルーツを増量している。(連載時原稿ではグラスから覗くのはバナナばかりだった) また、背景は連載時原稿では何もなかったがコミックスでは店の壁面を加筆している。 コマの横幅は拡大し、マヤと冴子の位置関係は両者の幅をやや広く取ってている。 冴子の右手は描き直し、マヤの右ひじは加筆。(マヤの位置を僅かに上にスライドしている為) 上の項目*もそうだがこの修正は45p-1※のコマと同じインテリアで同じグラス・カップデザインに 統一するのが目的らしい。 (連載時原稿では小物のデザインが不統一だった) セリフは連載時原稿とコミックスでは展開が違うのでかなり変更になっている。
結論:冴子とマヤを切り取って位置をずらし、背景を加え、備品を修正してセリフを変更し採用。 ・・・(^0^;) ──────────────────────────────────────── |
こういう場合の汗○滴とは空中 に描かれた汗の事です・・・(^_^;) |
右手前に伝票を持って立ち上がった冴子 奥にマヤ ふと・・・ 46p-4 * カタン 「わからなければしかたないわね」
立ち去りつつ振り返る冴子 46p-5 「理由は自分で考えてごらんなさい」 「真実がみえてくるかもしれないわ」
右奥にレジの女性 自動ドアを出る冴子 左手前に汗一滴でボーっと見送る頬汗マヤ 「毎度ありがとうございました」 (水城さん)
もやもや背景の空白コマ (わからないわ どういうことなの・・・?) (黒沼先生も速水さんがあたし達の味方をしてくれているようなことをいっていた・・・) (そんなバカな・・・!) ←ここからフラッシュモノローグ (なぜあの冷血漢がそんなことを・・・!)
床に立つマヤの足元 (でも もし黒沼先生や水城さんのいうことが本当だとしたら) (なぜ速水さんがあたし達のために・・・?) ──────────────────────────────────────── |
*連載時原稿では冴子のアゴの 位置まで描かれていた。・・・(^_^;)
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口元に手を当てたマヤの大アップ 顔に網掛け 47p-1より正面向きに近い絵 * (あたしのために・・・?)
佇む青筋頬汗マヤ バックに真澄のイメージカット大アップ 47p-2 ☆ (まさかそんな・・・!) (そんなバカな・・・!)
*「あたし達のために」ではなく「あたしのために・・・」と、より踏み込んでいるせいかコミックス での表情より疑問の度合いが低く、むしろ何かに思い当たった感じに近い疑問の表情です。
☆連載時原稿ではマヤの髪は塗っていないが、コミックスでは髪にベタを施している。(絵は同じ)
セリフはどちらのコマも変更になっています。 ──────────────────────────────────────── |
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近代美術館 の入り口の外観
「・・・になっていますわね」 ふと・・・見る真澄 「え?」
右手前に汗一滴の紫織の横顔 奥に真澄 「あの少女の芝居が話題になっていると申しあげたのですわ」 「ほら 『イサドラ!』の初日のロビーであなたがお相手をしていたあの少女の芝居ですわ」 「ああ そのことでしたか」
紫織の横顔 その向こうに真澄の横顔 (顔を左に向けて並んでいる) 「あの日以来急に注目をされるようになったとか・・・」 「そのようですね」
壁面の大きな絵画 その前に他の客3名 「あ ほらごらんなさい これですよ『紅椿』は」 ──────────────────────────────────────── |
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真澄 後ろについて歩く紫織 「ごらんになりたかったのでしょう この画家の中でも特に有名な作品ですからね」 「光をあびて椿が虹色に輝いている・・・」
真澄のアップ 「見事な椿だそうですが ぼくにはそのよさはわかりません」 「そういうことに関心をもたずに育ちましたから」
汗一滴の紫織のアップ 「すてきな絵ですわ」
絵を見上げる真澄の横顔 奥に真澄の様子を窺う紫織 (真澄さま・・・) (どういうことなのですか・・・?) (別荘でみかけたあの少女の舞台写真のアルバム・・・) ──────────────────────────────────────── |
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開いたアルバム 俯瞰 (『イサドラ!』の劇場のロビーであなたらしくもなく邪険な扱いをなさった少女のアルバムが なぜ あなたの別荘の書棚の奥にまるで隠すようにしのばせてあるのですか・・・?)
口元に人差し指をあてた紫織 その背後に真澄の表情のアップのイメージカット アオリ (なぜあなたがあの少女のアルバムをおもちなのですか?) (あの少女とあなたの間をつないでいるのはいったいどんな糸なのですか?) (わたくしにはみえないその糸がなぜか心を不安にさせるのです) (真澄さま・・・) ──────────────────────────────────────── |
このページはセリフが少ないのを 見ても明らかなようにかなり大きな コマ割りですから当然キャラの絵はそれなりに大きいものです・・(^_^;) |
雨月会館の外観 強いアオリ 上空にお日様が輝いている
奥の入り口のガラス扉を押し開くマヤ 左手前に床磨き中の掃除のおじさん、 「おはようございます」 「おや 日曜だというのに早いね」 「きょうの稽古は一番のりだね わしも今きたところだ」
「掃除がすむまではじゃませんでくれ」 二階への階段のドアを開きつつ振り返って返事をするマヤ 「はあい」
手すりに右手を添えて軽やかに階段を上がるマヤ の後ろ姿 トン トン
ロッカールームで着替え始めるマヤ
右手にドアを開けるマヤの横顔のアップ 右手のドアから出てきた稽古着のサクラコージ 「あ・・・!」 カチャ 「やあ」 ──────────────────────────────────────── |
どうでもいい話ですが、おじさん のシャツの模様は太目の縦じま のストライプです・・・(^_^;)
このドアは横にスライドするタイプ
サクラコージの稽古着は白い Tシャツに重ねて着た「67」の 数字がプリントされている タンクトップです。・・・(^_^;) |
マヤ 汗一滴 ややアップ 「おはよう桜小路・・・」 「ううん スチュワート」
微笑のサクラコージ ややアップ 「早いんだね ジェーン」
階段を下りる二人のシルエット 俯瞰 「もうすぐ初日だね」 「うん」
右手前に白目の網掛けサクラコージのアップ 奥にマヤ ふと・・・ 「やっとこんな日がきたんだね」 「マヤちゃん」 「え?」
壁につく左手 タン ──────────────────────────────────────── |
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半開きの扉から劇場の中を見る掃除のおじさん 「おや?」
客席に人影 (シルエット)
人影のクローズアップ (前列から6列目中央座席に座っている)
頬汗震えマヤ もやもや背景 「あの・・・あの桜小路くん あたしも昔の夢がかなってうれしいと思ってるわ」 「昔のままだったらきっと・・・」 「でも今は・・・」
薄目のマヤ 口元に手を結んで・・・ 放射線背景 「今桜小路くんと共演したがっているのは舞さんよ」 「昔のあたしみたいに・・・」
額に巨大びっくりマークのサクラコージ 大アップ 同じコマで右手に階下の頬汗サクラコージ 左手にマヤの後ろ頭 (マヤちゃん・・・!) ← フラッシュモノローグ ──────────────────────────────────────── |
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右手前に背中越しの頬汗サクラコージ横顔アップ 奥に頬汗震えマヤ もやもや背景 「舞・・・」 「そうよ 桜小路くん・・・」
青筋頬汗震えマヤ もやもや背景 「あたしはジェーンよ」 「昔のマヤじゃないわ」 「あなたはスチュワート」 「舞台の上ではライバルよ・・・」
サクラコージの横を駆け抜ける頬汗マヤ 逃げるように汗二滴 「先に稽古してるわね・・・」 ダダダ
奥のロビーに掃除のおじさん 左手前にドアを開ける頬汗マヤ ハッと・・・ 「おや? あんた達こんな所にいたのかい」 「場内に誰か人がいたみたいだけど」 キイ 「え?」 ──────────────────────────────────────── |
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観音開きの扉
場内の様子 「おや? 誰もいない」 「おかしいなァ ついさっきまであのあたりに人がいたんだが・・・」
頭を掻きつつ弱り顔のおじさん汗一滴で指差す 隣に居るマヤ ふと気づく・・・ 「おかしいな あのあたりの席に座ってたんだが」
ずらっと並んだ座席のひとつにバラの花一輪 (全体に網掛けでそこだけ白抜き)
そのバラのアップ 八方放射の光 「紫のバラ・・・!」 ──────────────────────────────────────── |
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赤みの差す頬汗震えマヤ アップ 「紫のバラのひと・・・」
手前に座席上のバラの花一輪 周囲に八方放射の光が4つ 奥の通路に口押さえ顔赤マヤ汗一滴 隣にサクラコージ もやもや背景 「きたんだわここへ あのひとが・・・」
座席に手の平で触る頬汗マヤ 汗一滴 「まだあたたかい・・・」 「今までここに座っていたんだわ・・・」
奥の大扉に人影が動く サッ
カッカッカッ ハッと・・・顔を上げる頬汗マヤ
叫ぶ額汗頬汗マヤ 「まって・・・!」 「まってください 紫のバラのひと」 ──────────────────────────────────────── |
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ロビーに駆け出た頬汗マヤ バタン ブロロロロ
エントランスのガラス越しに走り出す車 右手にそれを見るマヤの横顔 (あれだわ・・・!) (あの車・・・!) ブロロロ・・
バケツにつまずいて転ぶマヤ 「きゃっ!」 ガラン バタッ
ガラスドアを開けて右腕を差し伸ばす頬汗マヤ 放射線背景 「まって・・・!」 「まってください 紫のバラのひと・・・!」 ──────────────────────────────────────── |
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奥に入り口のガラスドアを開きつつ手を伸ばすひざ立ちのマヤ 左手前に走る車の屋根 「まってください・・・!」 ブロロロ
涙ぐむ真っ白マヤの表情のアップ 「まって・・・!」
へたり込むマヤのうなだれた後ろ姿 隣に立つサクラコージ をなめて向こうに走り去る車 ブロロロロ・・ 背景は林立するビル ──────────────────────────────────────── |
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床についた マヤの震える両腕 汗一滴 「いってしまった・・・」 「こんどこそ会えるかと思ってたのに・・・」 「一目でも」 「せめて一目でも・・・」
座席に戻ったマヤ (紫のバラのひと・・・・・・)
バラを取り上げたマヤ ふと・・・ 「あら?」
座席の下に黒い棒状のもの 小さく八方放射の光 「万年筆・・・!」
掃除のおじさん 左手前に万年筆を手にして見詰めるマヤ 放射線背景 「いまのひとのおとしものだね」 「きのう掃除したときはなにもなかったから」 「紫のバラのひとの・・・!」 ──────────────────────────────────────── |
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きらきら輝く万年筆のアップ 濃い目のトーンの中心を白抜きの背景
頬汗震えのうれしげマヤ 「こんな万年筆を使っているの・・・」 「紫のバラのひとがこれを・・・」
眼を閉じて胸に万年筆を握り締めるマヤ 「これを・・・」 ギュ
真っ黒背景に白目の真っ白サクラコージ
また座席のシートを触る手 (あたたかみが残る・・・)
跪いて座席に両手を添える頬汗のうれしげ震えマヤ 汗一滴 「ここに座っていらしたんですね・・・ 紫のバラのひと・・・」 「あなたがここに・・・」 ──────────────────────────────────────── |
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青筋白目のサクラコージ アップ ベタフラッシュ背景
眼を閉じて座席に右頬をつける微笑みマヤ アップ 周囲に八方放射の光に点描円3つ
座席に顔をつけたマヤ なめて後方に立つ青筋白目のサクラコージ もやもや背景 (マヤちゃん) (きみは・・・) ──────────────────────────────────────── |
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雨月会館正面の外観 アオリ 「よし! きょうの稽古はここまで!」 パン 「なにかききたいことは?」
つるはし男 後方には雑魚キャラ多数 「あの先生」 「芝居の大道具はどうするんですか?」 「大道具をつくる予算がないとききましたが・・・」
自分の頭を指差す微笑黒沼 「大丈夫だ 舞台のセットはちゃんと組み立ててある」 「ここにな」
天井 「大道具の用意はできている」 「みんなついてきてくれ」
右手前にコンクリートブロック 左奥に古タイヤ その向こうに小屋のある敷地 ──────────────────────────────────────── |
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右手に額に手をかざすバイク男(ウォルター記者役の) 中央手前にマヤ 汗一滴 左手にやや奥に腰に手を当てた黒沼 その後ろにガラクタの山 さらに後方に雑魚キャラ 「先生 いったいどこに大道具の用意があるんですか?」
真っ黒バックに真っ白微笑み黒沼 眼鏡の中に穏やかな目 頭の右に八方放射の光 「ここだよ」 「ここにあるすべてのものだ」
このページの柱に8月19日コミックス31巻の発売の告知あり ──────────────────────────────────────── |
この号は8月5日発売です・・・(^_^;) |
ガラクタの山 「ええーっ! ここにあるものが舞台の大道具・・・?」
奥に黒沼 右手前に頬汗店員(アン) 左奥に助手らしき雑魚キャラ 左手前に頬汗マヤ アップ 「そうだ」 「黒沼先生・・・」
柱言葉 ロビーでの事件をきっかけに、注目されはじめた「忘れられた荒野」。 開演まで、あと、わずかだ!! ・・・でした。
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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ この号で描かれた内容はググッと圧縮してエッセンスのみがコミックスに収録された感じですね。
冒頭の記者が取材に来る場面は32巻33pと34pに展開が短くなるようにセリフ全体の流れを整理 して絵をすべて描き直しの上で収録しています。
連載時原稿での展開ではこの時点でも円城寺まどかと藤本はマヤと黒沼龍三コンビとの対立軸 となる存在ですからここでも少し顔を出しています。
連載時原稿の展開では黒沼龍三が真澄の行動の結果を示してマヤに示唆を与えますが、この 部分はコミックスの展開では黒沼と真澄の屋台-みつる-での触れ合いに変更されました。 しかし、この屋台エピソードでの真澄と黒沼の接触場面の元ネタは狼少女ジェーン 稽古編で 描かれたものですから随分前の伏線を持ち出してアレンジを加え、さらに新たな伏線を追加して 再構成したという事ですね。
マヤと水城冴子との喫茶店での会話場面は話の内容はほぼ同じですが、細かく修正して全体 として短縮しています。
真澄と紫織の美術館デートのエピソードはコミックスではカットされました。 ここで、紫織が真澄の別荘で見たアルバムの件に思いを巡らせていますが、コミックスではこの 部分の心理描写は63pからのベランダでの真澄との会話場面に変更したということでしょう。
マヤとサクラコージの雨月会館での稽古前の心理描写や紫のバラのひととのすれ違い描写は カットされました。 この場面全体の流れは少し無理のある筋運びですが、何の前触れも無く真澄が登場するのは 以前から度々あったこどであり、大きな伏線が張られる予定だったものと思います。
しかし、コミックスでは結局この一連の展開そのものが捨て去られてしまいます。
ここで、“紫のバラのひとが落とした万年筆”というアイテムが出てきますが、これはこの後長い 間放っておかれる伏線で、コミックス34巻になってからマヤの母、春の墓参に来た真澄が“紫の バラの花束を供えて帰った後に落ちていた万年筆”として描き直されます。
落とす場所は異なりますがシチュエーションはそっくりで、大きく異なるのは連載時のマヤは 紫のバラのひとの正体にはまったく気付いておらず、走り去る車の人物も確認していませんが 、コミックスでは“青いスカーフ”の一件で既に紫のバラのひとが真澄だと気付いた後の出来事 であり、急いで後を追ったマヤが車に乗り込む真澄を自分の目で確認しています。
一旦は捨てた伏線ですが、後になって真澄の正体を確認する小道具としての演出効果を求めて 改めて復活させたエピソードといえるのでは?
紫のバラのひとが座っていた座席のシートに頬を擦り付けてうっとりするマヤと、その姿を見て 白目になるサクラコージの心理描写がここで描かれたのは、真澄とサクラコージのマヤを巡る トライアングルの伏線を改めて構成する意図があったと思います。
この時点ではマヤにもサクラコージにも“紫のバラのひと”の正体はナゾのままですから、真澄 自身がサクラコージの嫉妬の対象にはなっていませんが、読者にはそれが判っているわけです からドキドキする展開だと思います。
マヤが紫のバラのひとの正体に気付く為の小道具としての万年筆はシチュエーションを変えて 持ち出された際に、この号で描かれた“紫のバラ”とセットで復活した為、かえって真澄の行動 が破綻するのですが、それはまたそのときに述べましょう。
結局、コミックスではこの一連の場面はカットされたので、こうした伏線も消え去ったのですが、 今までの例でもあるように形を変えてかなり後の方で転用されるエピソードもあるのでまだまだ 油断はできません・・・ ・・・(^0^;)
黒沼龍三の指揮のもと、廃材置き場の空き地に赴く場面はこの号の“引き”になっており、また 次号の前半にも描かれますが、これも全体として短縮されます。 コミックスでは次号の絵が一部生かされる事になります。
連載時原稿での展開とコミックスでの展開を比較するにあたって、ややこしいのはコミックスでの 過去の改稿がどの程度連載時原稿に影響を与えているのかが判然としない点にあります。
この号の発売時点ではコミックス31巻もまだ発売されていない事が柱の記事で明らかですから、 当然ながら32巻の改稿の分に関してはもっと後の連載時原稿にその解を求めなくてはならず、 現時点では断定的な結論は出せません。
また、逆に28巻以降の改稿の影響はこの時期の連載時原稿には影を落としていると思われる ので、各キャラクターの台詞回しや行動に多少の変化はあると思うのですが、なぜか連載時原稿 とコミックスとはそれぞれ独立した作品であるかのように平行して進んでいます。
この「紫の影の章」の物語はこれまでのところ筋立てそのものには大幅変更は無いので、連載時 原稿のまま出版していてもストーリーは27巻から自然につながるはずです。
細かいエピソードを取捨選択しながら全体に修正を加えつつも『イサドラ !』公演初日の「ロビー の波乱」などの今後重要な伏線になるエピソードは加筆して膨らませ、一方でかなりの原稿を 削除していますが基本的な筋運びは変わっていないので、結局「ふたりの王女」のときの改稿 とは違いストーリーの短縮が主目的のようです。
次回は真澄と英介の会話からはじまり、その後の真澄の心情が読者に洩らされた場面と、真澄 がマヤへ電話で気持ちを語る部分のカットエピソードが中心になります。
いよいよ、ガラスの改稿は核心に迫るのでしょうか? お楽しみに。 今回はこれにて、 ごきげんよう。 (^_^)/~
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別ウインドウで開きます
聖唐人が真澄の別荘から車で 大急ぎで逃げる場面です・・・(^_^;)
萌え語り板で私のカキコを細かく チェックしていた方は既にこの説 をご存知だと思いますが・・(^o^;)
連載時原稿にも矛盾点はあるので多少の編集は必要ですが・・・(^_^;)
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最終更新日と更新内容 |
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改稿 ・ 未刊行解説以外の ペ │ ジ も い ろいろ あ る よ !
見 て ね !
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第11章 紫の影 4 狼少女ジェーン 3 通し稽古編 1 へ 第11章 紫の影 5 狼少女ジェーン 4 通し稽古編 2 へ 第11章 紫の影 7 狼少女ジェーン 6 ミルキーウエイ編へ 第11章 紫の影 8 狼少女ジェーン 7 速水真澄の陰謀編へ 第11章 紫の影 9 狼少女ジェーン 8 姫川亜弓の活躍編へ 第11章 紫の影 10 狼少女ジェーン 9 速水英介の思惑編へ 第11章 紫の影 11 狼少女ジェーン 10 野生の狼少女編へ 第11章 紫の影 12 狼少女ジェーン 11 『イサドラ!』の楽屋編へ 第11章 紫の影 13 狼少女ジェーン 12 ロビーの波乱前編へ 第11章 紫の影 14 狼少女ジェーン 13 ロビーの波乱後編へ 第11章 紫の影 15 狼少女ジェーン 14 紫のバラと万年筆編へ 第11章 紫の影 16 狼少女ジェーン 15 開演前日の風雲編へ 第11章 紫の影 17 狼少女ジェーン 16 嵐の開演初日編 1へ 第11章 紫の影 18 狼少女ジェーン 17 嵐の開演初日編 2へ 第11章 紫の影 19 狼少女ジェーン 18 嵐の開演初日編 3へ 第11章 紫の影 20 狼少女ジェーン 19 嵐の開演初日編 4へ 第11章 紫の影 謎の番外編 ─ガラスの仮面通信─ 1〜6へ 第11章 紫の影 21 狼少女ジェーン 20 上演2、3日目編 へ かぜのキャラクター紹介のページへ キャラのイラスト募集中 !! |
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12/02/22 コンテンツ全体の修正 06/04/13 背景とレイアウトの変更
06/04/29 「 キエカナ」 へのリンク追加 06/05/08 屋台場面の注釈を追記 06/04/12 背景とレイアウトの変更 06/04/06 画像のレイアウト変更 06/04/12 記述の追加とレイアウトの修正 06/05/01 「 キエカナ」 へのリンク追加 06/04/12 レイアウトの変更 06/04/12 新事実の追記二件と全体修正 06/04/17 内部リンクの追加 06/04/14 注釈の追記と情景描写の修正 06/04/17 内部リンクの追加 06/05/01 コンテンツ名変更 06/06/03 若干の注釈追記と微修正 06/06/16 若干の解説・注釈の追記と修正 06/06/16 更新 記述の追記と修正 06/06/16 解説・注釈の追記と記述の修正 06/06/16 解説・注釈の追記と記述の修正
06/08/28 追記と修正 12/01/13 更新 記事の追記 06/06/07 カラーも含む画像2枚 up
新コンテンツ作成ごとに随時更新中 必要に応じて随時加筆 2012/02/21 新規サイトを仲間に追加 (^^) ついに作家デビュー !! 作家デビュー2作目 !! 最新のコンテンツ |