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読み始めたら止まらない ! 大河解説ロマン ガラスの改稿 狼少女ジェーン 19 嵐の開演初日編 4 |
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〜 ガラスのように もろく壊れやすいシナリオ ひとはみな素顔を隠して それをえがく 〜 |
第11章 紫の影 20 狼少女ジェーン 19 嵐の開演初日編 4 |
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2006/07/24 作成
あらすじ
「忘れられた荒野」の嵐の真っ只中の開演初日はただ一人の観客、 速水真澄の見詰める中、いよいよ佳境へと差し掛かった。
スチュワートの訓練によってジェーンの意識が人間のそれに目覚めようとする中 サクラコージの意識は真澄の視線がマヤのみに向いている事に一抹の不安を 覚え、それは徐々に昂じて行くのだった・・・
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花とゆめ1985年21号(連載220回)
見開き眼の真澄のアップ 顔に陰影 真っ黒背景にベタフラッシュモノローグ 32巻139p-1 ※ (なに・・・!?)
ジェーンを抱きしめるスチュワート 放射線背景 138p-3 * 「わかったんだね ジェーン!」 「わかったんだね」 「そうだよ きみは人間なんだよ!」 「ぼくと同じ人間の仲間なんだ!」
※背景のベタは取り消してモノローグを削除し巨大びっくりマークを加筆して採用。 コマの横幅を半分にしているので真澄の絵も縮小しています・・・(^_^;) *セリフを「ジェーン」の一言のみにして放射線の濃度を増やした上で採用。 (コマの順番もコミックスでは前後しています・・・^^;) この号にはあらすじ紹介のコーナーがないのでこのページは上下2段のコマ割りです。 ──────────────────────────────────────── |
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落ち着いた見開き眼のジェーンのアップ 楕円の点描が斜めに漂っている感じの背景 ・・・(^_^;)?
頬汗と汗一滴の女性スタッフ2名 その後ろにカオナシ2名 背景は垂れ幕やコード類 「こここんな演技じゃなかったわよね」 「でも稽古のときよりずっと感動的だわ」 「なんだか桜小路くんスチュワートにのめりこんでるみたい・・・」
左手の袖口の垂れ幕に頬汗黒沼龍三 「ん・・・む」
客席の真澄 周囲は客席 俯瞰のロング 真澄だけ白抜きで全体にスクリーントーン ※ 「いってごらん スチュワートともう一度・・・!」
頬汗真澄 ややアオリ気味でややアップ 少し薄目で唇は結んでいる 髪と襟元に水滴 「よんでおくれ ぼくの名を・・・!」 握ったスカーフを見ながら叫ぶ頬汗ジェーン 奥に笑顔の立て膝スチュワート 汗一滴 「スチュワァァ・・・ ! 」 「そうだよ! それがスチュワートの匂いだ」 「ぼくの匂いだ」 「スチュワァァ」
※このコマの真澄の座席の一列前の席にはコートが掛かっています。 しかし位置は真澄の 真ん前の席なので間違っています。 (本来は右斜め前の席に掛けられました) 座席の大きさの比率も遠近感がおかしいのでこのコマの絵は適当に描いた模様です・・・(^_^;) ──────────────────────────────────────── |
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不思議そうな表情でスカーフの匂いを激しく嗅ぐジェーン クン クン
天井のスポットライト 「ジェエエーエ」 「ジェーエエ」 「そうだよジェーン それがきみだ!」 「わかったかいジェーン きみは狼の仲間なんかじゃない」 「人間だ・・・」
右手前に頬汗真澄の横顔大アップ 奥の舞台上にスポットの当たるスチュワートとジェーン 「きみは人間なんだ」 32巻139p-3
上のコマの下部にカットインして震える真澄の右手のアップ 139p-4
コミックスでのこのページ2コマ目のジェーンとスチュワートのアップは加筆です・・・(^_^;) また、コミックスではこの次のページに真澄の行動を聞いて疑惑を覚える紫織の場面があります が、連載時原稿ではそれは前回での描写でした。 ──────────────────────────────────────── |
カットインという表現が適切か どうかは検討中です・・・(^_^;) ご意見があればお寄せ下さい。 |
舞台中央でスポットの中に立つスチュワートの後ろ姿の立ち姿 奥の客席にシルエットの真澄 「ぼくの青いスカーフがジェーンを人間に 目覚めさせるきっかけになるとは思ってもみませんでした」 「ぼくの匂い・・・」 「ジェーンはそれが“スチュワート”であると悟ったのです」
スチュワートの左目のアップ (顔は左向き・・・^^;) 「自分の匂い・・・」 「それが“ジェーン”であると悟ったのです」
やや驚いた表情の真澄 放射線背景 はっ
スチュワートの厳しい表情 もやもや背景 「そしてそれまではただ不思議そうにながめていた 鏡の中の自分の姿が狼の仲間のものではなく」 「ぼくと同じ姿をしていることに気づいたのです」
スチュワートの厳しい目元のアップ 左の目尻に八方放射の光
頬汗真澄 ややアオリ気味でややアップ 真っ黒背景にベタフラッシュモノローグ (なんだ・・・! スチュワートの射るようなこの視線は・・・ !) (なんだかおれに挑戦でもしているような目だ・・・ !) ──────────────────────────────────────── |
このページのように本文内の注釈にコミックスでの採用コマを示す 記号や記述が全く無い場合は、 改稿の結果この時に描かれた 絵はすべてボツになったという事 です。 セリフは絵を描き換えて採用される 事もあるので注意が必要ですが、 このページの場合は「サクラコージ VS真澄」という要素が強い為全面 的にカットされました。 ・・・(^_^;) |
ボーッとした表情で歩くジェーン 多重描写コマ・・・(^_^;) 32巻120p-1※ ヒョコ ヒョコ 笑顔のスチュワートの横顔アップ 「さ! おいでジェーン ぼくの所まで・・・ !」 「そう うまいよ!」 言葉を教えるスチュワートとタイヤの椅子に腰掛けたジェーン 「プリーズ !」 「人にものを頼むときはこういうんだ」 ブーー ブーー 「さ! いってごらん」 「プリーズ!」
嬉しげなスチュワートと少し呆れ顔のエレン 俯瞰 放射線背景 「エレン! ジェーンはあれ以来訓練をいやがらなくなったんだ」 「上達がはやいんだ 家中の廊下を2足歩行できるようになったんだよ」 「それに言葉を5つも覚えた」 「問題は意味を理解しているかどうかだが・・・」
左手舞台上のビクトール男爵 後方周囲のソファの後ろにしゃがんだ人影数名 俯瞰 「ははは とんだお茶会だ」 「これできみの学説がまちがっていたことが証明されたわけだ スチュワートくん」 うーー がるる 「みなさんもこれでおわかりでしょう」 「この少女は洋服を着た狼です」
※コミックスでは1番目のシーンのジェーンの服に汚れを加筆し、2番目のシーンのスチュワート のセリフをやや変更し、3番目のシーンをよちよちと歩くジェーンとそれを呼ぶスチュワートの場面 に描き替えています。 コミックスで加筆された停電のエピソードはジェーンが歩く場面を盛り上がりの中心に据えている ので、このカットを採用はしたもののそれに合わせて少し変更したという事ですね・・・(^_^;) しかし、ここでカットされた3番目のジェーンの表情はかなり味があったのですが・・・(^o^;) ──────────────────────────────────────── |
これはジェーンの発声です(^_^;)
スチュワートとジェーンは舞台 中央から右寄りの場所に居ると 思われます。 このコマではジェ ーンのうなり声 の方向を示す線が描かれている だけなのではっきりとはしません
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手前にうなだれた青筋頬汗スチュワート 少し奥に後ろを眺めつつ語るビクトール男爵 その更に 奥に床を四つ這いで駆け回るジェーン やや俯瞰気味の構図 「みかけは人間の少女でも心は虫をみれば四つ足になって追いかけまわる動物だ」 がうーー がるる 「多少は人間に慣れてきたようだから狼というよりは犬といった方がいいかもしれんがね」
奥に八方からスポットを浴びる怒り顔のエレン汗一滴 手前にスチュワートの後ろ頭 俯瞰 「もういやよ スチュワート!」 「あのパーティー以来 スポンサーの人達もあなたの研究から手をひくし」 「学会では笑いものよ!」 「わたしの家族もあきれているわ」 「やめろ! エレン!」 「わたし達いつ結婚できるの? スチュワート」 「あの狼少女があなたの学説通り人間になるのはいつよ !」 「あの子は人間になんかなりっこないわ!」
中央のベッドに寝るスチュワートの上体のみにスポットライト 周囲に医者とコルベール神父や 召使いたち(計7名)が立ち ベッドの縁に跪いたエレン 人物の範囲は濃いスクリーントーン その外側の空間はベタで真っ暗 境目はグラデーションになっており全体に暗い感じの絵 俯瞰でロング 33巻20p-1 ※ 「肺炎です・・・」 「雨の中を酔っぱらって朝まで歩きつづけるなんてスチュワートらしくもない・・・」 「わたしがいけなかったんだわ」 「ごめんなさいスチュワート・・・許して・・・」 「主よ この若者をお助けください・・・」
※コミックスでは開演2日目のシーンに差し替えて採用されました。 また、コミックスでの絵は中心部のスクリーントーンが薄いものに変更されていて人物がはっきり していますが、連載時原稿の方は人物の姿もおぼろげな程に濃い網掛けです。 コマの形も違っており、連載時原稿では上部が斜めにカッティングされていました。 そのためコミックスでのこの絵の上部には背景を継ぎ張りした形跡があります・・・(^o^;) 中心部だけに薄いスクリーントーンを施した結果として背景のグラデーションが複雑になっている ので、まるでカラーページだったかの様な印象の色合いになりましたが、実はモノクロページが 加工の過程で複雑な色味を帯びたに過ぎないのです・・・(^0^;) なお、濃いスクリーントーンの一部は人物の足元の影として残されています。 ──────────────────────────────────────── |
上のコマを左側と下側から囲い 込むようなコマ割りです・・・(^_^;)
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舞台裏の助手や照明スタッフたち 頬汗も含む男女4名 皆さんの後ろからの構図・・・(^_^;) 「ここね・・・」「悲しみの表現の仕方でジェーンの心の成長をあらわすむずかしいシーン・・・」 「はじめに姉狼が死んだときは狼として嘆き」 「こんどは死にかけているスチュワートを前にして」 「めばえはじめた人間の少女の心を表現しなければならない・・・」
スポットライトが一筋だけ描かれた空白コマ 「稽古の間中 黒沼先生からOKが出なかったところだ」
右奥にベッドを覗き込む医者や召使たち 濃いスクリーントーン 左手前に天井からのスポット ライトで浮かび上がった椅子(タイヤの^^;)に腰掛けた白目ジェーン 33巻20p-2 ※ 「スチュワートさま きこえますか?」 「あなたにもしものことがあったら残されたこのあわれな少女はどうなるのです・・・?」 「スチュワートさま・・・!」 「スチュワート!」
小さな空白コマ う・
小さな空白コマ ひ・・・っく ひいっ・・っく
泣き顔のジェーン アップ (涙は流れていない・・・^^;) ひ・・・ぃ・・
※上のページの一部とともにコミックスでは開演2日目のシーンに差し替えて採用されました。 この場面のスクリーントーンも薄いものに変更しています。 また、ジェーンのドレスもブラウスも連載時原稿では真っ白でした。 コミックスではブラウスにスクリーントーンを施し、ドレスにも汚れを加筆しています。 なお、コミックス33巻は改稿によって加筆された部分が多いので、前号とこの号からの採用コマ 以外はほとんどが新規加筆場面です。 ──────────────────────────────────────── |
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手前に椅子(タイヤの・・・^^;)に腰掛けたジェーンの後姿 汗一滴 奥に広がる劇場の客席 ※ ジェーンの周囲だけ白抜きのスクリーントーン 放射線 左右の空間に八方放射の光 あー!
頬汗口半開きの真澄の横顔アップ 目前に大びっくりマーク それを中心にした放射線 ! このびっくりマークは下へ2コマまたぎ
口半開きの黒沼龍三 後ろに助手たち アオリ気味の構図
※真澄の姿はジェーンの陰になっているので描かれていない・・・(^_^;) ──────────────────────────────────────── |
巨大な書き文字と巨大なびっくり マークです ・・・(^_^;)
このコンテンツでは下のコマと 表現していますが連載時原稿 では左隣にあるコマにまたいで います。 ・・・(^_^;) 放射線の背景はまたいでいない ので単にコマのスペースの問題 ではみ出しただけかも?(^_^;) |
大口開いて泣くジェーン 大アップ 全面縦流線背景 (ここでも涙は流れていない・・・^^;) あぁぁーーー あーーー ンンあーー
椅子(タイヤ2段積みの・・・^^;)に腰掛けて泣くジェーン 汗一滴 スチュワアア スチュワアア
このページは縦長の2コマで構成している。 ──────────────────────────────────────── |
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床についた両膝 ダン
床に座ってイス(タイヤの・・・^^;)を揺さぶる青筋大口ジェーン 「スチュワァ」 ユサ ユサ 「スチュワー!」
汗一滴のバトリー夫人とジョン?(後姿なので不明)の間を駆ける(這いながら・・・^^;)ジェーン 「ジェーン!」 「スチュワー!」
苦しげな頬汗スチュワート 上向きの横顔 ・・・(^_^;)? はあ はあ
バトリー夫人とジョン?に左右の手をつかまれて暴れる青筋大口ジェーン 33巻23p-1 ※ あーー あーー スチュワーーー ドン ドン
※コミックスではこれも開演2日目のシーンに差し替えて採用されました。 セリフ・・・っていうか書き文字は少し変更されています。 この絵もコミックスではブラウスにスクリーントーンを施し、ドレスに汚れを加筆しています。 いうまでもないと思いますが、この前後の絵はコミックス編集時の加筆になります。 理事長などのキャラも断片化されて新たに組まれた構成に則って読者に劇の展開やジェーンの 心理状態を説明してくれているわけですね・・・(^_^;) 連載時原稿ではそれは次のページでの真澄の役割でしたが・・・(^o^;) ──────────────────────────────────────── |
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目尻に青筋のジェーンの横顔大アップ スチュワァァ スチュワァーー アーー アーー
水平線で陰影のついた舞台袖の助手2名の横顔 (下のコマの右上部に差し込んだようなコマ) 「・・・!」
頬汗真澄のややアオリのアップ 髪と襟元には水滴 同じコマで座席に腰掛けた真澄 その上下に真澄の想い描くジェーンの狼と人間としての表情のイメージカット2種 (なるほど・・・圧倒されるようなジェーンの悲しみだ・・・) (姉狼が死んだときとはたいへんなちがいだ) (こわいばかりの沈黙で悲しみを表現した野生の狼と) (人間の心をもちはじめた少女の悲しみと・・・) (その変化がジェーンの成長というわけか・・・) ──────────────────────────────────────── |
真澄のこの一連のモノローグは コミックス33巻23pで山羊ひげの 理事長が部下に語った形で読者 に示されました。 展開を端折っている分説明が 丁寧になっているところに作者 の工夫が見て取れます・・・(^_^;)
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右手前に頭と襟にリボンのついたドレスで椅子に腰掛けた伏目気味のジェーン 背後には花 中央奥にスーツ姿でショートカットのエレン 汗一滴 左奥に頭を垂れたスチュワートの後姿 (ジェーンは腰より上のアップ、スチュワートとエレンには天井からスポットライト) 「早いものね もうあれから7年・・・」 「ジェーンがこれほど美しい少女になるとは思ってもみなかったわ」 「学会の発表にジェーンを連れて行って大喝采を受けたそうね スチュワート」
ショートカットのエレンの横顔 ※ 「人間の言葉で自己紹介までしたとか」 「新聞で大変な評判だわ」 「努力のかいがあったというものね」 「あなたの説が認められたのですもの」
右奥にスポットライトの中のエレン 汗一滴 立ち姿 左手前に唇を固く結んでうつむいた頬汗 スチュワート 両手でコップを握り締めている 背景は太目の横線で構成された陰影 「婚約しましょう スチュワート」 「その約束だわ」 「今はまだダメだ」 「ジェーンはまだ完全じゃないんだ」 ──────────────────────────────────────── |
※ショートカットのエレンは 髪型といい表情といい姫川歌子 の横顔にそっくり・・・(^_^;) |
ベンチ(ブロック積みの・・・^^;)に腰掛けたスチュワート その後ろに立つエレン 両者に天井 からのスポット (舞台を劇場右側の通路方向からみた構図 人物はどちらもシルエット) * 「あなたは変よ スチュワート!」 「はじめの頃とジェーンをみる目が・・・」 「態度がちがうわ」 「あの子を人間の女として意識しているような・・・ !」 「あの子を愛しているのね スチュワート」 「ばかなことをいわないでくれ エレン・・・!」
上のコマとひとまたぎの客席 (客席や側壁、劇場の天井などがコマまたぎ) 「おねがい あの子を養女に出して スチュワート」 「わたしを愛しているのなら・・・!」
奥に医者 汗一滴 手前にうつむいた頬汗スチュワート 「ジェーンのためを思うならちゃんとした人間の両親が必要だ」 「ジェーンも女として成長しつづける」 「若い男性のきみではもう無理だ」
コルベール神父 汗一滴 ジェーンにいい養父母を紹介してあげるよ スチュワート」
右手に持ったスカーフのアップ 八方放射の光2つ 「お別れの記念だ」 「きみにこれをあげる ジェーン」 ──────────────────────────────────────── |
*このベンチはローリー家の庭に あるものと想像しています・・・(^_^;)
コミックスではスチュワートとエレン の絡む演技場面は稽古中も含めて ほとんどがカットされました。 スチュワートとエレンの絡みには 「忘れられた荒野」の物語において 転換点となる重要なエピソードや セリフが多いのですが、改稿する 際にその多くがカットされていると いう事は、コミックス編集において はその重要さ故にかえって邪魔に なったという事でしょう。・・・(^_^;) |
ボーッとしたジェーンの首にスカーフを巻きつつ・・・ 点描の輪に八方放射の光 32巻142p-2 「覚えているかいこの青いスカーフを」 「きみがはじめてぼくの名を呼んでくれたときのスカーフだよ」 「ときどきはぼくのことを思い出しておくれ」
スポットライトの中に立つスチュワート (顔は正面向きだが体が横向き 去り行くような風情) ★ 「さようなら ジェーン」
背もたれに縁飾りのついた立派な椅子に右手を添えて左手にスカーフを握った青筋震えジェーン 汗一滴 周囲に濃い網掛けの紳士淑女が多数立っている 背景はベタ 俯瞰 143p-1※ (ジェーンの座っている床を中心にフラッシュで白抜き おびえるジェーンが強調されています) 「ハ・・・ハジメマァァ」 「ワタシ・・・ノ名ナ ジェーン・・・デス」 「トシハ15サイ・・・」 「ワタシハ女ノ子デス・・・」 「ワタシ・・・ハ人間デス・・・」
★このスチュワートはコミックスでは32巻142p-3の懐中電灯に照らされた舞台の上で腰掛けて いるジェーンを残して去る形の表現に変わりました。 またひとつ前のページでの右手に持ったスカーフの絵も描き替えています。 ※このコマもコミックスではスクリーントーン(網掛け)が薄くなっています。 コミックスでの143p-2は真澄の絵も舞台から聞こえるセリフも新規加筆です。 ジェーンとスチュワートのスカーフの関係を示すセリフの追加によってストーリーのカットを補足し、 「忘れられた荒野」の物語の筋立てに重厚さを加えたたわけですが、一面では青いスカーフと 真澄の因縁を結びつける為の伏線を強化したともいえるでしょう・・・(^_^;) ──────────────────────────────────────── |
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真っ黒背景に濃い網掛けの微笑みロンバート伯爵夫人 後方に目を円くした紳士淑女 144p-1※ 「ジェーン」 「わたしがあなたのママなのよ」
青筋震えジェーン 真っ黒背景にベタフラッシュ 144p-2 「ワタシハ・・・人間デス・・・」
青筋の不安顔ジェーン 真っ黒背景 144p-3 「ワタシハ・・・人間デス・・・」
目を閉じて叫ぶジェーン 大アップ 放射線背景 144p-4 「ワタシハ・・・人間デス・・・」
スカーフを握り締めて大口で叫ぶジェーン 全身に濃いトーンの陰影 アオリ 流線背景 「スチュワァァーー」 フキダシに入った書き文字 144p-5
※これも連載時原稿では網が濃いので人物の表情が解り難いほどだ・・・(^_^;) ──────────────────────────────────────── |
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右上に白目ジェーンの横顔アップ 同じコマの左下に足を組んだ真澄 八方放射の光 計8つ (舞台の上と下とではきみはまるで別人だ・・・) (どうしてこれだけ激しくなれるのか・・・) (どうしてこれだけ我を忘れることができるのか・・・) (なんの打算もなくどうしてこれほどまでに生命を燃やせるのか・・・) (虹色の光の中で間違いなくきみは生きている) (チビちゃん・・・) (おれがうらやましく思えるほどに・・・!)
このページはコミックス32巻145pとまったく同じ。 前回の注釈でも述べましたが、コミックスでは次のページに前号から真澄のモノローグシーンが 転用されてひとまとめになり、ストーリーがより短縮される結果になりました・・・(^_^;) ──────────────────────────────────────── |
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強風の吹く低層ビル街 紙片や木の枝が舞っている ゴオオオーー
下の留め金が外れた雨月会館の壁面の張り出し看板が風に煽られてビルにぶつかっている バン バン
雨月会館のロビー ヒョオオ [どれほどの時が過ぎたのか・・・]
コミックス147pのビル街や割れたガラスを応急修理したロビーの絵はすべて新規加筆。 ──────────────────────────────────────── |
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落ち着いた表情の真澄 アップ [台風がすこし力を落としはじめたころ] [速水真澄は舞台が深い闇の帳をおろしたのに気づいた]
劇場内の全景 奥に幕の下りた舞台 最後方からの視点 全体に濃い網掛け [外の暴風雨とはうらはらに客席の彼の心はおだやかだった] 「静かな感動が胸の底を熱くしていた]
暗いステージの端っこに並んだ不安顔のマヤ、頬汗サクラコージ、頬汗つるはし男、バイク男、 助手 背景は幕 目の部分だけを白く抜いた濃い網掛け シーン ──────────────────────────────────────── |
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拍手する手のアップ パン パン パン パン
客席の真澄 周囲は客席 中心部は抜いた網掛け 真澄を中心に放射線 (舞台上からの視点) パン パン パン パン パン パン パン
少し驚き顔のマヤ 後ろに頬汗助手2名 (速水さん・・・!) 「お おい あの人が拍手してくれてるぞ!」 パン パン パン
放射線背景の空白コマ 「お おい アンコールだ 出ていけ!」
拍手する真澄の横顔 パン パンパン ──────────────────────────────────────── |
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つるはし男を先頭にバイク男、店員(アン)、その他アシキャラ4名 舞台手前に進む 俯瞰 「ど・・・どうも・・・」 この発言者はつるはし男・・・(^_^;) ゾロゾロ パン パン パン
笑顔の真澄 「初日おめでとう みなさん」 「いい芝居だった」 パンパン
破顔一笑で破顔一笑のバイク男に抱きつく店員(アン) 赤ら顔の婦長 笑顔のつるはし男 汗一滴の講師(医者) その後方の隙間にアシキャラ3名 放射線背景 「わっ!」 この発言者は店員・・・(^_^;)
真澄の横顔 アップ (コマは小さい) 「千秋楽まで頑張って下さい」
舞台上でお辞儀する一同 俯瞰 「あ ありがとうございます!」
天井 「ほめてくれたぜ あの大都芸能の社長がよ」 「おれたち自信もっていいんだぜ!」 わいわい
セリフは一部共通するものもあるがコミックスでの真澄のアンコール描写は連載時原稿からの 転用はまったくないので、すべての絵が新規に描かれたものという事です・・・(^_^;) ストーリー展開の上で素人役者たちの演技場面がカットされたのに伴い、アンコール場面でも 素人役者たちの登場部分を大幅に圧縮したのでしょうね・・・(^_^;) 連載時原稿では素人役者たちの活躍というのも黒沼龍三の演出家としての凄みを表現する 為の重要なファクターだったのですが、コミックスではマヤと真澄の物語にテーマを絞り込んで いるので、素人たちは邪魔になってきたというのが真相ではないでしょうか? ある意味黒沼龍三でさえもその役どころの重要さに翳りがみられますが、彼は真澄との屋台 での触れ合いで性格をやや変えてしまったおかげで次章『紅天女』や『生命』でも生き延びる 事になったのかも・・・(^o^;) ──────────────────────────────────────── |
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濡れたコートを持つ左手 (このコマは下のコマにカットインした感じ)
席を立った真澄 (既に後ろ向き・・・^^;) ※ カタン
ブロンドのかつらを手にした頬汗マヤ 後方にシルエットの共演者たち 「あ・・・!」 わいわい
目を見開いて大口開けた頬汗乗り出しマヤ アップ 放射線背景 「まってください! 速水さん」
舞台から飛び降りたマヤ ピョン
ふと・・・ 振り返る真澄
通路を走って来るマヤ (結構遠い・・・^^;) 周囲は客席 放射線背景 「まって・・・!」 「まって 速水さん!」
真っ黒背景に顔が浮かぶサクラコージ アオリ ややアップ フラッシュモノローグ (マヤちゃん・・・!)
※他のコマでは座席は人が居なくてもおりたままなのだがこのコマだけがなぜか全席のシートが 上に上がっている。 (他の号でも座席の座面はおりたままだった・・・^^;) 真澄が立ち上がった時にはじめて劇場の座席の構造を思い出したかのようだ・・・(^0^;) ──────────────────────────────────────── |
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右手に真澄の立ち姿 奥に汗一滴マヤ ふと・・・ 「舞台から飛びおりるとはおてんばな主役ヒロインだな」 「さすが狼少女だな」 「か・・・からかわないでください」
汗一滴マヤ アップ 「速水さん あの・・・」 「あの・・・」
両手でドレスの前をつかむもじもじマヤ の腰まわり 「あの・・・」
顔の中心に赤みの差すうつむきマヤ 汗二滴 ※ 「き・・・きょうは台風の中わざわざきてくださって・・・」 「あ・・・ありがとうございます」 「そ・・・それから最後まで席をたたないでいてくれて あたし・・・」 「あたしほんとに・・・」 「あの・・・」
額汗、目頭汗、頬汗で赤ら顔のマヤ アップ 「あの・・・」
真澄の横顔 ふと・・・
※コミックス32巻152p-3のマヤよりももっと赤い顔です・・・(^_^;) (153p-4の赤みに近い) ──────────────────────────────────────── |
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両手を前に揃えて深くお辞儀したマヤ (正面からの視点) 動作は流線 背景は放射線 ペコ
お辞儀したマヤの背中をなめて真澄 ふと・・・ 背景は場内の壁面とドア 152p-4 ※
右手前に微笑み真澄の横顔アップ 奥に寄り目で頬汗唇噛みのマヤ 頭から☆ひとつ飛ぶ ★ 「きみがおれに礼をいうなんてどおりで台風が東京を直撃するはずだ」 カチン
ロビーに出て歩く真澄 追ってロビーに出るマヤ ロングショット ははは 「速水さん・・・!」
振り返る真澄 アオリ (マヤからの視点) 後ろ頭と背中一面にスクリーントーン 153p-2 * 「きみのジェーンはすばらしかったよ」 「最高だった・・・!」
※お辞儀したマヤの動作を示す流線と汗二滴を加筆して採用している。 (これによって一番上のコマを省いたわけだ・・・^^;) ★コミックスではストーリー性を尊重してかギャグっぽい路線の絵はカットされる傾向が強い。 (他にはマヤとまどかの初対面のときの一連の絵柄などが印象深い・・・^^;)稽古編参照 *八方放射の光を加筆して採用。 コミックスでは黒沼龍三が32巻34pからの屋台エピソードの加筆で真澄と仲良しになったので 151pで気軽に宴会に誘っていますが、連載時原稿の流れでは両者はさほど接近していない のでそういう場面はありません・・・(^_^;) もっともはるか以前の稽古編では一度真澄と屋台で飲んでいるのですが、この時は両者の 会話がどういうものだったか具体的には描かれていない上に、ストーリー展開の上ではその後 なんらの進展もしていないので「忘れられた伏線」になってしまっています・・・(^o^;) 少し上の項目の注釈で述べた“黒沼龍三の性格がやや変わった”というのはこういった部分を 指しています。(連載時原稿での黒沼龍三は仏頂面ばかりだった・・・^^;) なにしろコミックスではここで真澄を呼び止める役割を黒沼龍三が担ったので、マヤが舞台から 飛び下りて真澄の後を追う場面はカットされてしまいました。 ──────────────────────────────────────── |
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やや赤みの残る見開き眼の口押さえ頬汗マヤ アップ 放射線背景 「速水さん!」
右手前にマヤ 斜め後方からの後姿 スカーフが落ちる ふと・・・ 奥の真澄も ふと・・・ ※ 「あ・・・!」 ヒラ
右奥に手を伸ばし床のスカーフを拾う真澄 左手前にマヤの横顔 ふと・・・ 「あ・・・!」
伏目で手元のスカーフを見る微笑の真澄 髪と襟元には水滴多数 156p-4 * 「とくにこの青いスカーフのシーン・・・」 「スチュワートの匂いをかぎながらしだいに人間にめざめていく場面は」 「感動的だった」
※スカーフを体のどこにつけていたのか、およびどこから落ちたのはそれ以前のコマでも描かれ ておらず、このコマにも描かれていないので不明。 そのためかコミックスのこの場面でのマヤは最初からスカーフを襟元に巻いている・・・(^_^;) あるいはこれが理由で連載時原稿でのマヤの絵をボツにしたのかも知れない・・・(^o^;) ついでにいうと舞台から飛び下りる直前には手に持っていたはずのブロンドのかつらは途中で 放り出したのか既に手にしていない・・・(^_^;) *連載時原稿ではこのページの左端には花とゆめ22号の広告スペースがあるので少し横幅が 狭かったのだがコミックスでは横幅を拡大して真澄をやや中央寄りにずらしている。 また連載時原稿ではひとつ上のコマの角が真澄の後頭部に掛かっていたのでコミックスの絵 にはその部分の描線を描き足している。 (連載時原稿での後頭部の描線はコマの角に隠れていたので線の終末方向が適当に描かれ ていたのだが、コミックスではその線をつなげた為にやや変なふくらみ具合になっている) 更にコミックスではこれより前のページ(154p、155p)でマヤが真澄の髪の水滴を青いスカーフ で拭き取る場面が加筆されているのだが、その為に連載時原稿では描かれていた髪の水滴が 消去されている。 (私が真澄の髪の水滴に妙にこだわっていたのはこの説明をしたいがためでした・・・^^;) つまりコミックスでの髪の水滴を拭き取るシーンはかなり後になってから描かれた部分なので 前後のマヤの絵の質感とは違っており、その黒髪に妙につやがあるわけだ・・・(^0^;) ──────────────────────────────────────── |
コマの左手前にマヤが居る場合はその視線はコマの中央に向かうので、この場合は右向きの横顔という事になります・・・(^_^;)
ここでのセリフが途中で途切れる のはフキダシの大きさに収まりき らなかった為だと思います |
マヤの内股の足元 汗一滴 「速水さん・・・」
右にスカーフをマヤに差し出す真澄 左に汗一滴マヤ ふと・・・ ス・・
真澄の手からスカーフをもぎ取る手 ベタフラッシュ背景 サッ
右にマヤ 横を見上げてふと・・・ 中央にサクラコージ 汗一滴 真澄を見つつ・・・ 左に真澄 の横顔 ふと・・・ ややアップ 背景はロビーの観葉植物や灰皿など 「桜小路くん・・・!」 この発言者はマヤ・・・(^_^;) 「どうも・・・!」 「これはぼくのスカーフですから・・・!」
睨むサクラコージの目元のアップ (下のコマにカットインしている)
右手前に白目サクラコージの横顔アップ 左奥に白目頬汗真澄の立ち姿 ベタ背景に稲妻 (この稲妻が真澄のベタフラッシュモノローグに多重につながっている・・・^^;) (これだ・・・!) (舞台の上でのあの射すような目だ・・・!) (だがなぜおれに・・・?) ──────────────────────────────────────── |
差し出す音です・・・(^_^;) |
奥に左手を上げた黒沼 手前に真澄 俯瞰 (小さなコマなので人物も小さく描かれている) 「きょうはわざわざすまなかったな 速水社長」 「黒沼さん」
右手前に黒沼 奥にタバコを咥える真澄 ※ 「とんだ初日だったがあんたがきてくれたおかげでみんなくじけずにすんだ」 「なにもないが残ってくれ ロビーで初日を祝いたいんだ」 「おい! みんなメイクをおとしてこい!」 ここ以降はギザギザフキダシ・・・(^_^;) 「台風がやむまで今夜はここで酒盛りだ!」
宙に突き上げた手が2本 放射線背景 (1本はグー もう1本はパーです・・・^^;) 「うおーい !」 「やったー !」
奥にサクラコージ汗一滴 マヤの肩に手を掛けて・・・ 手前に真澄を振り返るマヤ 汗一滴 「いこう マヤちゃん」 157p-2 * 「う うん・・・」 (速水さん・・・) このモノローグはフキダシなし
マヤの肩のサクラコージの右手のアップ 中心だけ白抜き 周囲は網掛け 157p-3
タバコを持つ手で口元を覆った真澄 軽く青筋 真っ黒背景 157p-4
ウイスキーやビール箱を持った雑魚キャラをなめて奥に佇む真澄 右手はタバコを持って口元に 左腕にはコートを掛けている すぐ横に灰皿 雑魚キャラには濃い網掛け 157p-5 ガヤガヤ
灰皿でタバコをもみ消す真澄の手のアップ ギュ
※このコマの黒沼龍三の表情は役者たちへ向かって発した言葉に対応する顔つきです・・・(^_^;) (笑顔や楽しそうな表情ではなく大口で怒鳴る顔です) 連載時原稿での黒沼龍三は誰に対してもめったに笑顔を見せません・・・(^0^;) セリフの流れはほとんど同じですが、連載時原稿とコミックスとの僅かな展開の違いがかなり ストーリーの違いに影響している事がお分かりいただけるかと・・・(^_^;) *このコマ以前の流れはコミックスでは展開が違っており連載時原稿でのサクラコージが真澄 の手からスカーフを奪い取るという描写はないわけだが、その結果コミックスのサクラコージは スカーフを真澄の手元に残してマヤだけを連れ去っている。 その為に真澄が帰る際にスカーフ畳んで長いすの上に置いていったわけだ。(158p-1、2、3) この事がのちに連載時原稿とコミックスの更なる違いを生む原因のひとつになるのだが・・・(^_^;) ──────────────────────────────────────── |
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ガラスドアの取っ手を押す右手 (下のコマにカットインするコマ) 158p-4 ※
コートを手に微笑で振り返る真澄 背景はガラスのドアと風 158p-5 * (さよならチビちゃん) このモノローグもフキダシなし
コートを着込んだ真澄の立ち姿 背景は雨月会館入り口 強風 158p-6 ★ ビョオオ
空を見上げる真澄の特大アップ 髪は乱れ顔には陰影と水滴 アオリ 背景は強風 159p-1 ☆ (嵐・・・か・・・) このモノローグもフキダシなし (おれの中の嵐も当分やみそうもないな・・・)
※連載時原稿でのドアは正面入り口の大型ガラス扉なので取っ手も四角く大きな物だった。 コミックスでは上のページの注釈で述べた展開の僅かな違いによって真澄は裏口から帰った 事になったので小さなドアノブに描き替えている。 更にいうとコミックスの加筆部分であるガラス扉の破損がこの修正を生んだ最大の理由だ。 *同じ理由でこのコマのガラスドアも裏口の小窓つきの扉に変更されている。 ★同じ理由で背景の一部が裏口の小さなドアに変更された。 なお、いずれのコマでもキャラクターと背景の大部分はまったく同じ絵です・・・(^_^;) ☆コミックスでのこのページ最上段に3コマ加筆された影響でこのコマが順繰りにずれて隣の ページに移ることとなったのだが、その為に上下のスペースが増えた分真澄の顔を上下に 伸ばしている。 連載時原稿では髪の生え際とアゴの先端は描かれていなかった。 コミックスでのこの絵をよくご覧になると前髪の途中から線を描き足している事がお分かり頂ける と思います。(本来は額の水滴の僅かに上までしかありませんでした) アゴのラインと襟足の髪の毛も描き足しているので線の太さや質感が違っているのです・・・(^_^;) ──────────────────────────────────────── |
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ビル街の上空で逆巻く風 ゴオオーー
雨月会館 正面の外観 強いアオリ 背景は会館の上空の黒雲と風 「おい! 速水さんがロビーにいないぞ・・・ !」 「えっ?」
右奥に着替えたつるはし男 手にはビール瓶 中央手前に着替えた頬汗マヤ 後ろにビール瓶を 手にした医者と雑魚キャラ (強いアオリの構図で壁面上部と天井が背景になっている) ※ 「帰ったんだこの嵐の中を・・・」 (速水さん・・・ ! なぜ) フラッシュモノローグ
ガラスドアの向こうを見詰める真っ白頬汗マヤの横顔アップ (速水さん・・・!) このモノローグもフキダシなし ヒョオオーー
※このセリフはコミックス160p-1でマヤが発しているモノローグや他の役者の発したセリフと同じ ですが、これは連載時原稿の絵ではなくのちに描き替えられたものです。 (その証拠にマヤの髪につやがあります・・・^^;) 細かい事にも触れると連載時原稿とコミックスのマヤの私服の模様はかなり違います。 連載時原稿では丸襟でクローバー柄の斜めチェック模様でした・・・(^_^;) とはいえいずれもスクリーントーンの貼りつけ模様に過ぎないのですが・・・(^0^;) コミックス160pでビール瓶を踏んだ黒沼龍三が転んだ時に飛ばしたタバコがスカーフに焼け焦げ を作り、この為2日目以降の舞台では赤いスカーフが使われるわけですが、この部分は2つ上の ページの注釈で述べた改稿の結果張られた新たな伏線です。 これについては次回以降の該当場面で改めて述べますが、ここから164pのビル街を上空から 見おろした構図の場面までの5ページはコミックスでの新規加筆部分という事になります。 ──────────────────────────────────────── |
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雨月会館正面全景 上空は真っ暗 横殴りの強風に紙片が舞っている [「忘れられた荒野」 嵐で迎えた初日] ゴオオォ [北島マヤと速水真澄にとって この日の舞台がやがて運命的なものになろうとは] [今はまだ知るよしもなかった]
この号にも柱言葉はありません。 代わりに次のようなメッセージがありました。
美内先生取材旅行のため、次号よりガラスの仮面を休ませて頂きます。 連載再開は1986年4号から!!
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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ふ〜〜〜(^。^;) これまでの改稿や変更の影響が重なっているので特にややこしい回でした。
コミックスでの絵は新規に描かれたものですが、ラストの展開はまったく同じものでしたね。 ただし、コミックスでは濡れた髪を拭く場面や帰ってしまった真澄に思いを巡らせるマヤのカット を加筆しているので、マヤと真澄の今後の関係を暗示する場面がより多く描かれています。
連載時原稿ではラストページの殺風景な絵にナレーションという形で描かれた事に比べれば はるかに叙情的になりました。
ご覧の皆様、いかがでしたでしょうか? あまりにも細かな修正が多いので注釈の量が増えてしまってスーッと読めないコンテンツになって しまったと思います。
注釈で多くを述べてしまったので特に解説する事柄も残っていません。 ・・・(^_^;)
この号からコミックスへの採用コマは結構ありますが、その順番や前後のつながりが僅かにずれ るだけでもかなりの影響が生まれるという事が良く解りましたね。
「忘れられた荒野」の物語そのものは 稽古編 や 通し稽古編 1 、 通し稽古編 2 で描かれた ストーリーを少し端折ったり、セリフを多少変更したりはしていますが大筋は同じものです。
ここで注目すべきはやはり7年後のジェーンでしょう。 8歳でスチュワートに引き取られたジェーンは15歳になったわけですね。
この時点で周囲の人々がジェーンを養女に出すべきだと言い始め、ロンバート伯爵夫人がその 養母になるわけですが、 通し稽古編 2では描かれた少女から大人の女へと変化するジェーン の具体的な描写はこの号では端折られていました。
しかし、エレンとスチュワートの会話の中に一連の事情は織り込まれているので、この号の連載 時期の時点ではまだ「忘れられた荒野」の物語の重要なファクターであったはずです。
ところが、コミックスでは「なぜ養女に出されたのか」という事情にかかわる部分はすっぽりと 抜け落ち、32巻の初日にも33巻の2日目以降でもついに描かれることはありませんでした。 (養女に出された後の描写は少しありますが・・・^^;)
従ってコミックスでは「忘れられた荒野」の物語の前半部分ばかりが繰り返し描かれていたので あって、物語としては完結をしていないのです。
舞台を変えていく黒沼龍三の演出もコメディや悲劇、社会風刺といった場面はそれを表現する のに向いた場面を断片的に見せただけであって、実は元々物語の中にあったコミカルな部分や 悲劇的な場面を切り取って強調した上で描いているに過ぎません。 稽古中には無かった演技というものは「人々が次第に狼化していく」というものだけです。
いずれにせよコミックスでは大幅な改稿によって、連載時原稿でこれまでに描かれた過程で ほとんど完成していた「忘れられた荒野」のシナリオの大半のストーリーを作者自らが放棄した という事になります。
その理由の追求は今後のコンテンツの中で探りたいと思います。
全体的な方向性が「忘れられた荒野」の物語としての面白さや藤本&まどかとの対決といった 従来のテーマを描く事からマヤと真澄の今後の展開をどう動かすかという点にシフトしてきている ので連載時原稿においてもサクラコージVS真澄、マヤにとっての紫織の存在といった“運命の ゆらめき”を演出するための伏線構築が活発になってきています。
しかし、既に皆様もご存知の通り「サクラコージVS真澄」という図式は結局は伏線だけに終わり、 今後は長い間放って置かれる事になります。 実は、連載時原稿でもこの設定は今後の展開に大きな影響を与えるものではなく、いつの間にか 忘れられます。
真っ黒背景に白目稲妻というインパクトのある表現ではありましたが、コミックスの方では改稿の 結果「真澄の髪を拭くマヤを見たサクラコージの嫉妬場面」としてかすかな痕跡を留めるのみです し、連載時原稿でも今後うやむやになってしまうのです。
従って「サクラコージVS真澄」はストーリー展開を再構築する以前の作者の“揺らぎ”であったと いわざるを得ないでしょう。
未刊行部分や42巻でまた性懲りもなく復活するのではありますが・・・(^_^;)
しかし、この当時に連載で読んでいた読者にとっては現時点で明らかなのは紫の影の章1の プラネタリウム編で明かされた真澄の気持ちと、それに気付かないマヤの姿、そして暗雲を もたらす紫織の存在ぐらいのものですから、真澄とマヤの関係がどう動くかはまだまだ未知数 の領域です。
今後はウエイトが増して来る英介も現時点では単なる伏線キャラに過ぎません。
「ガラスの仮面」としてのドラマの本筋はまだまだマヤVS亜弓の対決の前哨戦としてのマヤVS まどか、そして「忘れられた荒野」の物語そのものなのです。 (黒沼龍三本人は『イサドラ!』初日を観た時点で藤本夜彦との演出家としての対決には既に 決着が着いたと思っている事でしょう・・・(^_^;)・・・)
「ガラスの仮面」の方向性は今回告知された休載期間の間になされた全体の再構成によって 大きく変わる事になります。 32巻の改稿の理由はまだ明らかではありません。
では、次回もお楽しみに。 (T_T)/~~~
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