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読み始めたら止まらない ! 大河解説ロマン ガラスの改稿 狼少女ジェーン 15 開演前日の風雲編 |
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〜 ガラスのように もろく壊れやすいシナリオ ひとはみな素顔を隠して それをえがく 〜 |
第11章 紫の影 16 狼少女ジェーン 15 開演前日の風雲編 |
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2006/05/21 作成 06/06/16 更新 記述の追記と修正
あらすじ
「忘れられた荒野」のアカデミー芸術祭参加が認められないことに疑惑を覚えたマスコミ の取材が活発になる中、事前に招待していた芸術祭関係者や演劇協会員たちが 大挙して舞台を観に来るとの連絡が入った。
開演の迫る中、舞台のセットを組み上げるために黒沼龍三の引率で道具類の調達に 向かった先はガラクタが山と積まれた廃材置き場だった。
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花とゆめ1985年17号(連載216回) 冒頭は速水家での真澄と英介の会話から始まります。
いぶかしむ表情の真澄のアップ 「婚約?」
車椅子の英介 真っ黒バック 「そうだ真澄」 「相手の紫織さんはかなり乗り気だという話ではないか」 「朴念仁のおまえにしちゃよくやった」 「ここいらで正式に婚約ということにしたいがどうだ?」 ──────────────────────────────────────── |
朴念仁という真澄の代名詞は ここで最初に英介が口にしたの です・・・(^_^;) |
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困惑顔で汗一滴の真澄 右手にコーヒーカップ、左手にソーサーをもった立ち姿 ★ 「まだ・・・早すぎます お義父さん」 「おつきあいをはじめてからまだそんなにたっていません」
左手のコーヒーカップを口元にした英介 (引きの画面=ロングショット) ★ 「そんなことはない 半年もたてば十分だ」 「相手のお嬢さんが乗り気なのだ」 「なにをためたうことがある」
頬汗真澄の横顔立ち姿 うつむき加減でややアップ もやもや背景に四方配置のフキダシ 「ぼくにはまだ仕事が・・・」 「やりかけている仕事がたくさんあります」 「せめて・・・」 「せめて『紅天女』を上演するまで待ってください・・・・・・ !」
英介 こちらもうつむき加減でややアップ 真っ黒バック 「『紅天女』・・・か」
英介の ショールに覆われた膝元 「あれを上演するのがわしの夢だった」 「わしは『紅天女』を演劇界の歴史に残る舞台にしたいのだ」 「わしのこの手で不死鳥を蘇らせてやりたいのだ」
室内の調度品と窓 「体の不自由になったわしのかわりにおまえに夢を託したが・・・」 「もうそれほど長くまつこともあるまい・・・」
★なぜかこの場面の背景は2コマまたぎで描かれているが、二人の位置関係は向かい合って 話をしているので背景のインテリアがコマをまたぐのはおかしいのだが・・・(^_^;) 壁面や天井の模様だけなら連続していてもさほど違和感はないのだが両者のコマの中間に 観葉植物があり、それぞれのコマの中の人物の大きさの比率は違うのに葉の大きさや位置が 一連の背景として描かれている為に、いわゆる「ナゾ絵」のようになっている。 ・・・(^_^;) ──────────────────────────────────────── |
ナゾ絵=段差のある水路の描かれた絵などで、よく見ると下流と上流とが繋がっているような絵 |
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天井のシャンデリア 「どのみち来年の春にははっきりすることだ」 「芸術祭の授賞式で紅天女役がきまるのだからな」
英介を見詰める(と思われる)真澄 ややアップ コマの下部のみに指紋様の背景 「・・・・・・」 (落ち着いた表情)
落ち着いた目元だが口元に決意の滲む英介のアップ 真っ黒バック (視線は下に向いている) 「よかろう 婚約は少し延期してやろう」 「だが上演のめどがたったときは・・・」 「そのときはわかっているな 真澄」
手前に車椅子を自力で動かし退室しつつある英介 後方でそれを無言で見送る真澄の立ち姿 「・・・・・・」
豪華ライターを着火した右手とタバコの先のアップ (このライターは置物調) (お義父さん・・・) (あなたにとって『紅天女』の上演が夢であるなら)
咥えたタバコの火を着ける真澄 俯瞰 (ぼくにとっては復讐だ)
このページからの注釈の無い真澄のモノローグはフキダシ無しですがコマの絵の情景描写と セリフや心情の描写とを区別する便宜上括弧で括っています ──────────────────────────────────────── |
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背広の袖に左腕を通す咥えタバコの真澄の立ち姿 (あれを上演するのはあなたじゃない このぼくだ) (ぼくはあなたの夢の代理人でもなければロボットでもない)
玄関を出た真澄 手前に黒塗りの高級車 通路の両側にはお辞儀する使用人たち (あなたの夢のかなう日 あなたにそれがはっきりわかるはずだ) 「いってらっしゃいませ」
車のドアを閉じる左手 (そのときあなたはぼくに負けたことを知る) バン
後部座席中央の咥えタバコで書類を手にしたサングラス真澄 手前に後ろを窺う運転手 フラッシュモノローグ (そしてぼくがあなたを超えたことを知る) 「会議は何時からでございますか?」 「10時からだ 急いでくれ」 「はっ」 「それまでに書類に目を通しておく」 ブロロ・・
咥えタバコで書類を見る真澄の横顔アップ 「話しかけないでくれたまえ」 ──────────────────────────────────────── |
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大通りを走る車 (後方からのカット) 周囲は低層ビル街 歩道にシルエットの人物数名 フラッシュモノローグ (『紅天女』をぼくが奪ったことを知る・・・!)
雨月会館正面のアオリ外観
古タイヤや箱状のものを運ぶ人々5名 (このコマの人物はすべてアシキャラ) 48p-3 * 「こんなにガラクタいっぱい運びこんで黒沼先生はいったいどうしようってんだ」 はあ ひい 「おい トラックでもう2往復して運んでくんだってよ」
手前に奥の方を向いた黒沼の横顔アップ 奥中央に頬汗赤ら顔のびっくりマヤ その後方に コンクリートブロックを手に持つ医者、店員(アン)、バイク男 カオナシたち 放射線背景 48p-4 「よし! ごくろうだった! これからみんなに舞台のセットを組み立ててもらう !」 「舞台のセットぉ!」 「これで?」
*連載時原稿では一面がガラクタを積み上げた屋外の情景だったがコミックスでは手前の人物 は場内で荷物を整理しているように見える形にする為ガラスのドアと天井を加筆している。 (人物やガラクタの配置はまったく同じ絵です) コミックス48p-1,2の太陽とトラックの絵、およびセリフは加筆挿入です。 ・・・(^_^;) ──────────────────────────────────────── |
連載時の原稿ではこの時点で 既にコミックス34巻に描かれる 事になる真澄と英介の過去に まつわる確執の伏線がかなり のウエイトで描かれていたの です。 ・・・(^_^;) |
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このページはコミックス49pとまったく同じものです
天井 「空地を管理している人から安くわけてもらったんだ」 「古いものとはいえまだ使える」 「まず水で汚れをおとす」 「それから形のくずれているものは修理」 ひええ (空中に汗が5滴飛んでる) 「ブロックにはペンキ塗りだ」
黒沼立ち姿 後方に作業する人々 「いったことがすんだら俺の指示通りに場内へ運びこんでくれ !」 「そのブロックは下手へつみあげろ!」 「そのタイヤはあそこだ!」
右手前にブロックを抱えた頬汗マヤ 汗一滴 左後方に作業するバイク男やつるはし男たち うんしょ とと・・・・ ──────────────────────────────────────── |
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拍手する手のアップ 「ご苦労だった・・・」 パン
手前のブロックや天井に吊るされたタイヤ越しのマヤ、バイク男、助手、パーマ女(伯爵令嬢役) 「これが『忘れられた荒野』の舞台・・・?」 50p-2
黒沼龍三 ややアオリ 50p-3 * 「そうだ」 「そしてこれはまだ舞台として完成品ではない」 「未完の完成なのだ」 「演技がかわれば舞台もかわる」 「そのまた逆もある」 「それをよく覚えていろ!」
白いキョンマヤ 汗一滴 アップ 51p-1 (演技がかわれば舞台もかわる・・・?) (その逆も・・・?) (どういうこと・・・?)
空白コマに放射線背景 「今までおまえ達が稽古してきたことはこの芝居の基本だ」 「基本───!?」
*連載時原稿では黒沼龍三のジャケットのスクリーントーン処理が抜けていた。 (コミックスでは修正されていますが、今度は襟元から覗く黒いシャツが無くなっている・・・(^_^;)・) ──────────────────────────────────────── |
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真っ黒バックに白黒沼 ややアオリ 空中に八方放射の光 「これから本物の生きた芝居がはじまるんだ」
乗り出しマヤ ややアオリのアップ 「生きた芝居・・・?」
宅配便の兄ちゃんと助手 「黒沼先生! 楽屋見舞が届きました」 「大都芸能の速水真澄氏からです」
黒沼 ふと・・・ マヤも ふと・・・ 「大都芸能の速水氏から?」
手前の床の荷物に群がる役者や助手たち 奥に受話器を持つ黒沼 俯瞰 「ああ 黒沼ですが速水さんですか このたびはどうもけっこうな楽屋見舞を」 「すげー うまそう」 わい わい 「冷たいジュースに食いもんだ」 わいわい 「は? 北島マヤがあなたに招待状を?」 ──────────────────────────────────────── |
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奥に黒沼 手前に苦虫顔の頬汗マヤ ハッと・・・ 「おい! 北島! 電話だ かわれ」
受話器を持ったマヤ 汗一滴 「はい・・・北島です」 「速水社長でいらっしゃいますか?」
豪華な椅子に腰掛けた真澄 受話器を持つ右手の指にタバコを挟んでいる 「そうじゃないことにしておきたいね」 「きみが電話をきらないためにも・・・」
マヤの後姿 後ろに汗2滴飛ばしつつ・・・ 「こ・・・この度は楽屋見舞をありがとうございました」
真澄 左手のチケットを見ながら・・・ 咥えタバコ 「どういたしまして 初日の招待状をどうもありがとう」 「水城くんからうけとったよ」 「きみの狼少女楽しみにしているよ」
ちょっとむっとした感じのマヤ 汗一滴 「速水社長にあたしごときの演技をみにきていただけるなんて光栄です」
くつろいだ表情の真澄 タバコの煙を吐き出しつつ・・・ 「とんでもない 未来の『紅天女』の名演技をみせてもらえるのなら どんなことをしてもいきますよ」 フーー ──────────────────────────────────────── |
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真澄の微笑 アオリ気味のアップ 〔む・・・無理しなくてけっこうです〕 フ・・・
立ち上がった微笑真澄 左手にタバコとコードを持っている 「無理したいね」 「きみのファンとしては・・・」
見開き眼大口頬汗のマヤ 顔の中心に赤みが差す 「か・・・からかわないでください 速水さん・・・ !」
真澄の優しげな目元のアップ 八方放射の光 「本気だよチビちゃん」 「だからきみもきっとおれに名演技をみせてくれ」 「ロビーでおれにかみついたときのような」
見開き眼で口を噛んだ頬汗マヤ 真っ赤になる ややアップ 放射線背景 カッ ──────────────────────────────────────── |
〔 〕=電話口の向こうの声です
赤くなった音です・・・(^_^;) |
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上空に目線をやる微笑み真澄 アップ 煙を吐きつつ・・・ 〔速水さん・・・!〕 「だまってきいてろ!」 「あれはいい演技だった」 「本物の野生の狼を目の前にしたような気迫があった」
マヤ ふと・・・
厳しい眼差しの真澄の目元 アップ 八方放射の光 「初日であれ以下の演技をするようなことがあれば おれはもう2度ときみの芝居はみにいかんぞ」
左手に持った書類に視線を落とす真澄 「いいなチビちゃん」 「初日は楽しみにしてる・・・」
受話器を置く手 (速水さん・・・) チン・・・
頬汗マヤの横顔アップ もやもや背景 (なにかしらいまの言葉・・・) (からかっているようにはきこえなかった・・・) ──────────────────────────────────────── |
〔 〕=電話口の向こうの声です |
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マヤのおぼつかなげな足元 (あのひとが本気であんな言葉を・・・?) (ううん まさかそんな・・・)
笑う水城冴子 ・・・を思い浮かべるマヤ 「本気でそう思っているならすくいようのないおバカさんね」 オホホホ 「水城さん・・・!」
黒沼龍三の立ち姿 右手に台本 左手は宙に・・・ 後方には役者たち 「全員位置について───!」 「第1章第1場 スチュワートの書斎!」 ──────────────────────────────────────── |
このページの左端は花とゆめ コミックス新刊の広告スペース があり、8月19日発売の商品 の中にはガラスの仮面31巻の 告知もあります。 |
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暗雲の垂れ込める空 [初日が近づいていた]
衣装や小道具 「おーい 衣装が届いたぞー!」 「わっ!」
衣装を身に合わせるパーマ女の立ち姿(伯爵令嬢役) 荷物に群がる雑魚キャラたち 「いいぞ 似合うぞ」 「メイクも教えてくれるってさ」 「え───! メイク! おれ化粧すんの─── !」 「初日まであと2日だからマスターしろよ」
テレビ 画面にはニュースキャスターが映っている 「沖縄南海上に発生しました台風9号は北北東に進行中」 「今夜半にも九州南岸に上陸する模様です」 あははは・・・
動きを止める衣装を手にした役者たち 店員(アン)の姿も・・・) ピタ
奥にテレビ 手前にそれを振り返る不安げな役者たち 網掛け (パーマ女の姿も・・・) 74p-2*
「なお 台風9号は風速40m.」 「かなりの雨量をともない 津波や土砂崩れなどが心配されています」 「九州沿岸には津波注意報が出されました」
*コミックスでは台風の描写よりも前に紫のバラのひとからの贈り物が聖唐人によってマヤに もたらされるエピソードが入っており、そこからの展開をつなぐ都合でこのコマの右上にマヤが 受け取った花束を持っているコマ(74p-1)が加筆されています。 この改稿により脇役のキャラたちが衣装を抱いて喜ぶ場面がカットされたわけです。 マヤの後ろの人物が衣類とおぼしき布を持っているのはこの名残でしょう。 ・・・(^_^;)
また、これにより連載時原稿では両側のキャラの間に置かれていたTVの位置がこのコマの上方 に描き換えられました。 その為切り貼り採用されたコマの左端のキャラの目線が上向きに描き直されています。 (連載時原稿では描かれた人物全員の視線が水平方向でした・・・(^_^;)・・・) 実はこの人物の左隣にも、もう一人女性の横顔が描かれていましたが目線を上に変えても絵が おかしくなる為カットされました。(位置関係に無理が有り過ぎる) TVが無くなった分のスペースが空くのは不細工なので、コマの右側にいるキャラやフキダシの 位置は描き換えて両側の人物の間を詰めています。 その為、右奥にいた横顔のパーマ女(伯爵令嬢役)は居なくなり、新たに描き直されたテレビの 画面には質感を高める為、スクリーントーンを施しています。 なお、連載時の原稿ではテレビのキャスターのセリフも普通のフキダシで描かれていたのですが コミックスでは放送音声を示す形のフキダシに変更しています。 ・・・(^^;) ──────────────────────────────────────── |
[ ]=四角い枠で囲まれている (ナレーションに当たる)
このコマの文字配置通りに書き ましたが、本来は笑い声とTV 放送の音声はかぶっていると 見るべきでしょう・・・(^_^;)
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頬汗マヤ つるはし男汗一滴 手前にテレビ 「台風・・・ですって・・・?」 {このままでは本州に上陸のおそれが・・・}
天気図
頬汗マヤ横顔 頬汗つるはし男 頬汗寄り目のバイク男 汗一滴の婦長 つ:「おい・・・ このコースだともろ東京直撃じゃないか」 婦:「あした九州だって?」 バ:「へたすりゃ初日は台風だぜ」
ベタ背景にそびえる雨月会館 2コマまたぎ 「初日はたしか芸術祭のおえら方が全員観にきてくれることになってるんだろ?」 「どうなるんだ こりゃあいったい・・・」
「でもそれるかもしれないわ」 「東京へくるころには風力も弱まってるってことがあるわよ」 「それもそうだな」 ──────────────────────────────────────── |
{ }=このフキダシも上のページ 同様に普通のセリフと同じ形の ものですが、人物のセリフとTV 放送のキャスターのセリフを区別 出来るように改変しました・・・(^_^;)
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奥で話し合う役者たち 左手前に頬汗マヤのアップ わい わい
暗雲垂れ込めるビル街の上空 [だが台風9号は期待をうらぎって関東方面へと直進していた]
雨月会館の正面入り口 右側に花輪2つ 左側には「忘れられた荒野」本日初日 の立て看板 ──────────────────────────────────────── |
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「忘れられた荒野」の看板に落ちた雨粒 ポッ
上空の黒雲から落ちる雨 アオリ サアア・・・ [午後1時をまわった頃降りはじめた雨が台風のおとずれをつげた」
大雨に煙る雨月会館 ザーーーーーー ー
奥のテレビに見入る手前のテーブル周辺の役者たち 「台風9号はいぜん風力おとろえず今夜8時頃関東方面を通過するもようです」 「各地により大雨注意報が出されています」 「なお海上付近は津波の危険があるためくれぐれも・・・」 ──────────────────────────────────────── |
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青筋頬汗口押さえマヤ もやもや背景 「今夜8時頃台風が東京に・・・・・・!」 「芝居のまっ最中だわ・・・!」
後方に目と口と頬汗だけが描かれた雑魚キャラ4名 手前に黒沼と頬汗サクラコージ 「どうなるんだ おれ達の芝居は」 「開演は6時半だぜ」 「客がこれるのか・・・・・・?」
雨に煙るビル街 このコマに浮かぶように5:00を示す時計の描かれたコマがある ザアァー・・
デスクの椅子に掛けた真澄 脇に立つ水城冴子 窓を打つ雨 「降ってきたな」 ザァァー-・ 「はい」 ──────────────────────────────────────── |
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冴子 「路面バスは午後5時で運休になるとニュースでいっていましたわ」 「電車は午後7時から9時まで前面運休だそうです」 「大都芸能でもきょうは社員全員を早退するよう告知いたしました」
窓越しのビル街 「大都劇場他系列劇場ではきょうの客にそなえて帰りはバスを用意いたしました」 「それからきょう台風でこれなかった客のために特別追加公演の発表をいたしました」
タバコの置かれた灰皿 「そうか・・・」 「ご苦労だった・・・」
真っ黒背景に白冴子のきりっとした表情のアップ 「きょうの初日においきになりますの?」
真澄のアップ 網掛け 背景は雨の降る窓 「ああ・・・!」
コミックス81p、82pにはこのページに似たシーンがありますが絵はまったく違います。 ──────────────────────────────────────── |
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風雨の中の姫川邸 「亜弓お嬢さま! 台風がきてるんでございます !」 「こんな日に外出なんて・・・!」
振り返り亜弓 奥に車と運転手 「それがどうしたっていうの」 「こんな日に舞台を上演しようって人達がいるのよ」 「わたしはいくわ!」
亜弓のアップ 「車を出してちょうだい!」
風雨の中の麻生家 「舞! 台風ですよ! 出かけるなんて無茶はおやめなさい !」 「いやよ! きょうは桜小路くんの舞台の初日なのよ !」 「舞 ぜったい行くの!」
このページはコミックス83pとまったく同じ絵だが線を加筆して風雨の描写を激しくしている。 ──────────────────────────────────────── |
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手前に留めようとする母の手のアップ 奥に横殴りの雨の中を駆け去る舞 「やめなさい 舞・・・!」 「舞!」
頬汗舞のアップ 背景は横殴りの雨 フラッシュモノローグ 84p-3 * (桜小路くん・・・!)
ビル街を走る黒塗りの高級車 ビョオオーーー
真澄の横顔 窓外の風雨 85p-1 ※ ヒョオー-・
*コミックス84pの舞は加筆されたカッパを着ていますが連載時原稿の方は着ていません。 止める母親を振り切っていきなり外へ飛び出したようです。 なんて無茶な子だ・・・(^_^;) 当然ですが、ケーキなども持っていませんでした。 ※連載時原稿では車の窓に当たる雨飛沫が描かれていました。 また、他のコマも情景は似ていますが描き換えてより激しい風雨に変更しています。 ──────────────────────────────────────── |
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6:10を示す柱時計 柱の後ろは真っ黒バック 「先生・・・もうすぐ開演です」 「どうしましょう・・・?」
こめかみ汗二筋の黒沼龍三 大アップ もやもや背景 (黒沼の顔は下のコマと2コマまたぎ) 「前売りを買った客もいる・・・」 「招待した客も大勢いる・・・」 「たった一人でも客がくれば上演しなければならん・・・」 「まつんだ」
手前に黒沼龍三のアゴ 奥に衣装を身につけた役者たち(つるはし、バイク、アン、バトリー他) 「黒沼先生」 (この発言者はバイク男・・・(^_^;)・)
入り口のガラスを内部から見た構図 「いったい誰がくるっていうんだ こんな台風の日に・・・」 「きょうは芸術祭の審査員や関係者が大勢きてくれるはずだったのに・・・」 ビョオオオーーー 「ま まだわからないよ! この嵐でくるのが遅れているだけかもしれないだろ」 ──────────────────────────────────────── |
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姫川家の運転手 左手前に頬汗亜弓の横顔大アップ 放射線背景 85p-4 * 「亜弓お嬢さま 申しわけありません! 先へ進めなくなりました」 「高速道路が封鎖されてしまいました」 「それに一般道路も一部通行止めになったようで」 「なんですって!」
風雨のビル街の景観 “大売出し”ののぼりが飛んでいる 「バス! バスなんてもうとっくに運休になっていますよあんた」 「これからますます風雨がひどくなるだけだよ」 「悪いこといわないからさっさと家へ帰った方がいいよ あんた !」
軽く青筋頬汗の舞 ややアップ 背景は風雨 (桜小路くん・・・) ゴオオ・・・
*連載時原稿ではページの端まで一杯のコマでした。 コミックスでは幅を圧縮しているので絵 を切り貼りしたように亜弓と運転手の位置関係を詰めています。 フキダシの位置も違うので絵の一部に加筆修正もあります。 ──────────────────────────────────────── |
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ブロンドのかつらを両手で持つ青筋頬汗マヤの立ち姿 (芸術祭の審査員たち・・・)
真っ黒バックに真っ白頬汗マヤの大アップ (もし・・・もしきょうみんなこられなくなったら・・・)
紙切れが舞飛ぶ風のコマ 「ま・・・真澄さま きょうはもうお帰りになった方がよろしいのではありませんか・・・」 ビオオオ 「これ以上車をすすめるのは危険です」 ──────────────────────────────────────── |
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ランプを持ちカッパを纏った警官 * 「ここから先は道路が通行止めになりました」 「Uターンしてください」
車の屋根 俯瞰 (コミックスでは車内の運転手と真澄に変更) 「どうしましょう 真澄さま」 「ここをいく以外に雨月会館へは・・・」
押す右手のアップ (コートのスクリーントーンが抜けている) ※ バタン
コートの襟をつかんで立つ真澄の立ち姿 アオリ 89p-5 ★ ゴオオ・・ 「真澄さま・・・!」
真っ黒バックに真っ白真澄の決意の表情の大アップ 89p-6 ☆ 「歩いていく」
*89p-1のコマとまったく同じ構図で同じ表情の警官の絵だが、コミックスの方は上下の縮尺が 違う為か描き直している。 (コミックス89p-2,3,4コマも全て描き直している) ※連載時原稿ではコマの左から腕が伸びるのだが何を押しているかは描写されていない。 一方コミックス89p-4では腕が右から伸びてドアを押している。 ★連載時原稿では車は描かれていないがコミックスでは加筆している。 また書き文字にベタを施し、風雨の表現も強めている。 ☆真澄の顔に雨飛沫を加筆。背景にも明暗をつけて風を表現している。 ──────────────────────────────────────── |
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嵐の中のビル街 至るところにポスターなどの紙切れが舞っている “大売出し”ののぼりが飛んでいる ※
※こののぼりの形は3ページ前のものと同じだったので調べてみると、このページの絵の一部を 縮小コピーして使い回している事が判明しました。 ・・・(^o^;) フキダシが多いので中心部しか比較できないが、ビルの看板に“GANON”というものがあり、その Gの文字が両方の絵の同じ位置にあるので間違いないと思う。 ・・・(^0^;)
柱言葉 「忘れられた荒野」の初日が近づく!! 『紅天女』の主役を賭て、 狼少女ジェーンに取り組むマヤ─── ・・・でした。
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「賭て」→正しくは「賭けて」 送り仮名が不適切ですが、この 作品には良くある事です。(^_^;) |
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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ コミックスの描写は全体に嵐の様子を強調しています。 舞がケーキを持っていたり、バス停で待っていたりする描写も全て加筆です。
コミックスではエピソードの順番が大きく変わっている為、部分部分の採用コマがあちこちにいって 細切れになっているので参照しづらいかもしれません。 ・・・(^_^;)
この号の連載時原稿での流れでは舞と聖唐人が初日の前日にやって来ていませんが、かつて 私が某掲示板で語った通り、このエピソードは元々は開演二日目の出来事だったので、これより 後の号で描かれています。
この号の冒頭の真澄と英介の会話はかなり後の展開に繋がる大きな伏線だったのだが、この後 描かれる“真澄のうたた寝”エピソードと一緒にして、コミックス34巻の真澄の過去のエピソードに 集約されてしまったので、32巻の採用稿からは完全に消え去りました。 ・・・(^_^;)
実はこの後もこうした細かい伏線は順次捨て去られて行きますが、真澄の過去、英介の過去、 月影の過去、亜弓の想い、などはまとまったエピソードに集約して一気に描くような方法論が 取られる傾向はこのあたりから特に顕著になります。
その結果、連載時原稿で描かれたエピソードがコミックスに採用される事無く消えているのです。 (最初の犠牲者は亜弓だったかも・・・(^0^;) 姫川亜弓の活躍編参照)
マヤに電話する真澄のくだりでは二人の今後に大きな意味を持つ会話が交わされるのですが、 これも上記と同じ理由でコミックスのストーリーからはカットされました。
黒沼龍三の舞台を変える演出の伏線はここで張られ、だいぶ後になってからその内容が描かれ たのですが、コミックスでは一連の展開で描かれた為伏線としての意味は持たなくなりました。 (コミックス32巻50p〜58pの展開がそれに当たります)
コミックスでは真澄との屋台での会話から『紅天女』の演出家候補としての立場を自覚した黒沼 がやる気を起こした結果、“何通りもの舞台の演出”という挑戦を始める事になっていますが、 連載時原稿ではこの時点でそうした展開や成り行きを予感させる伏線もありません。
従って、このあたりの改稿もずーっと後の連載時原稿を検証せねばその本質に迫るのは難しい といえるでしょう。
コミックスの展開ではすぐに役者の演技を変えて見せるのですが、ご覧のようにこの時点の 連載時原稿では、ほんのサワリを触れただけに留めています。
以前も述べた話ですが、この“舞台を変える”という演出上の発想が最初に出てきたのがこの号 だとすると、30巻の通し稽古の短縮から導き出されたプロットの変更が、連載時原稿にも影響を 及ぼし始めたという事ではないでしょうか?
しかも、前回述べた真澄の別荘でのエピソードをこの後に持ってきていますし、そこで加筆された エピソードでは紫織が聖の存在に何らかの疑問を持っているので、コミックス32巻編集の時点で 後のホテルマリーンにつながる伏線を張り直したのだと思うのですが、この部分は結局未刊行の ままなので検証は難しいところです。 ・・・(^_^;)
連載時原稿では小出しに出てくる伏線がコミックス化に際してあるものは抹消され、またあるもの はさらに後の伏線として再構成されるわけですが、伏線とともに捨てられる名シーンが続出するの が「ガラスの仮面」の改稿の最大の特徴ですね。 ・・・(T_T)
今回はここまでです。 次回はいよいよ「嵐の中の初日編」(仮名)です。
ますます複雑さを増す「ガラスの仮面」の改稿ですが、狼少女ジェーンのエピソードはどの項目も 閲覧数が少ないので私のテンションもなかなか上がりません。 ・・・(^_^;)
「ふたりの王女」やプラネタリウムのエピソードに比べると面白みに欠けるのは判っていますが、 なんせ閲覧数が多くても4分の1ぐらいしかないのでなかなか気分が盛り上がらない上に、この 部分のエピソードには“華”が無いので書いていて楽しくないのです。 ・・・(T_T) 「上演の行方編」に至っては10分の1程度の訪問者しか居ないという有様ですから、追記や 加筆、または画像の展示をする気も興らないという惨状です。
しかし、コンテンツの連続的な分析研究と展示をやめるつもりではないので、お待ちの皆様は どうか気長に待ってやってください。 <(_ _;)>
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紫のバラと万年筆編 参照
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<= ご感想、ご意見、ご苦情、コメント等はこちらへどうぞ !! (^_-)-☆ |
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<= ゲストブックです。 ご来訪の記念に足跡など残してください !! |
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<= ガラスの改稿の裏話です コメントなどのカキコもどうぞ !! (^_-)-☆ 次のページ作成の進行状況や次回予告などを書くこともあります。 |
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”かぜ”の作成したサイト内横断リンク集 |
作成日 |
最終更新日と更新内容 |
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改稿 ・ 未刊行解説以外の ペ │ ジ も い ろいろ あ る よ !
見 て ね !
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第11章 紫の影 4 狼少女ジェーン 3 通し稽古編 1 へ 第11章 紫の影 5 狼少女ジェーン 4 通し稽古編 2 へ 第11章 紫の影 7 狼少女ジェーン 6 ミルキーウエイ編へ 第11章 紫の影 8 狼少女ジェーン 7 速水真澄の陰謀編へ 第11章 紫の影 9 狼少女ジェーン 8 姫川亜弓の活躍編へ 第11章 紫の影 10 狼少女ジェーン 9 速水英介の思惑編へ 第11章 紫の影 11 狼少女ジェーン 10 野生の狼少女編へ 第11章 紫の影 12 狼少女ジェーン 11 『イサドラ!』の楽屋編へ 第11章 紫の影 13 狼少女ジェーン 12 ロビーの波乱前編へ 第11章 紫の影 14 狼少女ジェーン 13 ロビーの波乱後編へ 第11章 紫の影 15 狼少女ジェーン 14 紫のバラと万年筆編へ 第11章 紫の影 16 狼少女ジェーン 15 開演前日の風雲編へ 第11章 紫の影 17 狼少女ジェーン 16 嵐の開演初日編 1へ 第11章 紫の影 18 狼少女ジェーン 17 嵐の開演初日編 2へ 第11章 紫の影 19 狼少女ジェーン 18 嵐の開演初日編 3へ 第11章 紫の影 20 狼少女ジェーン 19 嵐の開演初日編 4へ 第11章 紫の影 謎の番外編 ─ガラスの仮面通信─ 1〜6へ 第11章 紫の影 21 狼少女ジェーン 20 上演2、3日目編 へ かぜのキャラクター紹介のページへ キャラのイラスト募集中 !! |
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12/02/22 コンテンツ全体の修正 06/04/13 背景とレイアウトの変更
06/04/29 「 キエカナ」 へのリンク追加 06/05/08 屋台場面の注釈を追記 06/04/12 背景とレイアウトの変更 06/04/06 画像のレイアウト変更 06/04/12 記述の追加とレイアウトの修正 06/05/01 「 キエカナ」 へのリンク追加 06/04/12 レイアウトの変更 06/04/12 新事実の追記二件と全体修正 06/04/17 内部リンクの追加 06/04/14 注釈の追記と情景描写の修正 06/04/17 内部リンクの追加 06/05/01 コンテンツ名変更 06/06/03 若干の注釈追記と微修正 06/06/16 若干の解説・注釈の追記と修正 06/06/16 更新 記述の追記と修正 06/06/16 解説・注釈の追記と記述の修正 06/06/16 解説・注釈の追記と記述の修正
06/08/28 追記と修正 12/01/13 更新 記事の追記 06/06/07 カラーも含む画像2枚 up
新コンテンツ作成ごとに随時更新中 必要に応じて随時加筆 2012/02/21 新規サイトを仲間に追加 (^^) ついに作家デビュー !! 作家デビュー2作目 !! 最新のコンテンツ |